監査役BLOG

カテゴリ

会社運営

[会社運営]

小売業の生産性

日本のサービス業の生産性が欧米に比べて低いと新聞に報道されています。 以前から疑問に思っていました。

日本で何らかのサービス業にお世話になれば、たとえば買い物をすると店員の人はスーパーマーケットでもコンビニでも服屋さんでも商品のディスプレーを整えたり在庫を補充したりでよく働いています。

生産性をどのようにして測るのか難しい問題と思いますが、労働生産性であれば一人当たり一時間当たりの稼得利益でしょうか? 日本のサービス業はどちらかといえば過当競争、競争そのものが悪いわけではないのですが過当となると競争に勝ち残るために無理がたたります。

従業員にしわよせがくる場合は長時間労働やサービス残業、価格競争で利益なき事業、材料の品質低下などです。

当社営業職は予告残業時間込の賃金設定で、予告残業代を除けば基本給は低いものになります。 そこで基本給を上げるか予告残業をなくして定時以降勤務はすべて残業代を払うかの選択が話題になりました。

どちらにしても営業職の時間当たりの所得は増えますので生産性を上げなければなりません。 粗利に占める人件費率=労働分配率を一定とするなら営業職の年収は営業の稼ぐ粗利が一定とすれば賞与が減って賃金による分配が増加することになります。 年収という所得総額が減り、労働時間も減少する可能性があります。 残業を禁止するわけではないので以前と同じ効率で残業しなければという前提です。

しかし、残業という苦痛がなくなり生産性が上がり、年収の減少が見られないかもしれません。 会社が行うのは生産性を高める個人スキルアップの研修を増やすこと、効果的な戦略立案、戦術展開でしょうか。

営業の現場では当社のほうが取引条件が良くても採用されない場合が多く、何度も足を運んで信頼関係を築くことをがんばってやっています。 買い手がすべて素直で柔軟に購入先を選ぶのであれば生産性の低い事業者は淘汰されてゆきます。 もちろん当社が淘汰される可能性も十分あります。 淘汰されれば寡占市場となり、競争原理が働かなくなるとも考えられます。 規模拡大に成功した事業者は仕入れ条件も良くなり、利益も増えることになります。 そして過当競争から逃れ、新規開発の訪問は数回で取引開始となるかもしれません。

どちらにしても個人的にはマーケットが柔軟であることを望みます。 日本の購買管理が合理性以外の要因によってバイアスがかかっているのなら(少なくとも介護用品の小売業界では言えますが)淘汰に時間がかかり、介護業界全体の合理化が遅れることになります。

中国では国営企業が合理化を阻害し、ゾンビ企業の淘汰を政策目標にしています。 日本は自由主義制度ですからもう少し素直で柔軟になってもよいのではと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る