監査役BLOG

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かつて営業職員で大きな実績を上げた人がいました。 売上は記録的な数値ですが、値引きしての実績で、売上は大きいけれど利益は小さいというものでした。 当時営業管理データの分析まで手が回らず、管理データは売上のみで、営業にしてみれば売上のみが評価指標になっていました。 その人の賞与は結果的に低い金額で、その人から散々文句を言われました。
「こんなに実績を上げ、努力しているのにこの賞与は何ですか?」
「プロの世界に努力賞はない」と切り返しました。 その人はその後利益を上げ、会社に貢献したので賞与は大きな金額になり、今度は
「こんなに貰っていいのですか?」と言われました。 賞与の算定基準は事前に伝えていたので「計算どおりです」と答えると困っていました。 計算方式を伝えた段階で質問があるならいいのですが、得てして結果は想定をはずします。

配転した人が配転後引継ぎに時間をとっています。 「引き月は終わったのでは?、いったい何を引き継いでいるのか? 引き継げていないのは何か?」と質問したら謝罪のメールの見返ってきました。 質問は謝罪を求めるものではなく、あくまで質問なのですが。
すぐに本件の管理者に「なぜなんだ?」と質問をすると「私も気になり、注意もしたが改まらない」と今度はいいわけです。 もちろん引継ぎは、業務の種類や事前準備や引継ぎ期間によってはきちっと決まらない場合はあります。 しかし期間に猶予がなければ許された期間で引き継ぐものです。 たとえ不完全であったとしても。 さらに言えば人が考え積み上げてきたノウハウなら不完全でも引き継いだ人は引き継げなかったことについて、引き継ぎたかった内容を思いつくものです。 前任は自分が考えたノウハウであれば自分しか思いつかないだろうと考えます。
もしそのようなユニークなノウハウであれば他人に役立たないか、引継ぎのときに真っ先に自慢たらしく引き継ぐものです。

当社は週間営業報告の会議を毎週行っており、私も出席します。 営業の会議なので具体的で専門的な話ばかりです。 真剣に聞いていると眠くなり、居眠りを始めます。 そこで話を聞かないで自分がポイントとしている数字のみ着目して見ていました。 その向こうで皆は自分の数字の根拠や活動内容、あるべき論を喋っています。 聞くともなく聞いているとどうでもよい話、意味のない発言、巧妙な言い訳、時間つぶしのための手ごろな話題が聞こえてきました。
そんなにいい話ばかりならもっと数字は挙がっているだろう、そんなに問い合わせが多いのなら会議中にも問い合わせの電話がかかってくるだろう、先週やるといったことが出来てないじゃないか、もちろん言い訳は言っているが。

みんなプロです。 それで給料を貰っているのは金額の多寡は別としてプロで、お金が絡まなければボランティアです。 一人が実績を上げられず自分を中心とした土俵を用意すると、みんなその土俵の上で相撲を取り始めます。 私が行司なら「その言い訳に対してこの数字」と軍配を向けます。

「そんな高度の話は出来ません」、という話には「では退場願います」というのが一番紳士的対応と思います。 そうするのがプロ集団のトップの役割、プロはお金を稼ぐわけですからお金を稼ぐ話をしない人はプロではないので退場以外に方法はありません。

日本電産の永守社長が会議である役員が「・・・こうして、ああしてこういう風に実績を上げます」といったとき、その人の席に行ってお饅頭一つを渡したそうです。
その饅頭の名前は「大風呂敷」でした。

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