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中小企業の経営

昔、経営者になりたての頃、一人で予算を作成し、一人で方針を決めていました。 取締役会もなく、それを実行するすべもなく、絵に描いた餅でした。 顧問税理士は大学の先輩でしたが、「後ろを見てごらん、誰もついて来ていないよ」と揶揄されました。 しかし全く私は意に介せず『どうすれば皆が付いてくるのか、そもそも計画に難があるのか?』などと考えていました。

それから10数年が経過する中で取締役を選任し、取締役会を開催し、権限を委譲し、何回も予算編成をみんなで行い、その周知のためにこれまた半年ごとに全社員で総会を開き、周知も図りました。 その結果多くの社員が予算やそのもととなる事業計画に沿って活動し、予算達成を目指し、私の実務は、少なくとも当時の実務は軽減されました。 税務顧問はその後変わりましたが、もし会うことがあったら「どや」と言ってやりたい気がします。 批判はできるし正しいと思いますが、結果を伴った行動には敬意を払うべきでしょう。 たとえやり方がハチャメチャであっても。

しかし、私の仕事は減ったはずなのに逆に増えていて、徐々に日常生活を圧迫し始めています。 どうも私は一つ駒が進むと先読みする癖があるようです。 単純な経営の一歩は割合簡単に、ハチャメチャな方法でも進めることができます。 しかし次のステップはなかなか難しいようです。 次にやらなければいけない事が沢山見えてきてどれから手を付けてよいかわからずアップアップです。

初心に還り会議で幹部の意思統一のために会議を開催しました。 実務レベルの課題について決定する会議です。 その際、議題を自分で考え、方針も打ち出し、決定はみなさんの協議にゆだねるようにしました。 これは大変労力のいる仕事です。 同様のことを取締役会でも行いますが、こちらは方針に関することが多く、新しい会議=企画会議のテーマは方針に沿った実務の議題ですから、結局自分で方針から方針に沿った実務まで仕切ることになります。 あまり多くの反対意見が出ないので自分で料理して自分で食べているようなものです。

商売は昔から『牛のよだれ』というそうですが、私は『金魚すくい』と思っています。 弱そうな金魚=結論の出やすいテーマに狙いをつけ、掬いに行きます。 しかし拙速は禁物、水につけて素早く掬いにゆくと紙は破れてしまいます。 そろっと、そろっと、忍の一字で皆の共感を得ながら歯ぎしりする日々が続きます。

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