監査役BLOG

カテゴリ

会社運営

[会社運営]

人の評価

会社経営で難しいことの一つに職員の評価があります。 人にはそれぞれ価値観があり、当社のような中小企業でも気にしたり、評価に不満を持つ人がいます。 不満を持つ場合は自分の評価が低いと思うか、評価の仕組みに納得がいかないかいくつかに分かれます。

評価が上がれば昇進するか昇給するかになりますが、中にはどれも気にしない人もいます。 昇給しようが昇進しようがどうでもよく、自分の仕事をこなすタイプの人です。 しかし昇進すると責任範囲が大きくなり、行使できる権限も大きくなります。 当然収入も増えます。

人は権限が増えたり、昇給したりすると価値観が変わる場合があります。 今までと違ってお金の使い方が派手になったり、威張ってみたり、自らの責任を部下に転嫁したりなどです。 困ったことで、その教育までやらなければならないのかとうんざりします。 挙句の果てには役員であることをよいことに突然と自らの年収が増えるよう誘導する人もいます。

採用の判断では品格などよりスキルなどを重視しがちです。 あくまで誠実であることより早く高い実績を上げられるか、現場の管理職による面接ではそこがポイントになりがちです。

そもそも善悪の評価は人によってどのような環境に置かれても善人は善人、悪人は悪人、と色分けできません。 中には生まれながらの人もいますし、幼年期の教育も大きな要素でしょう。 そもそもそんなことは採用面接でも人事の評価でも見抜くことはできません。

大企業は基準を作り、不正を排除するようにしますが、社内いじめなどは基準を作り運用することが難しいのが実態です。

実務において悪なり善はすべて人の行為の中にあるわけです。 いくら極悪非道なことを考えていても行為、行動、発言に現れなければ罪ではありません。 しかし考えるからいずれかの時期に行為行動に及びます。 政治家の失言などもまさにそうで、「女性は子供を産む機械」と発言した自民党の幹部は役職を追われましたが、現在主要なポストについています。 そんな発言の裏には言葉に出せない多くの考えを持っているのでしょうが、政治家としての品格は問われますが、政治の世界ではそのような思想が有効な世界なのでしょう。

コメントを残す

[会社運営]

損を嫌うと損をする

日本経済新聞にタイトルの記事があり、面白いので紹介します。 タイトルの意味するところは株で高値掴みをし、せっかく値上がりした株を値上がり直後に売ってしまい損をしたり儲けそこなったりすることです。

なぜ合理的に儲けようとしないのか、次の二つの心理が解説されています。
①人は損をすることを、とても嫌う生き物
②人は利益が出ているときに確実性を好み、損をしているときは賭けに出たがる
つまり損失を受けることで感じる心の痛みは利益の喜びの二倍以上というものです。

これを企業経営に当てはめてみると①は新規事業で損失がとどまらず、経費特に人件費をけちって優秀な人材を失う負の連鎖に似ています。 ②は利益が出ている事業に投資をして利益を大きくしようと欲張って過剰投資になるのが似たケース、結局損をしてしまう例が多いと思いますが、損をしている事業に対して早期撤退を取りたかります。

以上のように個人の行動と企業の行動が必ずしも当てはまらないように思います。

会社の職員と株の話をしていて、それが儲けた話で『よかったね』と言ったら『それだけリスクをとりましたからね』と返されました。 事業の収益構造はリスクと比例するように思います。 高齢者介護事業でも施設事業は良い例だと思います。 一般に住宅系高齢者施設の損益ラインは80%稼働と言われてきました。 あくまで平均値です。 仮に100%稼働すると20%分は利益、50室の施設で20%は10室、1室15万円の粗利であれば10室で150万円の粗利になります。 経費はほとんど増えませんから150万円の粗利はほぼ経常利益に近くなります。

逆に稼働率60%であれば毎月150万円の赤字、この落差が大きいです。 全国の平均稼働率が80%前後ということですから施設経営のリスクは高く、その分高稼働の利益は大きくなります。

