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自らの意見からスタートする

ドラッカー氏の言葉に『成果を上げるものは事実からスタートできないことを知っている。 誰もが自分の意見からスタートする。』のがあります。

ドラッカー氏の名言集を読んでいた時に目に触れたのですが、意図する事が判らずに今日までもやもやしています。 このことを書いた原書を読めばわかるのですが、読まずに今日まで来てしまいました。 名言集でいくつか意味が理解できない言葉があり、調べたことはありません。 日々の経験の中で自分で気づくのが私の理解方です。 その場合、氏の意図と異なる解釈をしているかもしれません。

腑に落ちた言葉はもともと自ら気付いていたもので、氏がそれをうまく言葉に表したものと思っています。

最近読んだ本に『仮説思考』というのがあります。 著者は内田和成氏、もともと米国でビジネスコンサルタントをされていた人で、企業からの依頼に対して詳細に情報を集め、分析してコンサルタントをしていたそうです。 結局時間がかかる割にはあまりうまい考えが出てこず、挙句の果てに上司からは『枝葉を見るのはうまいが、幹を見ていない』と言われたそうです。

細かく情報を集めて分析するのは事実の把握で、事実からスタートする意味にとれます。 内田氏は先輩に聞いて回り、こうすればよいのではというストーリーを最初に組み立て、それを証明する事実を集めて分析する手法に変えたそうです。 この部分は誰もが自分の意見からスタートするに通じるように思います。

コンサルタントは最小の費用で最大のアドバイスをしないと評価されません。 スピードを速める方法として紹介しています。 コンサルタントはクライアントから経営課題、例えば同業他社に商品性能では負けていないのに市場シェアは負けている、理由は何かと問われる仕事です。

経営者はそのような経営課題をもった時に解決できなければ自らを否定されます。 つまりは命がけ、コンサルタントに依頼するのは万策尽きた時で、普通は自分で考え、手を打つでしょう。 自分の命がけの仕事を人にゆだねるのは釈然としません。

ドラッカー氏がこの言葉を課題解決の効率化としていたわけではないと思います。 コンサルタントは先の事例では価格を下げずにシェアを何パーセント上げる方法は何か?と聞くでしょう。

有名な経営者を観察していたドラッカー氏はそのような場合に経営者がこうしたいという明確な意思を示し、えてしてそれが現実離れしていたが突き進むことで経営課題を解決してきたのを何度も目の当たりにしたと思います。

学者は事実を分析し、コンサルタントは方法を検討する、経営者は意志を示すものと決めつければ矛盾があるでしょうか?

ドラッカー氏は自ら私は学者ではなく家の窓から下界を眺める傍観者であるといっていました。

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