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遊牧民

かつてチベットの山(中華人民共和国青海省、四川省)に挑んだ時にチベット人のことを調べました。 解説によれば彼らチベット人の文化の特徴は居住する高度に特徴があります。

標高2500m~4500mに住んでいて、牧畜を業とします。 牧畜の方法として遊牧があります。 広いエリアを家畜の知りようとなる草地を求めて移動する方法です。 草地を作り、柵をめぐらせて家畜を飼育する方法は一般的です。

チベットでは草地のエリアが決まっていて、冬季は一番低い高度のエリア、夏季は一番高いエリアにテント生活しながら移動します。 冬季は日干し煉瓦の家に住んでいます。(地域により異なるのでしょうが) 年に4回引っ越しする牧畜方法です。

私が訪問した所では高度2800mが作物を育てる限界、彼らも一部の人たちは農耕を営み、高高度に強い麦を育て、脱穀粉砕した粉を煎ったもの(日本では麦焦がしまたははったい粉)をバター茶で練って食べています。 少数民族であったチベット族は高高度特有の文化を形成し、農耕民族のような土地生産性がないため人口など民力が低く、高高度文化を他民族からの侵略障壁になった思われます。

私は守口市に生まれ育ちましたが、私の先祖は知りうる限り(せいぜい江戸末期)守口在住で、通婚圏も近隣だったと聞いています。 つまりは土地に根ざした文化と言えます。 私の先祖は知りうる限り専業農家ではなく、綿を作って販売したり加工したり、家内工業が主たる生業でした。 それでも農村に暮らすうえでは土地に根ざした地縛文化、何代もそこに住んでいることが自慢の文化です。 子供のころからそれを叩き込まれ、ある時期までそれが正しいと思っていました。

大学に入ると全国(私の大学は主に西日本ですが)からきますし、アジアからの留学生も大変多かったです。 私が叩き込まれた地縛文化は大学では影の薄いものでした。 学部は農学部で、就職先は地縛的職業(転勤が少なく海外駐在などない仕事という意味)が多く、たまに海外駐在の仕事に就いた人の話を聞くと限りなくうらやましく感じました。

私が遊牧民的価値観の持ち主というより半地縛価値観であったと思います。 さすがにこの年になると海外や国内を転々とすることは負担が大きいと思いますし、天王寺に移り住んで5年以上たつと守口より便利な天王寺から離れられないようになっています。 息子はドイツに駐在し、10年くらいは帰ってこられないそうですがもう羨ましいと思わなくなりました。 もし私が30才だったらとても羨ましく思う事でしょう。

遊牧民でなくとも土地に縛られない全国各地を転勤してきた人たちは私と同じ年代になってどこかに定着したいと思うのでしょうか。 私の周囲にそのような人が少なく聞く機会に恵まれませんが、皆さん転勤を重ねる最中に家を買い、終の住みかとされるようです。

私は反地縛的価値観が新しい考え方と思っていましたが、若い人の中に地縛的生活を良しとする人たちが多い事に気が付きました。 就職して生まれ育った地域に家を建て、そこで一生を過ごすことを理想としている人たちです。 どちらの考え方にも善悪の判断はなく、好みだけの問題です。 どちらにしても思いを実現し、一生をそこで暮らし続けることは至難の業に思えて仕方ありません。

私には出来ない生き方、これからもたまに転居しながら一生を終えたいと思います。

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