このような不動産絡みの投資額の大きい事業は好まれるのかすごい勢いで高齢者施設の建設が進んでいます。 今のところ顧客が増加していて大きなリスクに見えないですが、高齢者の絶対数が増えなければ稼働率は下がる一方です。 そもそも高齢者施設はぜいたく品ではなく生活関連ですから需給関係が崩れると全国一斉にリスク発現になりかねません。 持ち運びもできないので最終的に損失はかぶらざるを得ません。 逃げられざるリスクであることがやっかいさに輪をかけています。

私はこのような需給関係に寄り添うビジネスはあまり関心がありません。 しかし施設を始めた介護事業者は利益が出ていることで高級車に乗り換えたりしています。 リスクは貯めることも発生時期を遅らすこともできません。 自然災害と同じでこうむったらあきらめざるを得ません。 儲かっているうちに事業譲渡するか、儲からなくなった時に損切り出来ずに赤字をため込むか初めの個人の行動パターンに似てきました。

コメントを残す

[会社運営]

経営者の役割

私のブログは当社の応募者の方に『経営者はどのような人か』を分かってもらうために始めました。 今までに658の記事を書き、21,013人が訪問していただきました。 コメントをいただいた方には返信をしておりません。

本ブログは人のネットワークを作るためのものではなかったので、返信しませんでしたがいろいろなご意見をいただきました。

訪問者の方は取引先の方がお多いようで、一度は仕入れ先の営業担当の方のことを書いた途端「あの記事は私のことですか?」と電話してこられました。

今でも当社の応募者方のために記事を書き続けています。 そもそも就職先を探すときにどんな会社か気になるものと思います。 採用面接で一番多い質問は『会社の風土、人間関係』でしょうか。 財務内容や経営の安定性を聞いてこられることはありません。 しかし「人間関係は良いですか、風通しはどうですか?」と聞かれて「いや、すこぶる悪いですよ」と答えるはずがありません。 皆さんが気にする『組織内の風通しの良さ』は経験上経営者の気質にるところが多いと思います。

取引先の企業を観察していて、風通しの良いところの経営者はこなれた人だと思います。 ただし大企業はすでに企業風土が出来上がっていて、平均就任期間が6年程度のトップの気質により企業風土が大きく変わるとは思えません。 それで大きく変わるようであればそのトップがよほどのカリスマ経営者か、その企業自身が経営的に行き詰っていたかだと思います。

私が話題にするのはあくまで中小企業、経営セミナーや懇親会などで会う中小企業の経営者は意外に優れた人格者の人が多いように思います。

意外にというのは中小企業に勤める友人・知人から自らの経営者の悪行を聞くことが多いからで、立場の違いから経営者の本質がよく見えないから誤解もあるのかもしれませんが、長期に経営されている社長と面談するとなるほど目からうろこの話を聞かせていただきます。

餃子の王将の大東社長は不幸な死を遂げられましたが、毎朝早朝に出勤し掃除をする姿には感動します。 もっとも王将は当社と比べるべくもない大企業ですが。 しかし雑誌の見出しには大東社長や王将の企業風土に批判的な見出しがあり、同じ経営者として残念に思います。

先日の日経新聞にリーダーの資質の開花について経験が7割という記事があり、このブログでも取り上げました。 当社の企業風土を一言で言うなら『人を育てる風土』でしょうか。 なぜなら地味に成長拡大している当社にとって一番不足している経営要素はリーダーだからです。 リーダーを育てない限り企業は規模拡大できません。 リーダーの資質を単にスキルととらまえればセミナーなどにより養成できるのですが、スキルも必要ですが人格が一番大きな要素と思います。 人格的に優れた店長は良い成績を残します。

しかし人格というのは曲者で、人格がすぐれていても表現力に問題があってせっかくの人格が生きなかったりします。 このパーフォーマンスは結局本人が悩み、苦しみ見出すもので、教えて身につくものではありません。

また人格は本人を取り巻く環境変化から簡単に崩れ去ります。 定年が迫って口腹になったりとかです。 経営者の一番の苦労は人格崩壊した管理職をいかに処遇するか、に尽きます。 過去に面談した多くの経営者の答えは『処断する』でした。

