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日本経済新聞の朝刊に高齢者にかかわる記事が3件出ていました。

『糖尿対策、ホテル合宿で』は厚生労働省が糖尿病の疑いがある人向けにホテルや旅館で運動や食事の保健指導が受けられるプログラムを作るというものです。 糖尿病そのものはタイトルの高齢者と限定されるものではありませんが、高齢者介護の仕事をしていますと高齢者に多くみられる疾患であると思います。

国政の意図は『観光産業の活性化につながる』とのことで、成長戦略の一環だそうです。 厚生労働省がやることだからその意図が介護費用や医療費の削減、高齢になっても働ける期間を延ばす労働力確保や年金支給の減少(年金支給年齢でも働き続けることができれば所得水準によっては年金支給が減額されます)の一石3鳥を狙ったものかと思いました。 どちらにしても良いことですが、合宿しなくても本やDVDを作成して啓蒙活動をすればよいのでは、と思いました。

国政レベルで求められる施策ですが、当の個人に振り返れば健康維持のためにもしくは糖尿病予防のためになるのであれば好ましいことだと思います。 比較的若い人が糖尿病で両足切断し、電動車椅子で生活されていましたが、大変不自由な様子でした。

私が血管の異常を診断され、脳梗塞などのリスクがあると診断されたその日に禁煙し、禁煙の苦痛は全くありませんでした。 その後、血管の異常は脳梗塞へのリスクと関係ないことがわかり、またその日からためらいなく喫煙が始まりました。

人は死の恐怖に触れた途端、大抵のことができると思った瞬間でした。 それを優秀な人材がそろう厚労省で健康維持や高齢者特定疾患予防のガイダンスDVDを作成し、日本経済新聞で宣伝すれば結構売れると思うのですが。

二番目の記事は高齢者の定義を70歳以上にするという基準策定のものですが、『選択する未来』委員会が提唱しています。 話題の発端は生産年齢人口の定義にあり、現行の15~64歳を15~70歳にしようとするものです。 こちらは70歳まで働いてはということのようです。

三番目の記事は銀行・証券が医療・介護などの保険販売が好調という記事です。 加入対象は比較的若い人が多いそうですが、現行の医療・介護保険制度に上乗せするものだそうです。

これらの記事を総合すれば国は労働力が不足し、年金の原資も足らなくなり、医療・介護保険の財政支出もできれば減らしたいから70歳まで働いて、もしくは年金がもらえないかもしれないから働かざるを得ない人が出てきて、働けるように健康維持に努めなさいということです。 もう少し突っ込めば医療・介護保険制度は破たんを避けるために自己負担も増加しますよ、『だったら老人よ、健康維持に努めよ』になります。 言い方はともかく悪いことではありません。

個人に振り返ってみると致し方ない財政上の理由に納得するかどうはさておき、誰しも健康でいたい、70歳まで働きたいかどうかは意見が分かれる所でしょう。 しかし高齢者の入り口にさしかかった私としては国はどうしたいのかはっきり言え、国の制度で将来老人の健康維持は担保しないよ、と言ってほしいところで、疾病予防プロクラムが成長戦略目的では白けてしまいます。

個人的には平均程度の税金も払って来たし、若い収入の少ない時に年金積立も行って来たし、人一倍働いてきたつもりです。 幸い健康に恵まれ、最近の生活習慣も節制を重ねています。 それだけに70歳まで働くことを良しとはしないのですが。

 

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