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採用面接

 営業職員の募集を再開しました。 サブプライム問題以降世界的不況の中、当然日本の経済も当初の予測を下方修正するような新聞記事が続き、有効求人倍率も下降の一途をたどっています。
 採用側としてはこの機会に優秀な人材を採用したと思うのですが、ハローワーク経由で応募してきた人が3人連続してキャンセルになりました。 2人はエントリー後1時間ぐらいでキャンセルの電話をしてきました。 たった1時間で何が解かり、応募者の気持ちがどのように変化したか知る由もありませんが、所詮就職をその程度に考えているのかと思うことにしています。
 後の1人は約束の時間になっても現れず、連絡もありません。  約束した以上他の予定はいれずにまっていますが、連絡無く来ないと言うのはまったく失礼な話で、そういう人はハローワークでは今後紹介しないようにしてほしいと思います。

 面接した人の印象はというと、素直でまじめで人柄の良い人が結構多いのかなと思いました。 私は一次面接を行い、人柄、適正などを見て良いと思う人を二次面接である店長面接に送り込みます。 私も同席し、店長の評価を行います。 店長は当然信頼していますので、大きな権限を持たせているわけですが、採否の判断は店長の人を見る能力、判断力が明確に現れます。

 私は採用の判断基準として、能力の個体差をあまり意識していません。 つまり7割ぐらいは許容の範囲または個性の違いと思っています。 しかし残りの3割は私の判断力を超えているのかなと思います。 実際に一次面接を通過するのは5人に1人程度、二次面接では3人に1人程度でしょうか。 結果的に15人に1人ぐらいになります。 そこまで選抜することに「中小零細企業が何を生意気な!」と思われるかたがいるかもしれません。 介護の営業は比較的ぬるい世界で、車や保険や不動産の営業に比べ易しいと思います。
 では何故そんなに選別するかというと、営業社員の管理の仕方が他所と違うからでしょうか。
 応募してきた人は「ノルマはありますか?」とよく聞かれます。 「ノルマはありません。数値目標を設定しています。」と答えます。どのように違うのか、答えにくいですね。 フランチャイズ本部の職員はパナソニック電工の子会社ですが、パナソニック電工の昔の営業のスタイルはノルマ未達であれば営業フロアーの全員が最後の押し込み売りをかけます。 取引先の社長の自宅に電話し、仕入れてもらうようにお願いするそうですが、夜中の12時を回れば電話はできません。 そのまま全員朝まで事務所にいるそうです。 昔私はパナソニックの商品を殆ど買いませんでした。 その話を聞いてパナソニック製品が何故良く売れるのかわかった気がします。

 当社は薬局を経営しており、医薬品の仕入れは卸を通じて行います。 あるとき外資系メーカーの人が直接営業に来られました。いろいろ話を聞くと、ノルマに1円でも未達であれば賞与は0だそうで、大変厳しい管理をされています。
 だから経営計画の本を読めば目標必達の重要性について詳しく書かれています。

 私も目標管理を厳しくする必要性について理解していますが、何故厳しくするかと言えば「企業はどんな状況でも利益を出し続けなければ存続できない」事に尽きると思っています。
 利益を出すことは絶対的なテーマで、計画通りに利益を出せることはリスク管理の点で必要なことです。 計画通り利益が出なければ戦略誤りか営業のモチベーション不足かということになります。 だから目標より多くの利益が出たときは別の意味で再分析が必要になります。
 当社では経営層は基本方針、店長は数値を組み立てる戦略や戦術の立案、営業はその担い手として役割を分担しております。 どこでも同じ事をしているかもしれませんが、経営層が店長の戦術を非難したりはしませんし、ましてや営業個々人のモチベーションについてとやかく言いません。
 基本方針を間違えはトップは退任すべきでしょうし、店長が戦術を間違えて大きくロスすれば辞表を書くことになるでしょう。 そのような管理を心がけています。

 最初の話題に戻って、私が良い資質を持った人を面接しても店長は即戦力がなければ採用しません。 店長が資質を見抜けないわけではなく、今期の利益を考えているからです。 しかしこの責務を厳しくしすぎると即戦力は無くてもすばらしい資質を持つ人を即戦力がないと言うことで不採用になってしまい、会社の活力が養われない気がします。
 特に上場企業は投資家の期待に応えなくてはならないので、常に短期の利益確保に追われ、人を育てる余裕が無く、結果的に雇用問題の原因になっているのかと思います。

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