監査役BLOG

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転職

私は20年勤めた会社を辞めて今の会社に転職しました。 前職での仕事の結果に対する評価は惨憺たるもので、成し遂げた成果に対する評価がなく、個人的な欠点で評価されたと思っています。 そのことは結果的に転職につながったこと、転職の結果自分の価値を再認識できたこと、現職でも自分の業績について正しく評価されないことについて免疫が出来たこと、前職で思い切り自分らしいやり方で仕事をして大きな結果を出せたこと等多くの理由でよかった経験と思っています。

前職で私の前任が不動産事業を展開し、採算の悪い状況で放置していました。 引き継いだ私は委託している不動産管理会社に出向き、管理責任を強力に追求しました。 相手は不動産業界に生きてきた責任者、面前で思いっきり無責任な仕事ぶりと救いがたい結果を罵倒しました。 その責任者は翌日その管理会社を退職し、信任管理者が不通に管理業務を行う事で会社利益の何割かを稼ぐようにする事が出来ました。

年間経常利益10億円弱の会社で3億円以上利益の上乗せに成功しました。 しかし全く評価されませんでした。 不動産事業というのは賃貸住居の運営で、私がいた会社は化学品の専門商社、売り上げ至上主義の経営管理の会社で利益の3億円というのは売り上げの3億円増で目につかなかったのでしょう。

不思議な経営管理です。 私は考えぬいて管理会社に圧力かけ、まんまと成功体験を得る事が出来ました。 その結果不動産を扱うことに拒否感がなくなりました。

しかしそのような評価方法や経営管理に関心がなくなり、転職に対して全く未練がなく、別の世界でも生きて行けるという自信に繋がったことは大きな成果でした。

採用面接で中途採用の方の職歴を聞く度に不思議に思うのは大きな成果を上げる前に退職されている方が多いという事です。 その会社の考え方自分に合わないことはあるかも知れませんが、仕事は会社の考え方と異なり、多くの場合裁量の余地があります。 そこで成果を挙げれば会社の考え方にも理解が深まるように思います。

会社を選ぶ、上司に先輩に恵まれるなど働くうえでいろいろ判断材料はあるでしょうが仕事の成果に焦点を当てて会社や上司や先輩を見ると違って見えてくるように思います。

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カーナビ

私は方向音痴でずいぶん苦労しました。 山登りをしていたころは登山道の無い山の縦走をしましたが方向を間違う事が多く、国土地理院の2.5万分のⅠの地図を何度も見直して方位磁石と突き合わせていました。おかげで私は読図力は高まり、縦走でさほど苦労しなくなったのを覚えています。 現在の登山はGPS機能のついた電子地図が主役のようで、紙の地図で進路を決めることもなくなったのではないかと思います。

方向音痴の原因はいろいろ言われていますが、私は図形の記憶力が弱い事だと思っています。 山行記録を山学会の会報に書く時の地図は時間がなくて記憶に頼って書くと友人から誤り指摘の電話がかかってきました。

最近は山に登ることもなく、バイクでツーリングを楽しむときに方向音痴で苦労しています。 しかしカーナビを装備してから知らないエリアでも平気で行けるようになりました。 やはり地域全体の位置関係が覚えられず、カーナビに設定したとおりに走るだけです。

そのカーナビがアイフォンにとってかわられ、値崩れを起こしています。 アマゾンに出品されている7インチのカーナビがかつて10万円近くの値をつけていたのが最近は1万円以下で購入できます。

私も9千円のカーナビを買って使っていますが、高級品ほど機能はついていないもののナビゲーションは正確です。

経済誌で株価を見ていたらカーナビ主力メーカーは業績が急に悪化し、下落していました。 アイフォンであれば最新地図で使えますが私は専用機がまだ良いと思っているので機械の進化と低価格化に期待しています。

方向音痴の欠点はゴルフをやっていて感じました。 ティーショットでボールの後ろからボールを飛ばす方向を定め、アドレスに入りますが改めて方向を確認してボールを見た時に頭の中のボールが飛んでゆく景色が消えてしまっています。 体か覚えているスイングを立ち位置で再現したときにうまく再現できても方向が定まりません。 目標の映像が浮かばなければ目をつむってプレーしているようなものです。

訓練で治るのかと思い、階段を上るときなど一瞬階段を見て目をつむり、上っていきます。 踊り場までの映像が一段上がるごとに変わっていき、無事に登りきる事が出来るときもあれば最終段で不安になって目を開けることもあります。

平面なら成功することがあるのですが、三次元のイメージを頭に描くのは一苦労です。 天体の話など映像なしで説明されてもうまくイメージできないときがあります。 では四次元ではどうか、この会社がこうしてああしてどのように発展していくことを描くのは映像にしにくいだけにさらに困難になってきます。 あるテニスプレーヤーが勝利者インタビューで『サーブの前に何を考えていますか?』と聞かれてトスをどこに上げ、サーブを相手コートのどこに落とし、リターンがここにきて、それをネットについてボレーを決める、一つのゲームのすべてを映像で描くそうです。 これは4次元のもの、トッププレーヤーはすごいと感心しました。

