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各論と総論

 経営の仕事は総論を練り上げること、各論は現場直接の話になります。 木を見て森をみず、のことわざも同じことだと思います。

木が1本生えていて、その木の横にまた木が生えていてさらにその横にも生えていて、見渡せば林になっていて、さらに離れてみると大きな森であると思っている人は多いと思います。

森はあるエリアの植生が樹木で構成されているところ、草だけ生えていればそのエリアは草原になります。 木が生えていれば森かというと公園も木が多く生えていますが森とは識別できません。 では森は広いか狭いかの問題かというとそれも森の意味するものです。 木が多く生えていてその中に動物がいて、生態環境があることでしょうか。

言いたかったのは木をたくさん積み上げても森の議論にならないことです。 事業で言えば個別の商品の価格や品揃えは各論でよく話題になることです。 ディスカウントストアでは低価格が売りですが、販売数量が多ければさらに低価格で販売する事が出来ます。 いわゆる薄利多売、小規模店舗のディスカウントストアはあまりありません。

ディスカウントストアというビジネスモデルは総論の範疇、ディスカウントストアで高級ブランド品の販売はいくら低価格で提供できても一般的ではありません。 高級ブランド品は高額でも取引されるので高級、値引きして販売するのであればもはや高級ブランド品ではありません。

各論では原則を無視した議論がなされがちです。 それを積み上げるとまとまりがありません。 時々一見まとまりのない品揃えで成功しているディスカウントストアがあります。 ドン・キホーテは高級ブランドのバッグや時計を値引きして販売しています。

前置きが長くなりましたが、原則は総論は総論として、各論は各論として議論しなければならず、各論の積み上げが総論ではないのと同様に総論を分解すれば各論を導き出せるものでもありません。

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