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成果主義

 

当社の営業職は成果主義賃金制度を採用しています。 今まで営業職採用の面接で希望を聞くと・正しく評価されること、・評価に応じた収入が得られること、への希望が多く、自分自身の経験からも成果主義を好ましい制度と思っていました。
成果主義を前提とした運用は難しい側面があり、年功序列から成果主義に変更して失敗したケースの報告は多く、成果主義的給与制度を批判した高橋伸夫著『虚妄の成果主義』2004年版はベストセラーになったそうです。

『日本の不平等 格差社会の幻想と未来』日本経済新聞社 大竹文雄著2005年版を読むと興味深いことが「はしがき」に書かれていました。
・成果主義的賃金制度に変更しただけで労働意欲は高まらない
・制度変更と同時に能力開発の機会を増やし、仕事の範囲を明確にする
・人は年功的賃金を好む
以上が実態のようです。

私は以前20年間勤め人をしていて成果主義をよしと思ったわけですが、私自身勤め人として評価されませんでした。
私は事務職で、自分の成果を客観的に評価されたと思っていませんでした。 従っていつも評価に不満をもっていたのですが、事務職が評価されるには目立つ必要があると思いました。 そこで財形貯蓄の案内を総務が担当している損害保険の財形を増やそうと思い、利回り比較を行いました。
結果銀行系の財形は殆んど損保系に替わりましたが、経理部からは散々うらまれました。 一方損保の役員が総務部長にお礼の訪問をされたのですが、総務部長はこの件を評価しませんでした。

次に社内報に法律問題のレポートを書き、会社業務でリスク管理やコンプライアンスの意識が高まり、ハイリスクの仕事も取り組めるようになりました。 営業活動にも貢献できたはずですが、人事考課では「協調性が無い」と評価されました。

そんなわけでサラリーマン失格と思い退職したのですが、中小企業の経営者として11年経営に携わり、職員のいろいろな価値観に接してもサラリーマン時代の自分が自己中心主義であったと思いません。 ただ自分の価値観が会社人間としてもっとも適したものだとは思えません。

多様な価値観、考え方が干渉しあうのを最小限にできて組織はうまく機能していくと思います。 中心的な価値観は理念などに表徴されるような抽象的なもので、行動・方法は指示できても価値観は変えることができない、触れるべきでない領域かもしれません。

一方働く人の立場に立った時、いろいろな意味で柔軟な心をもっていないと変えるべき価値観、考え方のチャンスを失ってしまい、会社にとって自己中心的な存在に成ると思います。

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