監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[価値観]

天国と地獄

関西の景況は新聞に毎日のように書かれていますが、介護業界は無風状態です。 勿論業界内で取り合いの厳しい戦いがありますが、マーケットは拡大しており、それ以上に参入があります。

当社のホームページで職員の募集をしており、たまに応募してこられます。 昨日も一人応募してこられましたが、本日の面接を約束し、予定時間に表れません。
連絡すらなく、予定をキャンセルする気が知れません。 というのは、ハローワークに募集を出すと、ハローワークのホームページにアップされると同時に電話がひっきりなしに架かってきます。
今までになく優秀な人が応募してこられ、すぐに採用が決まります。 真剣な人は時間前に必ず指定場所に来られます。 すっぽかすような人は面接しても採用に至らないと思います。 私が一時面接をしますが、既に何百人と面接しているので、どのような人かある程度見抜けるようになりました。 すっぽかされたときは面接の時間が節約できたと思うようにしています。

当社は経験・学歴不問で面接しますが、すっぽかした人はどこかで採用されるのか心配になります。 当社でおそらく採用にならない人がよそで採用になるはずが無いと思います。 なぜなら人材紹介会社の営業の方と話していると当社の採用方針は珍しいとのことです。
だからハードルが低いとは思っていません。 経験・学歴不問である以上人間性は厳しく見て判断するからです。

亡くなられましたが、落語家の桂枝雀さんの『茶づけ閻魔』という落語が好きで、何度もCDで聞きました。 古典落語ではありませんが、松本さんという主人公が死んで天国に行くという粗筋です。
松本さんが閻魔さんの家でやり取りする場面から始まります。

松本さんは死んで天国に行くか地獄に行くか不安で、閻魔さんに色々質問し、天国にいけるように頼みますが、閻魔さんは天国は退屈だと諭し、さらにどちらにいくかは生前の本人の行い次第で、閻魔の権限で左右できないと告げます。 だから閻魔の庁に行き、自分が以下に真面目に生きてきたかを申告するのだそうです。

松本さんは「みんな天国に行きたいですよね・・・」だから真面目に生きてきたと嘘の申告をすれば天国に行けるのかと想像します。
そのやり取りの中で閻魔さんが「人間は正直や、いざ申告という時に『地獄』と申告しよる」という下りがあります。

当社が事業を営む介護の業界は、『高齢者の生活を支え、守る、やりがいは有るけど高収入ではない』 業界で、この落語で言えば天国かもしれません。
そのように思えば平気で面接予約をすっぽかす応募者は『地獄』行きの人でしょう。

落語で紹介される天国は退屈で平穏な世界、一方地獄では針山がゴルフ場に開発され、釜茹では温泉になり、血の池はジェットライナーで遊覧できる観光地になっています。
しかし作者は地獄の生活に釘をさしています。 地獄は毎日楽しく生きなければならないという責めを負わされ、毎日毎日新しい楽しみを開発していく設定になっており、それが如何に大変かを匂わせます。

この落語の作者は地獄を時代背景のバブル期に例えているように思えます。 バブルは発展し続けないと弾けてしまいます。

一方の退屈な天国にも控えめな楽しみ、笑いが込められています。 天国の住民として釈迦、キリスト、孔子、孟子、親鸞、日蓮などが出てきて、退屈な中に人間的にやり取りがあり、笑いを誘います。

主人公の松本さんが天国から血の池に落ち、釈迦がキリストとともに助ける場面では、釈迦がキリストに関西弁で「えらいこっちゃ、松本が血の池に落ちよった、キリストはん、助けて」といい、キリストがオリベ山から昇天する時に使った2000年前の縄梯子を使って釈迦と共に主人公を救出に向かうと、梯子が切れて血の池にはまり、ジェットライナーの操縦をしている赤鬼、青鬼に助けられたうえに説教されます。
「お釈迦はんにキリストはん、こんなところを人に見つかったらどないしますねん、どんならんこっちゃ」、「赤鬼はん、人にいわんといとくなはれ、すんまへんなー」と謝ります。

世の中の会社がこの落語の天国と地獄に色分けできませんが、自分の居場所はしっかり見極めるべきという含蓄を感じました。

尚、このCDは娘が通っていたキリスト教系の高校図書館に収蔵されており、これほどキリストをパロディ化したものをそのような学校が所蔵していることに思わず笑ってしまいました。

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[会社運営]