読者の皆さんは来年も引き続き本ブログを読んでいただきますようお願いいたします。 そして読者の皆さんが来年もご多幸であられますよう祈念申し上げます。

コメントを残す

[他業界]

[会社運営]

№1

各商品分野の首位の調査を日本経済新聞社が行いました。 箱に入って販売されるもの、家電などは首位企業や上位企業のシェアが大きいようです。 洗濯機は首位が日立で30.6%、2位がパナソニックで24.9%、かつて斜めドラム洗濯機をパナソニックが出して、その乾燥方法がヒートポンプつまりエアコン付の製品を高価格帯で発売した時は「いったい誰が買うのか?」と思いました。

しばらくして中国で販売増で生産が追いつかない記事を見てもっと驚きました。 せいぜい3~4万円の洗濯機が30万円ほどするのです。

私は最近洗濯機を買いにゆきましたが、やはり日立が売れ筋№1、2位がパナソニック、モデルチェンジ直前で値引き率も大きく、パナソニック製品にしました。 実売価格はメーカー希望小売価格の半値以下、発売後1年未満の話です。

パナソニックの中村邦夫元社長が新製品の世界同時販売を提唱していましたが、発売時に希望小売価格で売れるのであれば、発売後1年経過して販売される場合に比べて1台当たり約15万円の利益がメーカーおよび販売会社に残ることになります。

恐るべき事態です。 200万円の車が発売後半値になるならみんな発売後1年は買い控えるでしょうね。 2年前に家電量販店で洗濯機の機能を聞いていたら日立の製品はほとんどアイロンがいらないほど乾燥後の仕上がりが良く、しわがありません。 パナソニックの洗濯機はしわだらけです。

それが今回両社に違いがないとのこと、さらに日立は乾燥方式がヒートポンプから熱風に変えてヒートポンプ方式と同じランニングコストに改良しています。

このような製品比較はネットで数多く出ており、これらビッグデータを処理して改良した企業が今は勝利をつかむように思えます。

私も何か買い物をするときにネットで評価を調べたりしますが、素人の個人評価は個々にはあまり信頼できないように思います。 しかし何万という評価から傾向がつかめます。 日本のモノづくりはこのような風評から改良を加えて品質向上につながるでしょう。

私は掃除機はダイソンのものを使います。 音は大きく、重たく、コードリールの性能は悪いですが、ダイソンが売れ出してからパナソニックが発売したサイクロン掃除機はぱっとしない性能でした。 独創的なものは作り出せなくてもよその真似をして改良を加え、オリジナルより少し高性能なものを作るのが日本企業、販売戦略にたけた家電メーカーにはこの傾向が強いように思います。

コメントを残す

[会社運営]

[習慣化]

自分の居場所

社員の増員で会社の席がなくなり、ノートパソコンを頼りに住まいでほとんどの仕事をするようになって1ヶ月が経過しました。

緊張感という点では少し弱くなっていますが、それなりにデスクワーク(殆どが書類に目を通すことですが)は多く、携帯に電話も沢山かかってきます。
静かなので考えることにはよいのかもしれません。

自分の仕事は情報を頭に入れて組み立て、方針を決めることにありますが、判断するうえで不足している情報が見えてきます。 事務室にいると周りに人がたくさんいてなんとなく状況を把握できた気になっているのかもしれません。

同時に目から入る情報が少なくなった分、不安も増加します。 現場で一生懸命働いている職員を目にすれば「うまくいっている」という錯覚があるのかもしれません。 書類に打ち出された数値だけを頼りに判断したり、不安があって責任者に質問したり、よほどの信頼がない限り不安をぬぐえません。

私の特技はすぐ忘れること、昨日の不安を忘れ、今日感じた不安に対して昨日までの不安を忘れているのではないかという不安、もう不安の連鎖になってきます。 しかしうまく行っているという兆しを感じるとすぐに不安は消えてしまいます。 疲弊した職員の姿を見たり、店長が店員に叱咤激励している姿を見たりより、予算大幅未達の書類を見るほうが不安の客観性は高く、感情的にもなりません。

