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推理

私は刑事ドラマ『相棒』の再放送をよく見ています。 主役の杉下右京警部は殺人事件の解決で細かい事実を積み上げて結論を導くところがよくできたドラマと思います。 いろいろな証拠から私も推理しますが、なかなか作者を超えることができません。

もちろんドラマの構成から犯人は容易に判るように設定されていますが、暴いてゆくプロセスには仕掛けがあり、作者の工夫があります。

経営判断、特に新規ビジネスへの挑戦や既存ビジネスの収益性改善などについてどのように判断すればよいかどこの会社でも検証が行われます。

新規ビジネスではどれくらいの期間で軌道に乗せられるとか、既存ビジネスとのシナジーや要員確保など検証項目は多岐にわたり、判った事、わからない事、それぞれのプラス要素とマイナス要素を対比させます。

私は大雑把で楽天的、よその会社がその事業で利益を計上しているなら当社でも計上できるはず、やってみればよい。 ただ当社が取り組むべき事業か? それは一番悩むところです。

薬局と高齢者介護事業を営む傍らでパン屋さんを併設する意味はかなり難しいと思います。 たとえば高齢者がのどに詰めにくいパンを開発するとか、ダイエット食のパンを作るとか、腎臓疾患の患者さん用のタンパク質フリーのパンだとかになると思います。

世の中にある事業は存在価値があり、社会貢献を果たしています。 当社の応募者で社会貢献がしたいから当社を選定したという答える人がおられますが、確かに高齢者介護の事業は顧客の感謝の念が実感できていかにも社会貢献と感じます。

一方企業として事業を営む上では利益確保は事業存続のかなめですから避けて通れません。 先ほども言ったようにどのような事業でも世界で当社だけが営んでいるわけではないですからかなりの割合で同じ事業を営む会社は利益を出しています。 赤字の会社は事業運営に問題があるわけで、どんな方法でも赤字になる事業はそもそも世の中に存在しません。

先ほどの応募者の話と同じように私も事業の社会貢献について常に考えます。 それは事業の収益性、安定性のためで、こきゃに感謝されたいからではありません。 社会貢献の本質がより高度なものであれば社会はその事業を支持し、存続させようとするからです。

では高度な社会貢献とはなんだろうと考えると大変難しく、例えば最近20年では失業率が問題になっていますから雇用を拡大すること=事業規模を拡大することかテーマの一つになります。 社会貢献の本質や高度化は社会環境の変化で変わってきますし、高度なものとは長期にわたり社会問題となっているものと考えています。

たとえば環境問題、食の安全、高齢者雇用、女性の管理職、障害者雇用などと思います。 毎日新聞を読んでいて継続して話題が出る問題です。 薬局経営と環境問題の接点は解りにくいですが、投薬指導時に残薬確認をするようにしています。 以前に投薬された同じ薬が残っておれば新たな処方箋発行の医師に処方された薬品量を減らしてよいか問い合わせます。 このどこが環境問題化といいますと薬をちゃんと飲まない人は新たに処方した薬も残しがちで、最終的には残った薬は捨てられます。 薬は薬物、ごみとして廃棄されるときに環境問題を引き起こすかもしれませんし、新たな薬を減らすことで薬の製造を減らすことになりますし、患者様に残薬確認をすることで服薬を促すことにができ、疾患の改善につながります。

少々こじつけかもしれませんが、薬局の事業を通じて患者さんの健康回復に寄与するだけでなく、視界資源の節約も並行して行えるならそれも事業の目標としてよいかもしれません。

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