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会社運営

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チームワーク

採用面接をしていて応募理由を聞くと『チームワーク』を理由に挙げる方がたくさんいらっしゃいます。

チームワークそのものの定義はあまりぶれないと思いますが、チームワークをなぜ行うのか、どのように活用するのか、は様々です。 少なくとも当社でチームワークは方法手段、スキルであって目的ではありません。

例えば綱引き競技、全員が一致して同じ瞬間に最大の力を発揮することが求められます。 メンバーの一人一人が順番に最大の力を出すとすれば有力チームも負けてしまうでしょう。 綱引きでもそうですが、チームワークの目的は単純に勝つことです。

応募者がチームワークに関心をもった理由を想像すると『チーム内で教えてもらえるから』、『全体責任体制で個人の業績について責められることがないだろう』などと想像します。 ここで話題にしている応募者は営業志望の人です。

営業は個人成績が明確な仕事、個人の努力、個人の成長が解り易い仕事です。 応募者先行のキーワードの主語は『自分』である人が基本的に求める職業だと思います。 自分が、自分がとあまりに自己主張する人は協調性など問題を感じることはありますが、その自分が成果を残せなかったときに潔く認める人もいます。 テニスや卓球シングルス、フィギアスケートは全く個人競技、優勝会見で見せるチャンピオンの言葉は自分が主語で嫌味を感じるときもあります。

当社は小さい規模から中規模を目指す中で、営業に限らす戦略・スキルの徹底を図るべくほとんどの部署で小集団による活動を行っています。 小集団の機能は分業された業務の徹底(スケジュール、品質等)、リーダーによる教育等多岐にわたります。 小集団がうまく機能しなければその部署の管理職が指導します。 分業されている場合、小集団の一つがうまく機能しなければ小集団の所属する組織の成果が著しく毀損します。 つまり当社の小集団活動は個々人の成長や成果があぶりだされる仕組みで、全体がうまく機能したときに綱引きの例のように最大の成果が生まれるようになっています。

逆にうまく機能しなければ持てる力の減衰が大きく、成果におけるブレの大きい組織運営をとっています。 それをわかってチームワーク、チームプレーを志望理由として挙げるなら優秀な方と思います。

チームワークがうまく機能するのはチーム長のマネジメント力、指導教育の力、企業文化等多くの要素が絡み合ってきます。 その調整は大変複雑で汎用できるレシピは無く、人事考課の点数配分を少しいじった、複数のチームをまとめた、または分解した、残業を減らす指示をした等微妙で、それぞれの方策のウェイトや順番が大変重要になってきます。

経営者は試行錯誤を繰り返しますが、そのような会社運営に出会ったとき、ここの会社のトップは天才か?と思うことがあります。

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ホウレンソウ

ホウレンソウとはよく言ったものです。 もちろん報告、連絡、相談の事ですが、これは自分が上司に行う基本としての言葉のように思います。 ところが現実には上位のものが下位のものにホウレンソウが必要です。 指示を出すと『そんなことは聞いていなかった、相談がなかった』等で指示が誤って解釈されたりすることがある。

かつて相談という意味で『こうすればどんな影響がありますか?』と尋ねたことがあり、社長はこのように考えているから何とかしなければならないと大騒ぎになりました。 言わせてもらえばそれぞれの仕事をこなした事は無く、全く知見のない仕事もあります。 そこで『仕事の流れを教えてください』と聞けばおそらく大さわぎにならなかったのでしょうが、想像力を働かせひと手間ぬいたわけです。

情報の中には社長にしか入らない情報があります。 私は社内では個人情報を除き開示することにしていますが、そのために多く宛先に誤解のないような文章で情報を流します。 大変面倒なことですが、逆の流れが全くない管理職の割合も大変多いです。 ホウレンソウの優れた会社から転職してきた人はホウレンソウの達人のように見えます。 些細な情報も流していただけるので面倒くさいこともありますが、ホウレンソウの社内規程があって基準を設定しているわけではありませんからその人の基準で連絡事項をきめられます。

ある管理職は大変有能で、自分の舞台での問題が発生すると第一報が発信されます。 その後経過はなく、その管理職が問題を解決したのち解決報告とお詫びが飛んできます。 私は一度文句を言ったことがあります。 『なぜこの件を報告してくれなかったのか?』、『以前、そんな些細なことは報告していらないと言われましたが、報告した方がよいですか?』としれっといいます。 腹が立ちます。 自分の落ち度を正確に指摘され、自分に腹が立ちますが、報告してほしい基準は日々微妙に揺らぐのも事実です。