しかし同じ実績を上げるにしても苦労が大きかったのか、フロックでうまく行ったのか、その臨場感は伝わってこず、クールになれます。 しかし報告書を詳細に読めばフロックかどうかはある程度わかります。

やってみてわかった意外な在宅勤務のメリット・ディメリットでした。

コメントを残す

[会社運営]

[社会]

消費税

ある銀行から薬剤師会の重鎮のセミナーの案内がありました。 当社も薬局を運営しているので申し込むと出席確認の電話が2回もかかってきました。 定員30人のところに申し込みが多かったようで、本当に来るのかが1回目の確認、会場を変えましたというのが2回目の確認でした。

結局70人ほどが参加と言うことでした。 セミナーの内容は政治の話、実務の話、ここに書けない内容が多く、歯切れよくそれを話す講師はほんとに薬剤師かと思う様な人でした。

当社の薬剤師に聞くと有名な人で、人気があるようです。

少し堅い話になりますが、医療業界は消費税に関し課税仕入れ、非課税売りと言う制度です。 薬局では薬剤を仕入れますが、これは消費税が課税されており、調剤して患者様にわたるとき非課税での販売となります。

参議院選挙で与党が圧勝し、与党は思い切って政治を行えるようになりました。 憲法改正が話題になっていますが、消費税は民主党政権の時に決まっているので話題になりません。 しかし医療業界では大きな問題になります。

消費税は仕入れで課税額と販売での課税額の差を納税するものですが、課税仕入れ非課税売りの場合、一般より大きな金額を納税することになります。

課税仕入れ課税売りの場合、1000円で仕入れて1500円で販売した場合、消費税5%では1500×5%-1000×5%=25円ですが、課税仕入れ非課税売りであれば仕入れ税額50円を経費に算入します。 消費税が8%なら同様の計算で課税仕入れ課税売りで40円の納税ですが、課税仕入れ非課税売りでは80円の経費、消費税が10%になれば50円に対し100円の経費となります。

医薬品の仕入れ価格は厚労省により厳格に制御され、医薬品の販売益はほぼゼロとなっています。 そこで消費税が上がると販売益はほとんどの場合マイナスとなります。

医療業界はこの問題をついて消費税の納税額返納を要求しているそうです。 税制は厚労省の管轄外ですが、日本で一番大きい薬局チェーンの創業者の年収は5億円超、それが業界内で注目されています。 儲けすぎていて、その原資は税金が負担していることが論点です。 いったい誰がその噂を流しているのか、大企業の経営者が儲けてはいけないというのは不思議な感じがします。

コメントを残す

[会社運営]

何歳まで働くか?

当社では一番安い賃金単価は800円/時間で、これは大阪府の最低賃金です。 週休2日で働いて月給に換算すると135000円程度です。 決して高い賃金単価ではありません。

介護保険の貸与事業で、つまり介護用ベッドなどをレンタルしているお客様の使用状況を調査する仕事です。 通常60歳で定年退職した人が働き続けたいという人が応募してくる場合が多いです。

もともと大きな会社で働き、管理職であった方も来られますが、その年齢で働きたいと思われる方は働くことが好きでいらっしゃいます。 少ないながらも年金だけが収入の方にとって生活費にもなりますし、お小遣いとすれば十分な金額です。

この職種で最高齢の方は68歳ですが、自転車でご利用者宅を訪問する仕事としては何の問題もありません。 人によってはもっと過重な仕事や責任の思い仕事に対応できる方も多いように思います。

ではそもそもいくつぐらいまでこの仕事に従事できるのか、60歳で定年を迎えた方の殆どのは同様に働けるのか悩ましいところです。 就労可能の最高はと言えば本人次第ではありますが、おそらく70歳代中盤くらいまでかと思います。 60歳を越えた方の殆どか同様に働けるかといいますと健康であること、価値観として仕事が好きであること、平均的な接遇が可能な人であれば大抵可能と思います。

