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経営者の仕事

 

経営者の仕事は何か、もしくは経営者とは何か、といった議論は日常的にあまりされません。 P.ドラッカーはその著「未来企業」でリーダーシップは「神秘的なものではない。平凡で退屈なものである」と言っています。

運転手付の高級車に乗り、ロータリークラブや業界団体の会合に出席し、ゴルフに行き、それ以外の時間は社長室にこもっているとなると神秘的な立場になります。

私が前に勤めていた会社の経営者は私が見ても神秘的でした。 そして当の本人からすれば経営者という立場は勝ち取ったポジションで、維持すべきは会社でも従業員の生活でも業績でもなくポジションだったと思われます。

「平凡で退屈なもの」は実感するところで、個人の売り上げ目標やルーティンの作業も殆んどありません。 従って毎月の業績が上がればうれしいですが、その貢献は現場の職員のもので、自分には達成感として弱いものです。

ドラッカーはさらに「リーダーは仕事である」と言っています。 リーダー=経営者のポジションは権利でも特権でもないということでしょうか。

ではどのような仕事がリーダーの仕事か、ドラッカーは「組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である。」と定義しています。

多くの企業や政治家の世界でそのリーダーの神秘性を溶くため、今日は何をしているといったスケジュールを開示しているところがあります。 私はこれはあまり意味が無いと思っています。
一番明らかにしなければならないのは経営についてどのように考えているかで、ドラッカーの組織の使命と同じと思います。

私が接待で高額の飲食費の出勤を批判した職員がいましたし、私が従業員の誰よりも就労日か多いのにまとめて休暇を取得したことを批判的に言った人もいました。 要は何をしているか知らないし知る由も無い、しかし知りえたことにとやかく言っているだけです。
私は税理士からなぜもっと接待費を使わないのか、と何度も言われました。 税理士は経営者の仕事が大変だと知っていて、対価として経費を使った飲食費の支出は当たり前と思っているようです。 私の非難をした人は、私の人格が休暇とり放題で、出勤すれば会社の金で飲み食いする経営者と思われていたのでしょう。

反省しきりです。 接待費を使わず、休暇もとらなければその批判は免れたのでしょうが、何をやろうとしているのか、何を考えているのかその浸透が図られなかったことに経営者としてリーダーとして片手落ちであったと思っています。

ビジョンを公言し、ビジョン通りに事業が進展すれば私の貢献が誰の目にも明らかになります。 その過程で交際費を使おうが休暇をとろうが批判的には受け取られないということでしょうか。
これは経営者の評判や保身で言っているのではなく、ドラッカーの言う仕事と思っています。

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