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前近代的な大会社

ある巨大上場企業の子会社の取引先は、親会社の管理システムを導入していると思われ、期間損益、部門損益、単品の損益など精緻な損益管理を行っているようです。
勿論部外者の私に内容は教えられることはありませんが、社員と話をしていると管理システムが透けて見えます。 だから通常の経営活動の中で、どの商品、どこの取引先、いつの期間で利益が出ているかどうか判るようです。
営業は、システムの裏をかかないと上司に成績のすべてが見通されて、言い訳のし様がなくなります。
そのシステムが完璧であれば、一番考えるべきは戦略の誤りがあるかの評価です。 戦略が誤っていてもかなりの成績を上げる営業がいるかもしれません。 それが詐欺まがいの販売方法であっても管理システムでは見抜けません。 勿論日報に『お客をだましてたくさん売りました。』と書けばばれるでしょうが。
通常戦略が誤っていれば、局地戦で勝てても戦線全体では負けてしまいます。
典型はベトナム戦争の米軍の敗北など、ビジネスの世界でもソニーと任天堂、かつてのトヨタと日産など戦略ミスは現場の営業がいくら頑張っても勝利を勝ち得ません。

国家官僚機構において、官僚が出した施策は絶対に覆らないというのがあります。 例えば水利目的でダムを建設することが40年前に決まりますと水利の必要がなくなったり、環境問題からダムの建設が意味を成さなくなっても自発的に取り消すことはしません。 農水省の有明湾の干拓事業なども典型だと思っています。

よく体質の古い会社が官僚的という言葉で批判されますが、一度下した決断は不退転といえば、先ほどの取引先の企業もこの体質になっているのかなと懸念します。 つまり戦略誤りは評価せず、すべて戦術ミスで片付けられるので、管理職は僅かの管理職手当で残業代無き長時間会議を強いられることになります。

今朝の日経に過労やストレスによる精神疾患の労災認定数と認定者の自殺者数が出ていました。
自殺以外に選択肢を持たない追い詰め方は凄惨です。 その点当社はその様な管理をしていません。

大企業は選択した事業分野でガリバーにならなければ生存できない宿命を負っているように思います。
短期的な利益追求ではトップに立つ必要はありませんが、長期に利益を囲い込むには独占が効果的と思われます。
TVゲーム機も前出の任天堂、ソニーの戦いのように二社が並存するとは考えにくく、セガサターンなどは早々に退場したのは記憶に新しいと思います。
中小企業で成功している会社は、ニッチで独占技術を持っている製造業者がよく話題になります。 当社のような地域テリトリーが明確な小売業も小さな地域の独占店になります。
そのための努力は必要ですが、オンリーワンの発想は必要ないかと思います。
昔は中小企業にひけ目や不安定さを感じ、出来ればいつかは上場企業と思っていましたが、儲からなくなれば止めればよい、オンリーワンでなければ供給責任から撤退しにくいということもありません。
従って、経営者は方針を頻繁に変更し、トレンドの波乗りをすればよいと思います。

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