自分があと1ヶ月で60歳を迎えるにあたり、仕事内容や体力面では出来る仕事と思いますが、そこまで仕事が好きかと言えばもっと趣味に携わりたいと思います。 経営者の仕事は年中無休、他の職員に比べてルーティンの仕事は少なく、一見楽に見えますが当社のような零細企業でも経営責任の重圧はあります。
だから何にも縛られない生活をしばらくしたいと思ってしまいます。 しかし毎日考えることが生業であったのが何も考えない、責任も無いとなると手応えのない生活になるでしょうね。

一方でパートで入職していただいた方が取締役になっておられるケースがあります。 たまたまその方に適した職の空きがあり、お願いして取締役になっていただきましたが、自らの仕事を60歳をすぎてなお完璧にこなされています。 この方も私同様プライベートを大切にされる方ですが、仕事で頼られることは趣味に匹敵するのでしょう、最近益々仕事が冴えています。

プロゴルファーが年を取ってスコアが落ちるのは飛距離の問題ではなく集中力の問題と聞いたことがあります。我々の仕事も高い集中力や高度な判断力を求めないのであれば70歳は十分就労可能だと思います。

 

コメントを残す

[会社運営]

事業計画

最近8年ほどは当社でも事業計画を作っています。 人によっては事業計画への認識や達成に対する心構えが大きく異なります。

聞けば『必達目標』とかえってきますが、残念ながら達成できていません。 そのことに就いてあまり意見を言わないようにしていますが、大企業においては想定利益、投資計画、採用計画、株主配当などいろいろな予定が絡まりあって必達ということに就いて厳しくコントロールされています。

そもそも経営を取り巻く環境は変化が早くて計画通り実行できるか、出来ることが奇跡に思える場合もありますし、そのための現場の責めは異常な場合があります。

私見としては目標は長期レンジで考えていて、例えば5年後の計画とか、そのプロセス=単年度計画にあまり興味がありません。 いかに5年計画を達成するか、5年のレンジであればプロセスは無限にあり、つまり戦略は多く、それが単年度計画に現れてくるのが経営者としての醍醐味です。

単年度、半期、四半期で精緻な計画、それも行動計画まで策定するのは目標達成のために必然で私のような考えでは現場の組織長は務まらないでしょう。

しかし冷静になって5年計画が出来る方法を考え、言い訳と思しき意見を完全に無視すればいくつかの道筋が見えてきます。 いくつか見えるのは余裕があるからで、必然的な道筋が一つ、苦しみぬいてやっと見つかるのは大変なことだと思います。 それが見つかれば10年後、20年後の道筋も見えてくると思います。

最近、会社の将来ビジョンを描く必要があると会議で話題となり、それに近い声を多く聞きます。 つい描こうかと思いましたが、描けば成長を阻害するふたになるのではないか、その懸念がわきました。
だから公表を控えようと思いますが、描いてそれを焼きなおす方法もあります。 人は働く上で『なぜ』、『何のために』、『どのようになる』といった疑問を抱きます。 大企業がコストをかけて企業のビジョンや理念やキャッチフレーズを作りますが、英語のフレーズで耳ざわりの良いキャッチコピーが多いです。 先般読んだ本ではその一つが痛烈に批判され、『一体どんな会社になるのかわからない』と書かれていました。

しかしどんな会社になるのか「神のみぞ知る」で、会社の意思だけで突き進むことは出来ず、意思のみ一人歩きしても困ることになります。 それゆえそれを作る立場のものとして困っています。

コメントを残す

[会社運営]

権限委譲

当社は権限委譲をすすめています。 権限委譲はやってみてわかったのですが、大変危険を孕んでいます。 現場で何かを決めるとき、いちいち上席や管理職に決裁を仰がなくても良いし、決裁権限に関する詳細な規定も必要ないことになります。

上手くいく前提として、概ね何を目指すのか、明確なビジョンや方向性を顕すことが出来て、権限を委譲される側に良識を兼ね備え、勇気をもって権限行使できる人である場合になります。