私は一時期『朝改暮令が多すぎる』と批判されました。 私は正しい判断を早くすることを良しとしていました。 指示を求められ、瞬間に答えて何か引っかかったとき、もしくはそののち引っ掛かりが出てきたとき再度考え修正案を夕方に出します。 では初めから夕方に回答すると言えば朝改暮令が減るかと言えばそうとは限りません。 朝改翌日令が増えるだけでしょう。 一回判断し、判断を前提に頭の中で趣味レーションしているわけですから頭は一回答えを口にしないと改める案も導いてくれません。

不透明なことではシュミレーションの過程で判断の修正が行われます。 少し前に碁で世界一の人がAIに完敗しました。 AIが誤の世界でまだまだ勝てないと言われてすぐに勝ったのです。 語でAIが勝てないと思われたのは選択肢が多いこと、経営も同じです。 選択肢を判断するホウレンソウが多ければ趣味レーションで判断が覆ることが少なくなります。

以前は私への管理職のホウレンソウがなっていないと思っていました。 しかし私が何に興味をもっているか(経営判断として)知らなければホウレンソウの精度は低くなります。 制度を上げるため、例えばこんなことはどうですか?という相談をします。 私の関心事が質問に凝集されています。 その副作用は別としてこれがうまく行く方法と確信しました。

ところが相談役になって代表を支える仕事になると『おいこら代表、質問はもっと工夫せい、バカもん』となってしまいます。 全く自分の性格に嫌気がさします。

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会議

企業内では多くの会議が開催されます。 昔勤め人をしていた時に総務に所属し、総務関係の雑誌を読んでいてびっくりしたことがあります。 ある都銀の店長会議、その銀行で取締役は40人弱、店長は何百人にも及びます。 北海道から沖縄まで店長はすべて、そして取締役総てが出席し、1回の費用が数億円前後と莫大です。 これだけ大きな会議は会議というより大会みたいなもの、記事のテーマは会議コストで運営方法などには記載されていません。 質疑はなく、テーマごとに担当取締役が説明するといったもの、もちろんそこで店長は情報交換をするので意味がないわけではないでしょうが。

当社で社員総会が一番大きな会議兼懇親会、人件費も考えると2百万円近くかかります。 年2回、そこで懇親した人たちが以後会社の中で認知しあい、情報交換し、助けたり助けられたりするので決して無駄になっていません。

管理職だけで行う10名以下の会議はよく行います。 だいたい移動時間やそのあとの情報交換を含め、3時間程度です。 コストは10万円強でしょうか。

会議は必要ですし、コストも時間も節約したい、そのため会議時間を短縮する工夫がなされています。 会議はすべて立って行う会社があると聞いたことがあります。

時間短縮で言えばあらかじめ終了時間を設定しておく、議題と資料は事前配布、会議の仕切をうまく行うに尽きるようです。

会議の目的を考えると決議する場、情報共有の場、意見のすり合わせなどいろいろあります。 情報共有は通知だけでよければポータルサイトに掲示しておけばよいように思います。 意見のすり合わせの場で意見が出ないなら何らかの原因が考えられます。 人間関係からみた場合、こんな初歩的なことを考えなければならないのはうんざりしてしまいます。

会議にまつわる問題の多くが問題とならない会社の話も聞きました。 会議をしないとのこと、創業社長が総ての決済を行うようです。 経営者の以降は徹底するようですが、経営者は面倒くさいでしょうね。

会議の隠れた究極の目的として私は社員教育の場を意識しています。 『それは質問と答えにずれがありますね』とか『質問の意味が解りません』とか繰り返しているうちに言われた人は徐々に論理思考になりますし、ポイントを煮詰められるようになります。

このように会議で議事がスムーズで質問も出て、答えも返せていきあるものになるために多くのハードルを越えねばならず、この作業が完成しなければ指示を出してもまともに通じることなくグダグダになってしまいます。

 

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三枝 匡氏

題名の人は有名な経営コンサルタント、経営者です。 一橋大学を卒業後大きい会社に勤務、その後BCG(boston consulting group)で勤務、帰国後コンサルティング会社を興し、請われて会社の再建などを手掛ける。 上場企業の社長も任され、13年間で年商500億円の会社を2000億円まで拡大させた人です。

