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単価

当社では新規事業を開発しています。 今まで行ってきた事業は薬局、高齢者介護事業、少なくとも10年先までなくなることのない事業と思っています。 しかし医療・介護のビジネスは複雑な制度管理のもとに行われる事業で、支出を抑えるために制度はどんどん複雑になり、日本の生産性の低位はほぼ厚労省が原因かと思われるほどです。

そこまでして必要でありながら発展してほしくないと国が考えている事業を続けることの意味は相当低くなります。

そこで制度外事業を行うことで、行政の制約を受けない事業展開を考え、新規事業の開発に取り組んでいます。

すでに病没しましたが知人の一人が『商売するなら取扱商品の単価にこだわる』という事を言っていました。 本人は最後は生命保険の販売員を行っていて、商品単価は数千万円になります。 一商品の単価の低い商売は参入障壁は低く、利幅も低く、利益が残るイメージは低いです。

たこ焼き屋で財を成した財界人は知りません。 保険の販売で年収一億円という人に会ったことがありますが、商品単価は私の知人より一桁多いように聞いています。

起業家でTV出演を繰り返して有名になった人が書いた本の一説に『事業で成功するという事は盃でプールの水を汲みだすようなもの』というのがあり、ひかれて読んだことがあります。 誰でも参入しやすい事業で成功するにはそのような側面があるのかもしれません。

最近当社でも話題になった宅配弁当の事業は、データ上は弁当一個届けて20円程度の営業利益になります。 製造業なら製造ラインを増やしてどんどん製造し、20円/個の利益を伸ばす事が出来ます。 弁当も営業を行えば個数を増やすことは可能でしょうが、経営者が年収1千万円を期待したときに50万個の弁当(月間42000個)の弁当を販売しなくてはなりません。 1400個/日の販売量は大変な量です。

労働力のほどんどがアルバイトに頼る仕事で、求人難でアルバイトの賃金相場が少し上がれば赤字になりますし、アルバイトの時給が下がれば残る利益が顕著に増えます。 つまり薄利の上にリスクが大きいという事です。

中小企業が新規事業を立ち上げるならFCに加盟するのが手っ取り早いですが、出来れば数十年続けられるニッチの事業を立ち上げたいと思っています。

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