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私の趣味と言えば本を読むこと、読むスピードが遅いので決して多読ではありません。 また、好奇心は強いほうだと思いますが、小説で新たな作家への挑戦はあまりしません。

贔屓の作家、北方謙三氏ですが、の作品を何度もよみなおします。 氏の作品は文学作品というより娯楽作品と思われますが(この区別は好きではありません)、読むたびに新鮮で考えさせられます。 氏は多作で、読み返す作品が多く、それも贔屓にする理由です。

贔屓の作家がいる読者は新刊が出ると書店の平積みの時に購入しますが、私は図書館で借りることにしています。 もし本を購入したら北方氏の作品だけで本棚がいっぱいになってしまいます。

世の中には本を買い集める人がいて、保管に困っている場合も多いと聞きます。 今読んでいる『老前整理』(坂岡洋子氏)で定年時に5万冊の蔵書がある人の話が書かれていました。 私は現在61歳になりましたが、30歳から31年間毎年平均50冊の本を読んだとして1550冊になります。 5万冊がいかに大きな数字か実感しました。

老前整理は自分が死んでから遺族に遺品の整理をさせるのはあまりに酷な話のようで、自分が認知になる前に持ち物を整理する話が書かれています。

仕事人間の男性は懸命に取り組んできた仕事の書類を何十もの段ボール箱に詰めて保管しているとか、70歳になっても現役しだいのスーツ50着を保管しているとか、の人の思いのこもったものを必要なくなったのだか捨てて、ごみ屋敷にしないという話が書かれています。

私の母は88歳、居室はごみ屋敷になっていて、すでに手が付けられません。 私はというと一部の衣類を除き、過去の思いのものは捨ててしまい、持っている荷物は少ないほうです。

たとえばかつて山登りに熱中しましたが、山の道具で使えるものは人にあげ、使えないものは捨ててしまいました。 その他の趣味のものもほとんど捨ててしまいましたし、本は数冊が本棚にあるだけです。 それでも経営する会社の決算書やもうすることのないテニスのラケット、ウェア、シューズなど、革靴も丁寧にはくのでたくさんあります。

しかし家財は同年代の男性では少ないほうだと思いますし、新たにものを買うのも少ない方です。 つまり荷物は増えていません。

アマゾンが月額$9.99で電子図書キンドルで60万冊読み放題というサービスを始めるそうです。 一台のタブレットに60万冊はアップルのアイポッドを連想します。 もしアマゾンと提携して、専門図書〇〇冊読み放題などのサービスができてくれば大学の先生や研究者などは家に本の無いスマートな環境になるでしょう。 先ほどの5万冊の蔵書を持つ職を定年で辞した男性は『そもそも収集癖ですか?』と聞かれかねません。 また5万冊の購入費用は専門書であることを考慮して1冊平均5千円とすれば2億5千万円にもなります。

このような省資源のサービスは印刷業界には逆風かもしれませんが環境にも良い話ですし、今後進んで行くと思われます。 スーツなどもクールビスが発展してなくなって行けば私が老後を迎えるころは家に荷物がなくなる時代が来るかもしれません。

『老前整理』に書かれていた中に整理対象が人間関係もと書かれていました。 義理の人間関係を断ち切っても痛痒はなく、死に際し、葬儀などのセレモニーも不要になるかもしれません。 私の死に葬儀が行われるか想像できませんが、葬儀が行われるとして棺桶に入れられるのは北方氏の代表作ではなく使い込んだキンドルかもしれません。

コメント

  1. 佐伯泰英も面白いですよ。
    私は昨年出会って、10ヶ月で172冊読みました。(ブックオフ100円ブック)
    会社で、福祉レンタルは儲かるそうだから参入・・・というバカな話を聞き、小売り、サービスの経験が長い私は、物を並べてるだけじゃダメですよと、御社のHPを参考に見ていたところです。

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