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収益性の多様

ずいぶん前に事業で成功し、TVにもレギューラーで出演した経営者(私は見たことがないのですが)の著書に『事業はプールの水を杯でくみ出すようなもの』という記載がありました。

言葉通りにとれば薄利多売が思い浮かびました。 薄利の商売は薄利ゆえに大量販売しなければならず、比較的売れやすい商売と思います。 しかし大量に販売できなければ利益が得られず、全く売れないということはないのでうまくいかなくとも赤字のリスクは小さいかもしれません。

同じ会社で並行していろいろな事業を走らせるとこのようなギャップに戸惑います。 さらに新規事業分野、成長段階の事業、成熟段階の事業、衰退段階の事業と多様であります。

売上対比の粗利率や一人当たりの最終利益などの基準で投資や撤退を決めるのは危険で、衰退期に入っている事業であってもなくならない事業であれば投資することで撤退した他社商圏を取り込め規模拡大を図った方がよいものもあります。 このような事業分野では何かを仕入れるのであれば仕入先仕切が下がる可能性がありますし、競争が苛烈でない環境もあります。

このようなバリエーションを同じ会社で議論していて練られた戦略を立てても評価されないかもしれません。 特にトップが企画型の人であり今まで成功したのであればだれも反論しないでしょう。 成長期の担当役員には成熟期の事業に投資することは内心反対であっても反論しない可能性が高いです。

しかし成長期の事業であっても取扱商品ラインナップの中には成熟段階や衰退段階を迎えたものもあります。 そこに目を向けなければ業界が成長段階でもその会社は衰退段階に陥っていることがあります。 トップをやっていてこのような判断や企画は誰でもできると思いますが、部分的な衰退が報告されないところが問題です。

介護の営業では早い納品が優位性の象徴だったのですが、どこの業者も即納を始めると優位性ではなくなります。 現場で即納が必要な局面は小さく、なんでも即納すれば優位に立てるでしょうがコストが上がってしまいます。

別の優位性は現場にあり、優位性の低下は数字に反映されますが数字の微変化でとらえることは困難で、現場担当の報告内容が重要になってきます。 しかし現場担当と経営者で視点も違い、経営者側から質問しなければ会議などはわかりきったことの確認に終わってしまいます。

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