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習慣化

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知識の使い方

当社は営業職は殆どの人が新卒ではありません。 しかし、体力や知力特に新しいことに馴染む力を考え、若い人を限定して採用しています。

よくある質問に、社内研修の充実があげられます。 社内研修は必要に応じて行っていて、つまりは必要なことが多いのですが、研修やセミナーで改善できる範囲は限られていて、費用・時間対効果を考えると疑問を感じるときがあります。

採用しやすいように研修を増やしているのではなく、研修の効果があることについて行っているだけで、最近考えているのは、営業として習熟するうえで最も効果があることはOJT、つまりは直接の管理職の指導によるところが大きいと考えています。

それゆえ管理職の指導力が話題になるのですが、新人が何か知らないことがあって直接の管理職に聞き、管理職がそれに丁寧に答えるという構図はOJTにおいていかがなものかと思っています。

これらの質問は調べて判ることが殆どで、「このベッドの重さは? 幅は?」等というカタログに掲載されていることまで上司に頼ろうとする姿勢です。 上司はカタログではありませんし、上司は遊んでいるわけではありません。 自らの時間を割いて答えます。

私の場合は機嫌が良い時『カタログに載っているよ』と教えます。 機嫌が悪ければ何で調べればよいか自分で考えさせます。 答えを教えることが親切でも指導でもないと思っているからです。

私はかつて新人を指導して、その新人があるとき『何も教えてもらえなかった』と発言した時、ショックを受けました。 その後ずいぶん時間が経過して、『いつも問いかけられ、考えさせられた』という発言がありました。

自分で考える、自分で調べる、それでも判らなければ調べ方を教えるという指導方法が成功したと思いました。

その人は大変成長し、昇進もはたして成果を上げています。 その人の素直さや好奇心、行動力が成長をもたらしたのであって、私の指導の成果などと全く思っていません。 ただ成長の手助けは少しできたかと思っています。

何でも聞く人は知識、スキルが営業としての職責を果たす大きな要素と考えているようですが、顧客の立場に立ってその営業に何か質問し、『すぐに調べます』と言って目の前で課長に携帯で質問したら仕事を頼むでしょうか?

知識、スキルは大きな要素ですし、営業職で成功している人は一定の知識・スキルをもっています。 そしてその知識・スキルの使い方が大変優れているように思います。

そもそも知識・スキルは貯めこむものではなく使うもの、実践できないものは空論にすぎません。 実践するうえでは基本パターンのちょっとした修正や実践するタイミングが重要です。 そういった応用力・実践力もスキルと言えばスキルでしょうが、何でも知識・スキルと考えるよりそれは行動力や応用力といった別の言葉で表現される人間力の評価と考えた方が人の評価に幅が出て、指導にも厚みが増すように思います。

管理職が部下指導で『知識・スキルに依存しすぎるな』といってもじゃ何を利用すればよいのか?ということになります。 知識という道具を振り回して問題解決にあたるのではなく、問題に焦点を当ててどうすれば解決するくせを付けることが人間力のように思います。

私はそのような実践を頭の中でロールプレイイングしてこのように展開したら自分にはその知識がないから調べておこう、というような訓練をし、紙に書いています。 それが一年で電話帳ぐらいにたまりますが、年初にあっさり捨ててしまいます。 所詮出来の悪い自分を証明したものですから残していても何の役にも立ちません。

しかしそれを時系列でみれば自分がいかに成長したか、何が強みで何が弱みか? 簡単に分析できます。 ところがいざ『あなたの強みはなんですか?』と問われたときに、『さて、なんて答えたらよいのだろう』と考え込んでしまいます。

ドラッカーは人は強みで勝負しなければならない、弱みを鍛えて一流にはなれないといっていますから、わたしも強みを分析して一流を目指すべきなのでしょうが、私は今でも弱みと思えることをせっせとやっていたりします。 ちょっと考えを変えると弱みは実は普通程度であったり、隠れた強みであったりします。 あまり意識しないようにしています。

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