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経費削減

二年前、販売管理費の増加対策として目に見える経費節減を社内で提案した。 人件費の直接削減以外の方法ということで限定しての提案で、年間100万円程度というものだった。

経費について見直すという意図で、具体的な金額である100万円に大した意味はなかった。

結局その意見は立ち消えとなったが、この2年間でいくつかの節減策が出てきた。 一つは自動車保険料である。 運航する車両が30台弱で年間保険料300万円が更改とともに倍ほどになった。 車に乗る営業新人の増加から小さな事故が増えたためである。 もちろん事故防止の為の社内教育が不足していたのも事実で、事故を起こしたものに始末書の提出を求めたが反省の内容が良くなかった。

事故を起こして会社に迷惑をかけたとか、これから注意するとか当たり前としてなぜ事故を起こし、今後どのように対処してゆくかが反省されておらず、再提出を求めている。

会社の反応も悪く、『保険料率が上がる』といったもので、これももっともな話であるがまずはあってはならない事故を無くしてゆくという観点が前面に出てほしかった。

年間保険料が300万円も増加することがコスト上昇という側面からつらい話であることも事実である。 事故を減らす対策として少額の事故は保険適応せずに店舗経費で賄えというものであった。 これは店長にすれば答える話であったようで一定の効果があった。

保険代理店に聞くと事故を起こした本人の負担にしてはというもので、業務中の事故を本人負担とすることはそもそも雇用とは何か、という原点の話になってしまう。

リース会社に聞くと事故を起こした運転者の車にドライブレコーダーを付けて分析し、安全運転を心掛けさせるというものであった。 これも映像を見てなるほどと思ってしまう内容だった。 私自身、かなり乱暴運転で、長年無事故であるがゆえに自信過剰気味であったが、事故を頻発させる人の運転は私指針が危険を感じるものであった。 そして抑止力として効果があるものであった。

損害保険会社がこのようなシステムを持つことは理にかない、会社の社会責任を高度に果たす意味を持つと思う。

東芝が診療報酬明細を分析し、糖尿病予備軍の人を抽出して早期に節制や治療を促す分析を業として行う。医療機関は疾病の治療と予防が使命だか、治療に関してはどことも注力するが予防に関して疑問がある。 糖尿病になって人工透析を行うようになれば年間500万円の治療費がかかるらしい。 健康保険組合は大きな支出となるし、本人も良いことは何もない。 医療機関はどうか、別にそのこと自体に問題はなく、お客である企業からクレームが来るわけでもない。 もし定期健康診断を受託する医療機関が対象受診者1000人当たり10年後の医療費1億円減額を保障したらどうであろう。 糖尿病の人工透析が500万円/年・人であれば20人の糖尿病患者の予防に成功するだけで達成できる。

予防できる疾病は糖尿病だけではない。 そもそも健康診断に莫大な時間と費用をかけていて診療報酬を下げる、ひいては人件費の削減につながらなくては何のために行っているのか?

待てよ、自動車保険と同じ議論になっている。 社員の健康を守るために健康診断をやっているのに経費の話になっている。 ととちってしまうほど経費削減は難しい課題です。

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