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価値観

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復讐の連鎖

ある社長と自らの会社職員に対する感情について話をしたことがあります。 その人は若いとき大変やんちゃな人で、高校も中退していましたが、私がお話しした時は一見温厚な人に見えました。

「そら私も人間ですから嫌な奴もいますよ」、この件に対する発言はこれだけでした。 つまり好き嫌いはあるもののそれをおくびにも出さず社業に励んでおられます。

その人が別の機会に「会社の方針に従わない職員にはどうするのですか」、「研修に参加させます。 とても面白くない研修で、早い話が会社を辞めろと言うことですわ」、社の方針に合わなければやめてもらうというのがその人の考え方です。

大企業ですからそんな研修システムを使うことができますが、当社ではそんな研修システムを持っていません。 そこでイライラが募り、「どうしてくれようか」と思うようになります。

いらいらが募る社員は①会社の考えと合わず、身勝手な発言や行動を行う人(職員の話は聞くようにしていますが、自ら責任をとれないことを周囲の人間にしゃべる人、主に会社の悪口。 どこの企業にも問題があり、まじめな経営者は法律の範囲で、時には人情も織り込み、問題の解決にあたっています)、②会議では発言せず、決定事項と違う行動を勝手に行う職員(いわゆる従面腹背)、③もっともらしい理屈で常識はずれの提案をする人、④人の言うことを聞かない人(反論もしなければ従いもしない、非生産的な人)等など言えばきりがありません。

経営者向けのセミナーで職員を四つのカテゴリーに分け、どれが一番辞めさせるべきか、という問いがありました。 優秀・無能対会社の方針に従う・従わないの掛け合わせで、講師は優秀だけれども従わない組み合わせの人が最優先で辞めさせるべき職員としていました。

この話を聞いたとき、優秀で会社の方針に従わない人は話し合えば使い道があるのではとおもいましたが、最近は講師の判断は正しいと思うようになりました。 もちろん優秀でなく会社の方針に従わない人は言うまでもなくやめてほしい人材です。

昔は講師と同じ発想で、話し合ってやめてもらった人もたくさんいます。 そもそもそんなに会社の方針を良しとしないのであれば会社は居てほしくありませんし、本人も自分の考えと会う職を探せばよいわけですから。

多くの善良な職員の中にも会社の方針と違うことを平気でする人がいます。 その人には具体的に何が方針に沿っていないのか説明し続けることが必要だと思いますが、朝初めて会えば挨拶をするとか、今日に完了しなければならない仕事は残業してでも完了させるとか、社会常識の範囲のことを言わなければなりません。 それは説教好きでない経営者にとって大きな苦痛です。

思い込みもあります。 賃金の水準が低いと勝手に思い込む人です。 賃金相場は各種統計が出ていますが、同職種の人と比べて公平に賃金が決まっていても少ないと思い込む人です。 これもそんなに自分が優秀と思うなら別の職を見つけるべきです。 もちろん賃金の決め方が完全ではありませんので若干の不公平があるかもしれません。 しかし概ねストライクゾーンを外していないと思います。 大抵はその友人が自分より高い給料をもらっているとかです。

しかし一番たちが悪く、問題なのは悪意のある行為・発言を隠れて行う人です。 このような行為発言はいずれ私の知り得るところとなりますが、憎しみを抱いても仕方ありません。 十分話し合い、それなりの処断をすべきです。 その時一切の感情を排除し、決定することが経営者の真価と言えます。

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