経営者もトップに立つ人はこの能力が優れているのでしょう。 そのうち経営ナビゲーションシステムが出てくるでしょうから、得意能力の無い経営者が今までにない経営を展開してゆくと思います。

 

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考える

身近な人を観察していて人はあまり考えないものだと思いました。 自分の中で『考える』という事は課題や問題の解を出す事と思っています。 もちろん考えるという事がそれだけではないのでしょうがここでは解を求めることとして話をすすめます。

会社において問題や課題は常に現れ、処理して行かないと会社運営はできません。 現場でも中間管理職の段階でも経営でも発生し、大きな問題から小さな問題まで、緊急のものから答えが出ればいつでも良いものまでいろいろです。 大抵のものは過去の経験から自動的に解が導き出され、日常業務の中で処理されます。 過去の経験知はデータベースにあるファイルのようなもの、解を導き出すのはデータベースをひっくり返して一番ふさわしいものを引っ張り出すことに似ています。

この作業自体は考える事ではなく作業です。 適当な経験知が見つかれば過去と今と問題を取り巻く環境に変化はないか、関係することに違いはないかなど検証します。 過去の経験知と全く同じであれば答えは自動的に決まります。

しかし問題に関係する人や規模が違えばそのまま過去の解を適応してよいか判断が必要になります。 要は問題をその本質を理解することが必要になり、大抵は過去の案件と程度の違いという事になります。

しかし前例の無い問題が起こったり、同様の問題であっても問題をめぐる環境が前例と大きく異なりもはや程度の差では片づけられなくなった時、かなりの推理を行い判断することになります。 ここで持ち出す前例がとんでもないものの組み合わせだったりして導き出される解は大きく異なってきます。

有効な発明、戦争における劇的勝利を収めた戦略、駆け引きなど天才的と呼ばれる判断も考えること=前例検討によって導き出されていると思います。 結果の判断に新規性があってもあくまで前例の組み合わせと少しの推定でなされたものです。

この訓練は学校教育も同じと思います。 何とかの定理、関数、何とかの法則などを正確に覚えて模擬問題の解を導き出すことが訓練されます。 訓練対象となる問題の解を導き出す方法は単数または複数、解は一つにならなければ訓練の成果は測定できません。 社会に出てもおおむね多くの業務の解は一つに落ち着きます。 ところが解が複数の世界では選択する前例の種類と内容、推理のセンスが成果を大きく変えてきます。

センスも経験の積み重ねと思います。 ある種のセンスの働かない人は働く人に比べてある種の経験がないと思いますが、その経験がスポーツを熱心に行ったとか海外旅行に行ったとかではなく複数の経験だと思います。

人が経験できることに限りがあり、経験を豊かにするために本を読んだりします。 私は過去の自分の趣味が山登りであったため山岳小説を読むと主人公に自分をあてはめて自分が主人公になったつもりで疑似体験が得られます。 小説の作者は主人公を通じてメッセージを次々発し、罠を仕掛けて感情移入した読者を翻弄します。 私は作品を読みながらワクワクし、もだえ苦しみ、厳しい判断を迫られます。

主人公は反政府活動家で中国のヒマラヤ山脈のある5000mの氷原を逃げまどい、政府のヘリコの爆音に身を隠す場所を探しますが岩陰もなくくぼみに身を伏せます。 感情移入した私は雪原のくぼみがヒドンクレバスと分かり、踏み抜いてくれバスの底に潜みます。 ヘリコは高高度では空気が薄く5分とホバリングが出来ないのでひたすら息をひそめヘリコの立ち去るのを待ちます。 雪原の足跡は雪が硬くで目立たないのであとはクレバスにあけた穴を発見されるかどうかです。 ページを読み進むうちに5分が過ぎ、作品でもヘリコは何も発見できず飛び去ります。 私の手は緊張から汗ばみ、クレバスから這い出る方法を考えていると作品は別の場所の話に展開しています。

このような疑似体験を繰り返すことで考えられるセンスは磨かれてゆくと思います。 しかし映像は疑似体験という意味では少し違うように思います。 読書は活字しか見えない中で極寒の世界を想像し、感情移入します。 この想像体験が重要と思います。

ネット検索が盛んになり、多くの人は前例になる情報収集が熱心でその使い方について訓練が熱心ではありません。 頭の中で情報を整理し引き出すことは機械的作業、それも大変重要ですし、情報の価値を見抜くために必要ですが、多くの正確な情報を月並みの組み合わせで解を導くやり方は限界があると思います。

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