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半沢直樹

悪評高い銀行から熱心に融資を持ちかけられ、断り続けていたときに担当する若い行員がこのドラマについて「銀行てなんなんでしょうね、最近見たTVドラマで考えさせられました」というようなことを別れ際につぶやいていました。
立派な体格の脳みそまで筋肉でできているような人ですが、愁いを漂わせて言われると『じゃ見てみよう』と思いました。

見て最初の印象は善悪の構図がはっきりしすぎている、抜群のキャスティングであるが表情表現が極端で漫画チック、ひょっとして金融監督庁に恨みを抱いているのでは、といったところでしょうか。

最後の評価は損害保険会社の職員が同庁のいじめともいえる行政指導におそらく徹夜の作業、それも意味のないことをやらされて憤懣やるかたなかったのでしょう。

われわれ医療・介護系も全く同じで、厚労省に意味のない作業を延々押し付けられ、毎年のように複雑化してゆき、官僚もそのうち理解できなくなるのではと思われるような体系を作り出します。 そして殺し文句が「あなた自身を守るために言っているのですよ」である。 一部の不正・不具合がマスコミに取り上げられ、それを調査して不正業者を排除するのではなくエビデンスを複雑にする、官僚のやり口は皆同じといったところでしょうか。
できれば厚労省に恨みを抱く作家が医療介護事業者の『倍返し』作品をドラマ化してくれれば高い視聴率を達成できるし、我々も少しは溜飲が下がる思いです。

話は当社への融資の話に戻って、当社には資金需要がないのでいらないと言っているのに借りろという。 資金需要のない企業に金を貸すのが銀行の仕事か、では資金が必要なときには貸しはがしするんだろうな?
と嫌味を言いますが、ほとんど応えていません。 応えていないのは半沢直樹の話をした担当の上司です。

半沢直樹の評価をネットでみると「働くことの尊さ、正しいことを主張する勇気」が今の時代に受けているとのことです。 時代を読んで制作したといったのは『風立ちぬ』の宮崎駿氏であったが、「働くことの尊さ」はそうかもしれないと思う半面、「正しいことを主張する勇気」が時代を反映しているのか感じることができません。

自分がサラリーマンをしていた時に「ある取引先が不渡りを出すのでその瞬間に立ち会って来い」という不可解な出張の指示が出たときです。 そもそも不渡りが出るその日にのこのこ出て行って何をしろというのか、わかりませんでした。 たとえばグレーな金融業者から借金していれば手当たり次第に資産を持ち帰るでしょう。 私は格闘技に通じておらず、そのような輩が来てもどうすることもできませんが、とりあえず担当営業と工場に入り、武器になるようものを手に持って照明の消えた工場の中を見て回りました。

当社の貸与資産があるということなのでそこに行くと何もありません。 担当営業に「なぜないのか?」、「以前は此処に置いてあったのですが」ととぼけます。 私ははなから無償貸与資産の存在には否定的で、無償貸与したのは金銭だと思っていました。 そもそも倒産し、会社が更生する道は絶たれ、管財人もすぐに決まるとのことでしたので無償貸与資産でなく、金銭貸付であっても大差がありません。 額面通りの資産であればそれに市場価値がなく、金銭消費貸借であっても清算価値がほぼない倒産ですから配当は殆どありません。 しかし営業担当の見え透いた態度に腹が立ち、帰社後その通りに報告書を上げました。

社長が担当部長を呼び、担当部長は開き直って退職しました。 後にその営業フロアに私が行くと皆視線を外します。 真実を言えば部長の首が飛び、引き金を引いたものは村八分、そもそも組織的に行っていたわけです。

半沢直樹との違いは半沢直樹には多くの味方がいた、当時の私には味方がいなかった、やめた会社に全く未練はありませんが、その会社はいまだに残っています。 半沢直樹のドラマの視聴率が高いのは日本的チームワークや仲間との連携、勧善懲悪的なものではと思いました。

ところが最終回でどんでん返しがあり、主人公は不正を暴くことに成功するのですが、信頼していた頭取からもらった辞令は左遷でした。 日本的村社会では目立つスーパーヒーローは追いやられるようです。 なまじハッピーエンドを期待した私には苦い思い出がよみがえりました。

コメント

  1. 頭も性格も悪いのになんであんな偉そうなんですか?
    人間性がすけてでててあの人もあなたのこと散々にいってましたよ

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