事業の寿命

以前勤めていた化学品の専門商社でやっていた仕事のひとつに定款の管理がありました。
その会社設立は大正時代で、染料の卸を創業しました。 スイスのサンド社と総代理店契約を結び、染料販売を始めたのですが、創業時の定款=原始定款が残っており、そこに事業期間が定められていました。
今回設立する会社は数十年間でやめるという規定が成されていたのです。
なぜそのようなことを規定したのか、当時一般的な規定だったのかはわかりません。(当時の商業登記法に関する解説などありません)
創業主の考えは、新しい事業は数十年でなくなると考えていたのかと思いました。
CDが出来てレコードの製造はほぼなくなりましたし、電気自動車がガソリンエンジン車に取って代わればプラグメーカーやモーターオイルメーカーは様変わりするでしょう。
介護分野でもヘルパーや電動ベッド、車椅子、老人施設などなくなるかもしれません。 それはせいぜい数十年の期間で起こる出来事と思います。
介護事業にどっぷり浸かっている人は高機能のベッドの開発や軽い車椅子の開発に関心があるでしょうが、必要機能を代替するものは開発が進んでいます。
介護保険制度が介護分野の事業を擁護するような保守化は避けるべきだと思います。 例えばETCの問題のように、ETCの事業のために高速道路の無料化が中途半端になるようなことです。

昨日伯父の見舞いに行ってきました。 元々体育の先生をしており、サッカー選手で活躍した人ですが、脳溢血で倒れ、私が誰かわかりませんでした。
タバコも酒も発症まで続けておられ、健康管理から程遠い人でした。 元々体も丈夫だったはずで、健康管理を行っておれば少なくともあと10年は元気で暮らせたと思います。
最近でこそタバコや飲酒の害について言われるようになってきましたが、健康管理やアンチエイジングが進めば人生の最後まで自立して生活できるようになると思います。
厚労省はこの予防医学の面でメタボ診療など制度化しましたが、これから制度が充実していくのではないかと思います。
それ以外に国家予算の大きなウェイトを占める医療・介護費用の減少は考えられないからです。 私はタバコをすいますが、意志が弱くて禁煙できません。 思い切ってタバコ販売を禁止してはと思います。 お酒はあまり飲めませんが、お酒も酒税を上げればと思います。
もしそうなれば当社も業容縮小で新規事業を立ち上げないといけないし、定款に介護事業はあと20年と記載するかもしれません。

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[会社運営]

社長の役割

階段正面  自分が信条としていることは『反省するより悔い改めよ』です。 人はうまく行かないときに自らの行動を分析し、うまく行かない原因を探ります。 たいていは言い訳を探していることになります。
 私は過去に目標を本気でもって、うまく行かなかったことがありません。 目標が成就しなかったのは目標を本気でもたなかったときです。
 反省するのはうまくゆかなかったとき、設定した目標が本気でなかったからで、行動をいくら分析しても言い訳を探すことになります。
悔い改めるとは本気になることです。 本気で物理的にできないことをあまり考えません。 出来そうな事を目標に設定します。 たとえは私は今からプロスポーツ選手になるのはどの分野でも物理的にダメだと思います。
 しかし、あと10年で売上を10倍にするとか、利益を20倍にするとか可能性はいくらでもあります。 本気になることさえできればこの程度の目標は十分可能で、結果的に出来なかったとしても確実に目標に向かって進むはずです。
 私は目標を設定してから現状に戻る考え方が多く、現状に積み上げていく方法はあまりとりません。 現状からの積上げは、途中で方向が見えなくなります。 
 とはいえ、目標から現実に戻る方法も目標が『絵に書いた餅』になる可能性は十分あります。 目標をもつことは夢を持つこと、現実を踏まえた夢は緻密に描かないといけませんが、経験と情報とセンスが必要と思います。

 昨晩は介護分野の懇親会に参加し、数年前にグループホーム1棟を立ち上げた60歳過ぎの人が11棟の高齢者施設を運営しています。 1年前の懇親会でお会いしたヘルパー職の人が施設長の名刺を出してこられました。 懇親会には毎回新しい人が参加していますし退職する職員も多いです。

 そのような会社が介護分野、特に施設系ではいくつもあり、元気のいい人が従事しています。 経営者はポジティブ、安定した成功が見えてくると服装が変わり、高い車に乗ります。
 良し悪しは別にして、伸びる会社はパターンが決まっています。 それらの会社の経営者より地味に事業運営されている経営者の一団があります。 社内体制を固め、従業員の話を良く聞き、職員の退職は少ないです。

