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経営者の仕事のかなりの部分は同じことの繰り返しで、退屈なものです。 よその経営者も退屈なものという記事を読みました。 ただし、退屈の中身は決して平穏であるというわけではないです。 これもよその経営者も同様に感じているのではないでしょうか。

退屈な理由の一つは同じことの繰り返しが延々と続くことです。 たとえば財務資料の読み込み、月次で試算表(損益計算書、貸借対照表)が作成され、取締役会で報告される前に読み込みます。 投資家や経理担当者は各種財務分析を行い、会社の状況を数値の動きとして把握しようとするでしょう。

基本的に同じことをするのですが、たとえば経常利益/売上高が新聞に出ている上場優良企業で5%を目標にしている記事があります。 「なるほど、5%か、当社は下回っているな」と感じるかもしれません。 仮に2%であれば半分以下になります。 5%を目指すために何をすればよいか、利益率の問題なので損益計算書を読み込みます。 粗利率が長期に変化していないとすれば販売管理費が大きいわけで、内訳を読み込むことになります。 新規出店した店の損益がマイナスである、それが利益率を押し下げているなら検討の余地がありません。

次は新店の赤字幅が縮小傾向にあるのか、ないのか、その店の営業員一人づつの替えを思い浮かべながら、その店の週報の実績を思い出しながら傾向をつかんでゆきます。 ひょっとしたら新店の損益以外のところで大きな利益と思わぬ損失が発生していて相殺され、目立っていないことがあるかもしれません。

損益計算書に記載される勘定科目は大科目ですから内容の把握ができない場合がほとんどで、気になる事は経理に問い合わせ、担当部署の人に実際の取引について問い合わせをします。

ポイントは現場に近い人と組織長に聞くこと、その温度差をしっかり把握しておくことで、よくない報告がなされても決して叱らないことです。 そもそも叱るのはその組織を統括する責任者の役目ですから。

このように地味な作業が続くので退屈ですし、微妙な変化は連続する数値の中で現れてきます。 単月の変化にとらわれないことでしょうか。

毎月このような作業を数値を手帳に記載することで繰り返し、頭に叩き込みます。 数値の把握が苦手な私としては苦痛な作業になります。

また定例的な会議があり、そこで実績に基づいた質問やコメントを出さねばなりません。 以前の会議で検討された課題がいつの間にか解決していたとしてもなぜ解決したか、追求しておく必要があります。 『解決したから良いではないか』は次に同じ問題を引き起こしますし、解決は通常の状態に戻っただけです。

このような現状把握を地味に繰り返して問題も起こらなかったとしても利益率は一般に低下してゆきますので、従来考えられない改善や改革を行わなければなりません。

そこでこのような地味な作業は習慣にすることで苦痛を和らげます。 習慣化した方が良い業務はどんどん増えてゆきます。 習慣であるはずの事が多くなり、いちいち意識しなければできないようになってきます。 それほど単純作業が増えるともはや改革・改善・イノベーションは意識の外になって行きます。

そう思えたらすべてを投げ出し、旅行に行くことにしています。 バイクにまたがり、行き先を定めないツーリングに数日行って、帰ってきたときに何の問題もないことはやらないようにしてゆきます。

私の場合、このような方法でバランスを取っています。

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