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素直すぎる人

 私の趣味の一つ、オートバイでのツーリング仲間に55歳の男性ライダーがいます。 友人の多い人ですが、人のことを悪く言わないことを徹底していて、いつもニコニコしている事かと思っています。 世間の人間が皆彼(O君)のようであれば諍いもなく、秩序も保たれてよい社会になるのかと想像するときがあります。

 そのO君が失職し、人間不信に陥りました。 なぜにと聞くと 人間関係のもつれとのこと、O君の評価と矛盾する理由です。 友人と起業したのですが、その友人とうまくゆかず起業した会社から離脱しました。 友人との起業がうまくゆかない話はよく聞きますが、情によるつながりを仕事に持ち込むのは難しいのではと想像します。

 O君との付き合いは長いのですが、ツーリングクラブでも人間関係のもつれからクラブをやめたり、思い起こせばO君は人間関係のもつれがあります。

 このことを好意的に評価すればO君の人柄の良さに付け込む周囲の人の思惑が浮かび、遅れてそれに気づいたO君が気を悪くしてもつれてしまうパターンです。

 好意的でなく評価すれば、お人よしも時にもつれを誘発するということでしょうか? 彼が長年争うことなく付き合っているのはお人良しに付け込まない、個人主義の人のようです。

 O君と付き合っていると古典落語に出てくる長屋のくまさん、はっつあん、家主の会話を思い浮かべてしまいます。 古典落語は世代を超えて受け継がれた人間模様でちょっと面白い話、だからO君のような登場人物が出てきてお人良しで素直すぎる人が笑いを誘う事件を引き起こします。 それが殺人や大金の詐欺事件をテーマにしないのは、庶民芸能としてきな臭さを嫌っているからでしょう。 そもそも悲惨な話を聞きたいと思わないでしょう。

 古典落語を例に出したのはO君のような素直すぎる人が現代社会で生きていきにくいのが多様性を原因とする解釈が多いように思うからです。 古典落語のネタは江戸時代、現代社会と比べ多様性という点でシンプルだったと思います。 多様であろうがなかろうがO君のような素直すぎる人柄は生きていきにくいもので、人間関係の普遍性に思えます。
 

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