 当社はどちらのパターンでもありません。 決めたビジネスモデルを最速で展開するか、自分の眼の届く範囲で事業を手堅く守っていくかではなく、人を育てています。
 時々当社は学校か?と思うことがあります。 だから社員は落第したり卒業したりします。 私はその学校の校長で、賞与の評価は通知簿をつけている先生の気分です。 この学校は小学生から大学生まで在籍しており、校長も生徒が進級すれば高度教育が求められます。
 校長として役目を果たせは校長も学校を卒業します。 校長としての役目はビジョン、学校に置き換えればカリキュラムを考えることでしょう。 いつまでも同じ人が校長で居続けるのは適正なビジョンを出し続けられる人なのかと思います。

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[会社運営]

喜怒


階段正面

 薬局のワックスがけをしました。 事前に薬局に通知しましたが、薬局のメンバーは掃除は自分の仕事と思っていないようで、「誰が残ってくれますか?」と聞くと「誰も」と答えが返ってきました。
 答えたのは正社員、高い給料を払っています。 一旦自分の席に戻り、頭を冷やしてから注意しに行きました。 注意をし始めると怒りがこみ上げ、声が大きくて職員全員に聞こえていたようです。 私は頭にくれば皆の面前で罵倒します。(今回はちょっと大きな声で言っただけですが) 

 スーパーでパート職の人が売上が増えるよう指示された仕事以外のことを工夫してこなし、評価される話を聞いたことがあります。

 今日の話はまったく逆で、自分の仕事はこれだけと決め込む典型的自己中の話で、なまじお利口さんですから、自分の仕事とわかって平然とそのように答えます。
 会社としては犯罪者、さっさと辞めてくれればよいのにと思います。 学校で点数さえ取れればもらえる資格が擁護されるのはどうかと思います。

 そのような人が利口さを武器に、要領よく世間を渡り、自分も選ばれし者と思っているのでしょうが、その人の顔つきを観ていると年齢を経るに従い、品格のなさがにじみ出てきているように思います。

 私はしばらくワックス掛けに付き合っていたのですが、社員の一人がお茶とお菓子を差し入れてくれました。 涙が出るほどうれしかったです。
 それもわざわざ家に帰ってからまた来てくれたのです。 つまらぬ人は多いけど、たとえ一人でも心ある人がいると明日もがんばろうという気持ちになります。

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[人間関係]

コミュニケーション

赤目パンチ

  社員と話をしていて、まったく通じないことがあります。 よく話をしてみると「ああ、そういうことだったのですか。」と一見解った様な答えが返ってきます。 それで安心していると、やがて何も伝わっていなかったことを思い知らされます。
 相手に悪意があり、私がもっとも落胆する対応をしているのではないか?と思いたくなるような場面があります。
 例えばある人に「あなたの仕事は自ら営業にいかなくてはなりません。」、「私に営業をしろというのですか?」、すさまじい剣幕で切り返されます。
 その後多くの人が同様なことを言われ、本人もそうすべきと気がつきながらやはり営業に行きません。
 忍耐に忍耐を重ね、「あなたの仕事は自ら営業を行うことも含まれています。業務の範囲、つまり何をなすべきか、何が優先かは自分で決めてしまえることではありません。会社の事業方針に沿い、自分の業務の意味が解れば何をすべきか、何が優先すべき事項が自ずと解るはずで、ずれているときに私が修正する役割と思います。」という意味のことを伝え、「解りました。そのようにします。私の理解が足りませんでした。」と回答があっても営業に行きません。
 本人は「私は営業に行かない」と決めているのです。

 どこの会社でもよくある話で、指示されたとおりせざるを得ない仕組みを作れた会社はうまく行き、作れていない組織は同じ繰り返しをします。
 つまりやるべきことをしなかった人は成長がなく、自分が大事と思っていることをせっせとして、「忙しい」を連発しています。
 日本の労働基準法はこのような人を解雇できないようにしています。 そのために企業の成長が阻害されるだけでなく、その配下の社員も成長しません。
 だからそのような場面では気迫を込めて怒ります。 人は怒りに多大なエネルギーを使います。 私は本気でいかったときは1日何もできません。
                              「俺の1日を返せ!」   

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[会社運営]

