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読書の勧め

 以前勤めていた先輩から年賀状が届き、一人暮らしをしているとのことで何があったのかと電話すると奥様が病没されたとのことでした。

私より一回り年上で78歳、お互いその様な年回りになってきたのかと思いました。 この人は昔から小説を乱読する人で、売れていない作家の作品を紹介してくれました。 まだ芽が出ていない作家を見出すのが趣味で、ジャンルを問わず紹介してくれます。 そして一冊読んでその後売れ出すとほとんどその作家の作品を読まなくなります。

私はお気に入りの作家を見つけるとその作家の作品をすべて読みたくなる方で、2回読むこともあり読んだ冊数ではその人より多いのですが、読んだ作家の数で言えばはるかに少ないです。 私の読書対象としての関心は面白いか、もう一度読みたいかにあります。 従って特定の作家にはまるのは食わず嫌いになると最近反省しています。 とは言え読書スタイルはそう変えられるものではありません。 最近ではチャンバラ小説にはまり、しかも佐伯泰英氏に集中しています。 しかしチャンバラ小説のジャンルで展開をみました。

先程の先輩が別れ際に紹介してくれたのは近藤史恵氏、佐藤多佳子氏、駅伝や自転車レースの話らしいですがネットで調べる限りあまり有名ではありません。 私は大阪市立図書館で本を借りて読みますが、ネット検索が可能で最近指標にしているのは蔵書数と発刊後に借りている人がいるかどうかです。

蔵書数が多いのは人気があるためで、売れている作品は蔵書数が30冊に及ぶことがあります。 蔵書数が多いにもかかわらず発刊後数年経過すると誰も借りていない作品は一過性のものとして読書対象から外す場合があります。 古典落語と同様面白いものは何時までも面白いという考えです。

世間で注目されない作品(例えば蔵書が一冊でいつ検索しても誰も借りていない作品)を何度も読み返したりすることはほぼありません。 経営に関わる本や学術書の類にそのようなものがありますが、小説とは異なります。 小説に限定すればやはりよく読まれている作品を読んでみるのが楽しいです。

前出の近藤史恵氏、佐藤多佳子氏はそういう意味で一作品の蔵書数が多く、刊行後もよく貸出されていました。 それでもウィキペデアの日本女性作家に登場しませんでした。

私は人に小説を読むことを薦めることはしなくなりました。 仕事が趣味と言えるくらい没入したり、毎週山登りなどアウトドアスポーツをしたり、オートバイで一人でツーリングしたり、親しい友人と酒席で話をしたり、そして読書をしたり映画見たり、楽しいことをいろいろしてきましたが読書は楽しみの大きなものでした。

何々のためになる等と考えずに楽しく思います。 少なくともTVゲームより楽しいと感じました。 今やTVゲームが小説や映画を凌駕するエンターテイメントの地位を築いています。 TVゲームの製作にかかる費用は小説家の印税収入をはるかに上回っていると想像されるのでゲームが面白いと思う人が多いのは当たり前だと思います。 すでにあるのかどうか知りませんがゲームの世界で芥川賞や直木賞のような評価基準が確立し洗練されれば芸術性やドラマ性の高い作品が生まれるかもしれません。

もちろん勝ち負けの問題ではありませんが、それでも今後100年程度は小説は根絶やしにされないと思います。 いまだに話芸としての古典落語が演じられているように。

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