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大阪府の税収

私は昭和48年、1973年に大阪府立大学の農学部に入学しました。 府立大学なので大阪府の税金で運営され、革新派の黒田大阪府知事のおかげで私が入学した年も授業料は月額千円で国立大学よりも安かったのを覚えています。

学生の中にはそれを滞納して張り出され、挙句の果てに退学した人もいました。 各研究室には最新の高額な機器が並び、後者は立派で教授陣は学会の有名人が多かったように思います。

あるとき京都大学の大学院生と交流会をもち、研究室の予算の話題になったとき「コピーは300枚までしか認められないので論文のコピーが取れない」と嘆いていたのを覚えています。 当時コピー料金は高く、研究室にある禁帯出の論文は研究室で読んでノートをとるかコピーをとって持ち帰るかでした。 府立大学はコピー取り放題だったので、たくさんコピーをとらせてもらいました。

不正確ですが当時話題になったのは全国立大学の予算が600億円、東大が200億円、兄弟が50億円、そして府立大学は50億円弱と言う話題でした。(正確では無いと思います) これがおおよそ正しければ府立大学は予算の大きい医学部はなく、農学部・工学部・経済だけだったので非常に贅沢が出来たのだと思います。

今日の日本経済新聞に大阪府の税収落ち込みが掲載されていました。 2012年との概算予測で税収は1兆209億円だそうで、5年連続減収しているそうです。 一般会計収支は651億円の赤字、税収が6パーセント強不足することになります。

私が学生だった頃は大阪府は税収も豊かで、大学入学直前には万国博覧会も開催され、大阪は活況を呈していました。 流入人口が増え、大学の近所には泉北ニュータウンの開発が進み、ニュータウンと既設幹線を結ぶ鉄道と高速道路並みの高架道路が出来つつありました。

大阪府立大学も予算が大幅に削減されたりリストラが進んでいるようで、講座の先輩で府職員となった人が府から出向してその業務を行い、私の出身の講座もなくなりました。

大阪は歴史的にも豊かな都市で、あまり知られていませんが農業分野でも先進地でした。 ハウスイチゴ、ハウスみかん栽培や泉州のたまねぎ、菜・根菜・穀類・果実等農産物と名のつくものの新品種開発も歴史的に盛んでした。

生まれ育った土地の良いところが失われていくのはつらいことですが、大阪が個性を失わずに復活することを願ってやみません。

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