監査役BLOG

カテゴリ

経営

[経営]

戦略

人でも会社でもこうなりたい、こうあるべきという目標を掲げます。 その目標を達成するため、どのように達成するのかが戦略、その戦略達成の具体策が戦術であると思います。

目標は理想、戦略は理想に向かう方向、戦術はその方向を目指す道のりと言い換えることができます。

戦略について読んでいる書籍に『良い戦略に備わっている卓越した価値の第一は新たな強みを生み出すこと』とあります。

さらに良い戦略の第二の価値は『新たな強みを知り、弱点に気付くところから生まれる』と続きます。

当社は中小企業であるがゆえに目標として仕入れ交渉で不利とならない規模を達成することをあげています。 つまり会社を大きくすることを目標にしました。 単純な目標です。 そのために規模拡大を中心に据えた5ヶ年計画を立てました。 単純に売り上げ規模を5年で約3倍にするというもの、従業員は2倍、経常利益は3倍の目標としました。

この目標設定に沿って各事業部は戦略を立案しますが、そもそも小売業ですから売り上げを増やすには営業員を増加させることが基本戦略になります。 戦略に沿い、私が片手間に行っていた採用業務に選任を手当てしました。 採用を加速し、売上を増加させる、シンプルなことですが思った通り採用が進みません。 言い訳をすれば自民党政権に戻って景気が回復し、求人難になったことです。

しかし労働マーケットを観察すれば人材紹介の企業が業容を拡大しています。 一方でハローワークからの応募は激減しました。 つまり就職難でとりあえず就職した人が景気が良くなって雇用機会が増えたことから転職を考え、紹介会社に頼る構図です。

近畿の有効求人倍率が改善するに従い、紹介会社からの紹介が増えてゆきます。 そして今までハローワークから採用した人と紹介会社から採用した人の人質が異なります。

今までは必要に応じてハローワークに求人を出していて、有料紹介会社はコストが高いのであまり利用しなかったのですが、積極採用のためにほとんどの採用が有料紹介に依存するようになり、新たに採用した人が即戦力があったり、高い実績を上げることがわかりました。 同業で有料職業紹介を利用するところは少なく、当社の営業員の人質に他社との違いがあることがわかりました。

今までハローワークで採用した人はその後の離職も多い一方で有料紹介で採用した人の離職率は今のところ低いです。 その結果業績も上向いたことから、当社の新たな強みが人質にある事が実感されました。

当社の営業は制度ビジネスの中で同じ商材を近似する価格で販売するものですから、納品のスピードや商品選定能力など業務品質で差別化を図るものでしたが、この差は結局のところ社内インフラより営業員の資質による事を意識できたこと、つまりは強みをより明確に出来たことといえます。

採用面接で当社の営業として必要とする人材を面接側でより明確にし、それに即した質問がなされ、厳しく選別するようになりました。

さらに適正な人材の急増に対して教育訓練方法が今までのやり方では上手く行かないようになってきました。 今までの方法が悪いというわけではありませんが、採用コストが増加したので早く育てたい、今までは7割方育てばあとは実戦経験を積み、数年で一人前になるというものでしたが、今は研修期間でほぼ一人前に育ててゆく工夫をしています。 出来の良い人はすぐに一人前になって先輩の実績を追い越してゆき、その実績が全体の実績を引き上げます。 つまり多くの営業の伸び代が大きく、管理職が個々人の営業の限界と思っていたことが実は限界ではなかったことです。

人の成長は本人が向上心をもって努力して初めてなされますし、入社時は一般に一番向上心が高いと思われます。 この時期に高い目標設定に合わせた教育研修を実施すれば初期研修時の成果は大きく、その後の実戦でさらに成長に期待が持てます。

以上は何も解りにくいことに気付いたことではなく、すでに分かっていたことを再認識し、対応したことにあります。 目標設定や戦略立案により現場にストレスをかけると課題を突破するためいろいろ考え、今回のように基本やすでに分かっていることに戻って解決策を編み出そうとすることで予断は消えてゆきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る