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読書

採用面接で「本を読みますか?」とよく聞きます。 読書という習慣が廃れて久しいように思います。

採用面接に来られる方は若い人が多いですが、若い人で読書が趣味と言う人は殆ど応募してこられません。 TVもあまり見ないし新聞も読まない、情報は殆どネットから、という人が多いように思います。

ネット情報はストーリー性が薄いように思います。 何がどうだった、こういうことが起こった、見た、何々はよくない等々、長い文章、物語、それは映画のような映像でもよいのですが、そういうものに触れる機会が我々の世代に比べて少ないように思います。

経営者、もしくは経営側の立場に立ちたいという応募者がいました。 経営学の本は全く読んでおられないとのこと、大学では経営学に関する学科を履修されているのですが、最近の大学ではテキストもないのか不思議に思いました。

かつてサラリーマンの時に法務の仕事をしていました。 何か問題があると似ている事件の判例を読みに図書館にゆきます。 判決の主文を読むとなぜそのような判決が出たのか理解できません。 私は法学部出身ではないので判例の味方・読み方など学んだことはありません。 しかし経験を積むうちにそれぞれの事件には裏があり、その事情を斟酌して判決が下され、主文では結論だけを簡潔に書くことがわかりました。

つまり多くの判決は長い物語があり、だから単純にこれは正しいとか間違っているとか短絡に判断できないことが理解できるようになりました。 そもそも単純に善悪や正誤が判断されるなら法廷には持ち込まれないでしょう。

日常生活でもいろいろな意見があり、行為行動・判断基準・ルールがあり、それぞれの真意を把握するには長い物語を覚悟しなければなりません。 複雑な現代社会で多くの事象を理解するのに膨大なネット情報は果たして有効かと疑問を持ちます。

私にはネット情報は長い物語を細切れにしているように思えてなりません。

たとえば為替について全く知識のない人がネット検索を繰り返してドルが円に対して高くなると判断し、ドルを買って儲かるか、はなはだ疑問を感じます。 もう少し分析する人がいて、FRBのイェレン議長のコメント、米国の非農業部門の失業率のデータ、日米欧の金利など加味して為替に手を出したとしても50%の人は得をし、後は損をする構造ですから得をする方にはなかなか入れません。

本をたくさん読んだから為替でも受けられるという保証はありませんが、為替で稼ぐより確率の高い稼ぐ方法は見つかるかもしれません。 私はネットより確率が高いと信じています。

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