経歴を言えばコンサルタントではなく経営請負人でしょうか。 私は今までコンサルタントと言われる人たちと何人もお話しし、『一緒にコンサルタントをしませんか?』と誘われたこともありますが、実際の経営と理屈は異なり、私は実務を好むので断りました。

三枝氏はコンサルタントとしても世界で有数のコンサル会社で頭角を現し、日本で華々しく成果を上げたという意味ですごい人と思います。

たまたま日本経済新聞の記事で氏の著作を読むことになりました。 実践的な内容に得るものも多く、多くの人に知ってもらいたいと記事にしました。

その中で大変気になることが書かれています。 人の問題で、浪花節、マキャベリ、根性など経営学では出てこない言葉が出てきます。 こんな言葉を経営の書籍で見ることはまれで、学術ではなく現実のにおいがしてきます。 現実の世界では当たり前に起こること、そしてお金を稼ぐすべとして分野別№1を目指す姿勢は実践的でもあります。 日本人にこのような人がいたのは驚きでした。

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会社が大きくなること

ドラッカーが1954年に発表した『現代の経営』は63年前にもかかわらず新鮮でした。(社会科学の論文でこの期間が経過すれば陳腐化しますが) 誤解を恐れずその中の考えを引用すると、大規模企業、中規模企業、零細企業の組織運営(ドラッカーは組織は戦略に従属すると言っています)は連続して変化するものではないと言っています。

当社はこの5年で従業員数が倍になり、退職者もいますので5年前にいた職員は50名程度でしょうか。 50名の会社に100人の新人が増えたとの影響より150人の職員数が会社の風土を大きく変えました。

ドラッカーが例示した例の一つははじめ数人で始めた町工場が9000人の従業員になったとき、大きな工場を建てることになりました。 社長はすべてが見渡せる、つまり9000人が働く一つの工場を主張し、他の役員は危険分散のため複数工場の建設を提案しました。 社長が押し通し、見渡せるよう防火壁もない巨大な工場が建設されました。 しばらくして火災になり、工場が全焼し結果その会社は倒産したそうです。

幹部は『火事でよかった、社長が死ねば何も入ってこないが火事だと火災保険が下りる』と言ったそうです。 その会社では火事になったときの対処責任者は社長で火災発生時社長が不在で消火活動が行われなかったそうです。 その社長がなぜ権限を委譲しなかったのか、業務を細分化して分業しなかったのか書かれていませんが、成功体験は考えることを鈍らせるのかもしれません。

当社でも社長の役割について話題が出た時、責任を担う者という考え方が出てきます。 責任を担うから権限がある、社長の立場に立てば責任問題を回避する、リスクを排除することが仕事になります。 なんでも器用にこなして会社を大きくした社長にとって権限を委譲することは自分より劣る人に任せることを意味するのか、他人は信用できないという不信感からか、そのような組織体制を見たことがないからかいろいろ理由があるかも知れません。

大きな権限があり、仕事の細部まで口出しする経営は韓国映画に出てくる財閥批判をテーマにしたもので顕著です。

違う話としてドラッカーはIBMの工程管理を例示しています。 工程を分割し、作業間で仕事の流れが滞ることがあり、これを改善するため作業者に分割されたパートの前後の仕事を行わせようとしたものです。 これによりIBMの作業工程は飛躍的に改善し、アメリカの不況下にあってIBMが高い業績を維持できたことの理由として挙げています。 このような改善は現在の生産現場でも行われていて、生産工程のデザインの問題のように思われがちです。 もちろんそういう側面もあるのですが、同時に新製品の開発において営業も生産管理の人もエンジニアも一緒になって開発した事例が書かれ、ニーズに合って最新技術が投入され、製造ラインが問題のないようデザインされたメーカーが高い業績を上げたと書かれています。

ドラッカーは生産管理やマーケットリサーチ、組織論の専門家ではありません。 それぞれの専門家はそれぞれの視点でこれらの事例を分析したようですが、ドラッカーは企業の成長のテーマで分析しています。 例示したことが相互に関連し、大企業への発展を示しています。

それゆえ『現代の経営』のこのパートでは零細企業、中規模企業、大企業に分け、発展プロセスに連続性のないことを示しています。

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予算

当社は5月末決算、ぼちぼち原案が出てきます。 ちょっとでも数字を積み上げるべく背伸びした予算が出てきます。 今年度毎月3人顧客獲得なら来期は4人とか、達成の根拠はあまりありません。 つまり情緒的というか、気合というか。

