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薬剤師の国家試験

当社は薬局を経営しているので薬剤師を採用します。 求人方法としてハローワーク、新聞の求人欄、新聞折り込み、求人サイトそして紹介会社とありとあらゆる方法を使います。 それでもなかなか採用できません。

他社は大学に求人活用に行くそうで、私も遅まきながら大学に行ってきました。 大学に行く理由は求人票提出、企業の合同説明会の参加の可能性、就職状況及び国家試験の合格率などです。

薬剤師の免許は国家資格、大学の薬学部を卒業していることが受験資格となります。 大学は国家試験の合格率を発表しているところが多く、また合格率が低すぎると文部科学省からいろいろ言われるのか、助成金が減らされるのか不都合があるようです。

したがって国家試験の直前に卒業試験があり、これが難しく(国家試験合格率を高めるために一定学力以下の学生はふるいにかけられるようですが)、かなりの人数が落ちることになり、留年します。 6年勉強して留年して、さらに受験勉強して卒業試験にチャレンジし、うまく合格しても国家試験に落ちると学校に席がなくなり浪人することになります。 今年の国家試験の合格率は60%台と言われています。 そして多くの留年性も輩出し、大学は定員との兼ね合いで微妙な調整をしています。

薬学部の授業料は大変高く、学生側の負担は並大抵ではありません。 そして国家資格を取得して医者ほど稼げるかというと生涯年収では一般サラリーマンと同等以下と思われます。

当社のような調剤薬局に勤務した場合、初任給はそこそこ高いですが、賃金上昇率は低く、そもそもマンパワーとしての生産性が業務開始1年目とベテランの域に達した場合とで大して変わりありませんから(知識は努力している薬剤師において大きく変わってくると思います)賃金はさほど上昇しません。

比較的賃金が高いのはドラッグストア、しかし転勤があり労働条件は過酷です。 医療業界においては頂点に立つ医者が相変わらず巨額の報酬を得ている一方でほかの職種は恵まれません。

大学訪問で薬学部のキャリアセンターの担当者の方は学生にいかに国家試験を合格させるかに頭を悩ませています。 そのような過酷な学生生活に耐えられず30%程度の学生が退学したケースも聞きました。 薬剤師という職業をより社会に役立つべく制度を変えてきているのでしょうが、制度の狭間の薬大生は苦難の時を過ごしているようです。

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