書評

大顔
  宋文洲著の「社員のモチベーションはあげるな!」が幻冬舎から7月25日に出版されました。 氏が有名になりだした頃、氏の公演を聴いたことがあります。 富士通の営業のコンサルタントをされていて、富士通が営業のプレゼンテーションに13人で訪問することを「日本の営業はどうかと思う」ということで批判され、営業にかけるコストの国際比較の中で、日本が営業コストを掛けすぎていることをデータを基に解説されていました。

 本書の目次は次の通りである。
1章 社員のモチベーションはあげるな!
2章 やる気の無い部下はこうして動かす
3章 「上司は動くな」は大間違い!
4章 不況に強い会社には秘密がある
5章 できる社員はこう生きる
6章 やる気の無いあなたに救いはあるか
7章 「差」があるから、がんばれる

サブタイトルで惹かれたのは「上司に部下のモチベーションは上げられない」、これは百も承知で「変わりにトイレに行けない」と私は例えています。 しかし気がつくと代わりにトイレに行こうとしています。

「モチベーションを連発する会社はダメになる」、これも連発はしないものの「彼はモチベーションが低い」という評価が話題になります。

その他では「終身雇用はモチベーションにはならない」、「怒るな、叱れは大間違い」、「部下をほめてはいけない」、「やる自由よりやらない自由が大切」、「ホウレンソウの徹底が、責任転嫁を生む」、「管理するのは人ではなく、仕事の中身」、「能率と効率は似て非なるもの」、「何故金持ちになりたくない若者が増えているのか」、「努力は必ずしも報われない」、「不安があるからがんばれる」・・・・・・
 気になる項目を読んでみましたが、私としては当たり前のことしか書いていません。 また「おや!」と思うこともありますが、著者は自分が体験したことのみ書かれているようで、本で読んだことを書いているわけではなさそうです。
 何故そう考えるか事例があり、私からすれば珍しい事例もあります。

 言葉とは不思議なもので、モチベーションといえば会社や個人にとって前向きで建設的なイメージがあります。 単に「がんばれ!」=モチベーションなら決して建設的ではありません。

 私はあまり叱りません。 おかしいと思ったときは質問します。 納得できないときは、時を置いて別の言葉で質問します。 それでも納得できないときは辛抱するか、爆発しているかです。 私も人間ですから、教科書通りに行動できません。 それでいいとは思っていませんが、怒った事を反省するより人格的に自分が向上できないものかと思ってしまいます。

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[会社運営]

業界首位

上目

 昨日のブログでは、企業の稼ぎ頭の事業が変わっていく記事を紹介しましたが、今日は日本経済新聞に掲載された特定商品の首位企業交代を紹介したいと思います。
 1面に出ているのは国内シェア首位の紹介で、エチレン、風力発電、ブルーレイディスク、デジタル一眼レフカメラ、インクジェットプリンター・・・・の1位、2位企業が紹介されています。 首位交代の解説は競争激化が原因で、理由はマーケットに対する戦略が決めてのようです。 例えば消費者が値ごろ感をもてる企画を商品化したとかです。
 紹介された商品群はマーケットが大きく、1位、2位とも大手企業となっています。

 8面には世界シェアで1,2,3位が紹介されています。 対象は11品目、3位までの33社の企業にランクインした日本企業は自動車のトヨタ(1位)、粗鋼の新日本製鉄(2位)、ベアリングの日本精工(3位)、薄型テレビのソニー(2位)、有機ELパネルのパイオニア(3位)、ビデオカメラのソニー、日本ビクター、パナソニック、HDDの日立グローバルストレージテクノロジー(3位)で8社です。
 ランクインしていない商品は太陽電池、液晶パネル、パソコン、DRAMの4商品、この商品分野は日本でも得意分野です。 パソコンを除けば電子部品、おそらく組み立て商品も時間の問題で徐々に日本企業は順位を落としていくように思います。 例えば自動車のトヨタであっても同じ傾向を辿るような気がします。

 何故中小企業の当社がこのようなことを気にするかというと仕入先が大企業だからです。 医薬品の仕入先、介護の仕入先は大企業かその子会社が多いからです。 10年以上取引し、その事業分野がうまくいっていないのに戦略転換しない企業があります。 何を考えているのかと質問しますが、何も考えていません。 現場の起案力や意思決定に問題があるように思いますが、企業としても体質の古さを感じます。
 その会社の役員、部長、課長と面談すると役員が話をするときは下位者は決して発言しません。 情報も階層で別れており、共有化できていません。
 また機動的に戦略転換している企業があり、現場が問題点と改善策を上層部にあげ、決済しています。 このような会社の担当は面談に際し、リクエストを出すと即決されるときが多いように思います。
 中小企業は主たる取引先を間違えると発展できません。 同様に当社のような中小企業でも組織化が始まると明確に権限を委譲し、経営者は基本方針を正確に見極める必要があります。

