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山スキー

 前に山スキーのことを書きましたが、山スキーに狂っていた頃は今の季節が最高によい季節でした。 まず暖かく、日長時間が長く、従って行動時間も長いので、体力があるといくらでも足を伸ばせます。
 今の季節に雪が残っているところは標高が高いので、有名な山が対象になり、思いで深い山行が多くなります。
 但し、日差しは厳しく、対策をしなければひどいことになります。 紫外線100%カットのサングラスでレンズの淵に遮光のガードが着いているものなどです。 勿論ゴーグルはこの条件を満たしますが、通気性が悪くレンズの内側は露でぬれてしまいます。
 肌が露出するところの対策も必要で、手袋は防寒ではなく、日焼け対策で必要に、顔は私の場合、溶接工の帽子を使っていました。 帽子の下側に垂れが付いていて、顔の前でホックで止めると目の部分だけ出る覆面帽になります。 これでも雪の反射でのど、首、顎の裏などが日焼けしますので、絹のスカーフを巻きます。
 そんな四月のピーカン(快晴であること)のときに新潟県の焼山に行きました。 北アルプス最北端です。 頂上は噴煙を上げる活動中の火山で、頂上周辺は本来立ち入り禁止となっています。
 アプローチはなだらかな斜面が続き、気持ちよく登りましたが、酒好きの会長がすぐに休憩を取り、喉が乾いてビールを飲みます。 ビールはアルコール度数が低いのでそれにウィスキーを足して飲んでいます。
 ペースが上がりません。 はっきり覚えていませんが、2時か3時に『ここでビバーク』と声がかかりました。
 『えっえ~なんやねん』と心の中で不満を鳴らすものの会長は絶対です。 場所は風の通り道の尾根、 冬の風は方向が一定で、風の当たる斜面はなだらかで、反対側は稜線から雪がデブリ(せり出すこと)、切り立っていたり、庇のようになっています。
 その垂直の雪面に横穴を掘ります。 背の低い人が最初に掘り出します。 雪洞の入り口は出来るだけ小さいほうがよいのです。   
 最初に穴があけられると中を広げて行きます。 人が入れる広さになると他のメンバーが変わります。 入り口にスキーの板をひっくり返して置き、鍋で削った雪のブロックを板に載せると穴の外に滑っていき、急斜面からポトリと谷に落ちて行きます。
 雪洞の内部が広くなると二人で作業し、さらに三人で作業し、6人が寝られる広さまで広げます。
 おおよその容積が確保されると、皆が手に食器を持ち、内部のでこぼこを滑らかにしていきます。 でこぼこしているととんがっているところの雪が解けて雫になってたれてきますが、左官が仕上げたようにすれば解けた雪の雫は壁面を伝い、雫として垂れる事はありません。
 仕上げが終わると断熱マットを引き、蝋燭をつけると雪の反射でとても明るくなります。
 春とはいえそれなりの高度もあり、夜は寒いですが雪洞は快適、入り口にナイロンシートをつけ、外気を防ぎ、穴の外の雪面にステップを刻み、トイレ道にすると完成で、後は宴会あるのみです。
 トイレ道を忘れるとトイレに立って滑落する人がいるためです。
山スキーを行かなくなって10年たちますが、いまだにこの季節はそわそわします。

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