上手くいかない場合は、上記の反対でビジョンが明確に表せず、権限委譲を受ける側に良識が欠如し、独断専行が重なる場合である。

もちろん権限委譲しなければ経営トップは情報を必死でかき集める中で、煩雑な判断や意思決定を数限りなく行うことになり、その中に判断ミスが多くなってきます。 いくら良識のある経営トップでも判断根拠となる判断の周辺情報が泣ければミスの確率は多くなります。

権限委譲し、権限を委譲された者が判断ミスを犯した場合、その修正は困難を極めます。 まずミスを犯した者の管理職に判断ミスを指摘せねばなりません。 自分のすぐしたの管理職、つまり直接指示しているものであれば話はまだ早いのですが、私とのあいだに何層かの管理職がある場合、一番私に近い管理職から順に修正が下ってゆきます。

そして修正の仕方はなぜそれがミスと言うのかビジョンとの突合せから説明しなければなりません。 そもそもいかなる判断にも耐えうるビジョンなどなかなか提示できるものではありません。

例えば勤務時間中に体制批判が行われ、周囲の職員を不安に陥れているにもかかわらず、事故正当性の主張のために会社が悪いと吼えまくるような場合です。 会社の幹部の判断が総て正しいとはいえませんが、その幹部に言うのではなく自分の周囲の職員に喚き散らし、職場の雰囲気を悪化させるような場合です。

これはもう何ら生産的ではなく、自己弁護以外何物でもありません。 平気でそのような事を行う職員に上から順次ビジョンや考え方に沿った指摘をしたとして、わがまま以外に確固たる価値観や働く上での誇りなどに縁の無い人ですから考えを改めることは不可能です。
その人が50歳ぐらいであれば、たとえて言えば猫にお手を教えるようなものです。 日本では働く人が強く守られ、その反動でのさばるわがままにパワハラなどの陰湿な反撃が行われていますが、悪いことは悪い、あなたが悪いとはっきり言える環境が出来るまで日本の平均的倫理観を上げるのはほんとに猫にお手を教えるようなものかもしれません。

コメントを残す

[会社運営]

カタログ通販

カタログ通販のニッセンは紙のカタログをスーパーマーケットなどに無料で置き、衣類を販売してきて、高い業績を上げていました。 一度京都のニッセンを訪問し、営業担当者とお話させていただいたことがあります。

カタログ通販のリスクとして話題になったのは女性式服が入学式や卒業式のシーズンに試着され、返品になる話題でした。 購入を申し出た人が子供の入学式に来て行き、返品することでレンタル間隔でカタログ通販を利用すると言うものです。

ネット通販に対して先発のメリットや特長を生かして増収増益、長期安定成長をしてきた企業です。 いろいろ質問を続けていると「とりあえず一度何か買ってみては?」と言うので買ってみました。 個人的には二度と買おうと思いませんでした。

そのニッセンが2億9千万円の赤字、前期は23億円の黒字、原因は秋物の不振とスマートフォン対応など投資負担増だそうです。 売上は対前期26%増の1769億円、営業利益は従来予想を19億円下回り、前期比80%減の5億4000万円だそうです。

紙のカタログは発行にコストがかかり、営業利益を上回る金額だと想像します。 ニッセンの資産は膨大な顧客リスト、それは住所・性別・年齢といったものでメールアドレスではありません。 この顧客リストからネット通販への転換はかなり難しいでしょうし、もともとネット通販を好まないか環境として出来ない人が紙のカタログ通販を利用するわけですから、新たな付加価値をつけないと生き残れないことになります。

一つ不思議なのは増収でありながら減益、カタログの価格に一般顧客から値切ることは無いでしょうから、営業利益が減少したのは仕入れが不利になったか、送料などコストが増加したかです。 たぶん前者だと思いますが、先日もテレビショッピングの日本通販が倒産、基本的にネット通販よりハンディを負うカタログ通販がどこまで生き残れるのか、どんな道を模索するのか、それともネット環境を持たない人の間で発展するのか大変興味深いです。

コメントを残す

...1112131415...

上に戻る