 同業で、営業や技術に優れた経営者の企業が廃業しています。 基本方針を見誤り、権限委譲をせず、人を育てなかったかと思っています。
 営業や技術に優れた経営者は部下の失敗が許せないのでしょうが、私のように大した取り得がない経営者は社員に聞き、任せてきましたが、それでも社員が育つスピードに我慢比べをしています。
 

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[会社運営]

事業転換

大顔

 今朝の日本経済新聞1面に『企業の稼ぎ頭交代』という記事が出ていました。 富士フィルムは複写機、プリンター事業から医療・液晶事業に首位が変わりつつあるそうです。 私が高校生の頃、写真が趣味で、フィルムは富士かコダックでした。
 先日クリニックの空き物件を見にいったとき、そこはクリニック開業直前に開業を断念したところで、医療機器も揃っています。
 詳しい人に同行願い、評価していただいたところレントゲンが写真式で、買い換えねばならないという評価でした。 つい最近までレントゲンは写真撮影するものでしたが、現在はデジタル画像がPCに取り込まれるそうです。
 富士フィルムのフィルム最後の用途は医療用と聞いたことがありますが、そのチャンネルから医療機器事業を展開されたと想像します。

 ユニクロは元々男性用衣料が中心だったそうですが、現在女性用が主流、セブン&アイホールディングズはATM手数料がコンビニ販売の利益を上回ったとのこと、昭和シェルは石油販売から太陽電池の製造にシフトしているそうです。

 これら大企業が主力事業をどれくらいの期間で変えることができたのか興味があります。
 10年ほど前に高齢者介護事業を立ち上げたとき、『何で薬局が手すりをつけんねん?」と問われたのを思い出します。 当社のような零細企業でも売上首位を介護部門が取るのに10年掛かっています。

 大企業は大資本や豊富な人材・情報をもち、ブランド力もありますので新規事業を立ち上げるのは零細企業より早いでしょうが、それを主力事業に育てるのが大変かと思います。
 多くの大企業で同じように新規事業を立ち上げ、撤退している事例は成功事例をはるかに上回ると思われます。
 バブルのときは不動産、株などに投資して、未だに処分できずにいるのが失敗事例の典型でしょう。 ITやエコ、介護、農業など時代が要請している事業に安易に進出するのは危険かもしれません。(高齢者介護の事業を営んでいて言うのもなんですが、撤退している会社は多いです。)

 そもそも産業分野は多くあり、どの分野にも元気の良い会社があります。    TV番組で『がっちりサンデー』、『カンブリア宮殿』、『ガイアの夜明け』などで紹介される会社は元気の良い会社か多いです。
 自社の強みを生かせば3年から5年程度で黒字化できる事業は沢山あるように思います。 その中から慎重に選び、小さい事業の集合体を作れば情報が集まる企業になっていけるのではと思います。

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[価値観]

価格

窓から

 リーマンシッョク以降、新聞を読んでいると消費者物価が下降している記事が目に付きます。 大手スーパー「カルフール」はPB商品を以前から出していたそうです。 先日の記事ではPB商品のディスカウント品を売っているそうです。
 私が知っているPB商品の話をしますと、大口販売会社、例えばヤマダ電機とかが某電機メーカーとエアコンの仕入れ交渉をします。
 メーカーはどれだけ仕入れればいくらで仕切るというボリュウムディスカウントを行いますが、これ以上いくら仕入れても仕切りが下がらないラインがあります。
 それに対してPB品はメーカーの製造ラインを借りて特別規格品(本来従来品の色違いであるとかメーカー名が入っていないとかで、基本仕様が同じ物)を製造委託します。
 原材料をはじめ加工費まで交渉すると思います。 それでメーカーの同等品をより安く調達するもので、低価格品の調達手段と聞いてます。
 カルフールはそれをディスカウントして販売しますから、目玉品ということになります。
 このような方法を取れるのは販売力のある大型量販店になります。 メーカー希望価格13万円のエアコンがたとえは2万円とかになるそうです。 多分このあたりが原価に近いと思います。

 世の中には原価が判りにくいものが沢山あります。 当社に関係する事業ではリフォーム代があります。
 手すり1本、取り付け費いくらと定価を決めているところは少なく、同等工事で3倍の開きがありました。
 高い業者が良い工事をし、安い業者がいい加減というわけではないと思います。
 安い会社が大きなブランドを持っていれば高い値段で受注でき、儲かります。 しかし、そこの会社の社長のポリシーは安く、早く、お施主が喜ぶものだそうで、施工品質は安い会社のほうが良いと思います。

 最近大手メーカーの製品の全般的に値崩れを起こしているように思います。 トヨタの高級車は1台販売で200万円の営業利益があったそうですが、話題のプリウスはせいぜい20~30万円程度ではないでしょうか。
 薄型テレビ(液晶又はプラズマTV)はすさまじい勢いで価格が下落しています。 この傾向が続くとマスプロダクションで稼いできた大メーカーはどんどん消えていくのではないかと思います。
 米自動車メーカーの破綻は典型でしょう。 そこで何の脈絡もなく、当社のような中小企業のプロシッョプが存在感を増すのではと思っています。
 なぜなら大企業に向かないビジネスモデルで、販売する製品は大企業が製造する価格下落傾向のものです。
 巨大量販店ですら我々の分野=介護ショップに入ってきずらいと思います。 と安心していたのですが、調剤薬局のほうはドラック系が入ってきました。 
 おいしいから入ってくるのでしょうから、おいしいのでしょう。 本来中小企業の分野でドラックチェーンのナショナルブランドが伸びていくのか注目されています。

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[未分類]

成長の瞬間

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 長年公式テニスをしています。 25年ぐらいでしょうか。 元々球技が得意でなく、さらに年々運動能力は低下していきます。 今2つのサークルに参加しており、どちらでも年齢ではトップ近くですが、負けず嫌いなので何とか勝とうとします。
 落ちる能力と獲得する能力の差がプラスなら努力の価値はあり、56歳は十分プラスです。 ただし、今までと同じ方法ではマイナスで、プラスになる方法を考えます。
 フォームの修正であったり、確率を高めるために素振りをする、休憩時間はイメージトレーニングする、ゲームの組み立てを考える、元テニス部に修正ポイントを教えてもらうなどです。
 思ってやれば上手く、強くなります。

 会社でも日々が仕事、日々が勉強、努力している人は何らかの成長が見られ、頭を使って努力する人はもう少し成長し、人を使って実績を残そうとする人はさらに成長しています。(人を使うというのは人の知恵をまねたり、教えてもらったりで、代わりに何かをしてもらうのではありません。)

 その人が成長しているとき、自分がテニスで上達しているときはえてして実績や戦績が落ちます。 本人は努力し、もだえ苦しんでいるのに能力が落ちるジレンマに落ちます。 そこを抜けて、上手い方法が見つかっても業績や戦績が上向くのはしばらく後で、伸びた能力はすこしであったりします。
 しかし良くなったところは次の改良を生むので、頭を使った努力を続けた人は時間の経過で大きく成長しています。

 それには大きな忍耐や必ず上手くなる、成長するという信念や、考える力、よしやろうというモチベーション、動員するものは沢山あります。 何かに打ち込んだことのある人はこれができることが多いように思います。

 中には器用な人がいて、テニスならはじめから上手い人がいます。 フォームがきれいで、強いショットが打てて、しかし器用ゆえに成長しない人もいます。 友人の一人で、初めてやったスポーツは何でもかなりこなします。
 例えばゴルフなら練習せずに初めてのラウンドで100ちょっとでまわったそうです。 いま50歳を幾つか過ぎ、何年もやっていてやっぱり100をたたいているそうです。

 もだえ苦しんでいる当社の社員に言いたい。 『もっと苦しめ!、そしてもっと頭を使え!』、会社の仕事は業績を目指さなくても良い、自己の成長を遂げれば勝手に成績がついてくる、今の力が判るものを残しておき、1年辛抱してそれを見たら『なんと幼稚なことをしていた』と思えるでしょう。
 その努力をしないで1年後に見ると、『去年は良かった』と思ってしまいます。

 私は手帳に自分の行動や感じたことを書いています。 その手帳が自分の部屋に11冊保管しています。
 見返したことはありませんが、いつか落ち込んだとき、もうだめだと思ったとき、1日掛けて読み直してみようと思います。

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