予算が気合の背伸びを否定はしませんが、なにも工夫のない予算は見ていて全く面白くないものです。 何か変えるか工夫するか、そういったものがほしいところです。

前期と同じ事をしていれば前期の傾向の延長線上に実績が積み上がります。 今期だって精一杯したわけですから、もっと精いっぱいしてもさほど変わるものではありません。

日々の活動で何をすればどうなるか、マーケットはどのように動いているのか、売上前期比120%は立派な数値、しかしマーケットが拡大基調なら満足できない予算になります。

予算は当然事業計画ありき、今年度のエクセル実績表に一定の係数をかけて作ってしまえば楽ではありますが、事業計画ありきであれば各セルに入る数字は慎重に計算しなくてはなりません。

そもそもこんなめんどくさい数字の積上作業をするのか、会社全体として次期目的の一つとして投資の確定にあります。 既存事業が確実に利益を叩き出せば利益は安心して投資に回す事が出来ます。 地震予測のように経営環境が不透明で出たとこ勝負でない限り予算と事業計画は作るべきで、それは両行に行くときの計画のように楽しい物であってほしいです。

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他人と過去は変えられない

 タイトルは有名なことわざ、私が初めて知ったのは人から言われた時です。 その人は私を比較的まともな独善経営者と評価していたので、私が他人を変えようとしている事を諫めて言ったのかもしれません。 その時のことは覚えていませんが、よほど私の態度が酷かったのでしょう。

 そのような態度をとり続けた結果、ずいぶんあちこちで頭を打ち、嫌われたり非難されながらそれでも運が味方して経営者としてある程度成功しました。

 経営者は中小零細企業でもマネジメントとリーダーシップの両方を発揮しなければなりません。 どちらも相手の在ってのこと、考えを最低限あわさなければ相手=組織のメンバーは組織として機能を果たしません。

 平たく言えば尖がっていた私の考え・行動に共感したのか自分がやらなければという責任感からか判りませんが少数の人が最善を尽くし、組織を動かし、経営は一定の成果を上げたというのが私の評価です。 しかし尖がっていた私はその事すら自分のリーダーシップと誤解し、己惚れていた時期がありました。

 全くお目出度い話です。 しかし面白いことに最善を尽くした少数の人たちはそれぞれの考えと私の指示を擦り合わせ、私の戦略に従ってくれ、戦略的な成功を収めたのです。

 自分は戦略を考えることに長けていて、それを執行する方法において上手くなかったのでしょう。 自分の戦略が正しいという強い信念が強引な行動につながったのかもしれません。

 『他人と過去は変えられない』は 自分の外に向かっての言葉、他方自分自身に向けた言葉として『人のふり見て我がふり直せ』くらいしか思い浮かびません。 本当はもっと多くの言葉があるのでしょうが、ドラッカーが自分のことは解らない、せいぜい弱点くらいが解るだけであると言っています。

 ドラッカーは弱点をただすのではなく、強みで勝負しろと言っていますがそもそも自分のことが解りにくいのであれば強みで勝負できません。

 さらにリーダーシップを発揮する役割においては結果責任を負う立場ですから必死です。 ある人はリーダーシップの対象となる人に考えを強制したり、お願いしたり、同情をかおうとしたり、説得したり方法は様々です。

 ドラッカーの言う強み・弱み が説得や高圧的な態度を話題にしているのではないと思います。 それはあくまで表現スタイルで表現すべき考えを強み・弱みの対象にしているように思います。 そのように考えればリーダーシップやそれを発揮しなければいけない経営者の役割はその考えに集約されるかもしれません。 リーダシップと対になるフォワーシップも信頼関係でなっており、『信頼とは善良な動機から始まる』という言葉があります。 善良な考え、動機、それに伴うリーダーの行動は一見誤解を招いていたとしても強い信念に基づいていればいずれは通じるもの、通じさせる方法ばかり議論されるの浅はかな気がします。

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合議制

会社運営では課題があり、課題解決の意志決定を行うことがたびたびあります。 会議で合意に達することの難しさを痛感しています。 どうも私は自分ですべて決めていたようで、批判を受けました。

そこで取締役会の合議により決議を図るべく意見を求め、議論しようとしますがなかなか合議に達しません。 個人的には課題が難しいとは思えず、一人で決めることができるなら3分で決められます。

合議を目指したのは3分で決めた結果が最善であっても私が3分で決めたことに対して不満が残ります。 以前は結果が見えてきて課題解決につながったとき皆が『よい決断であった』と納得します。 しかし課題が具体的でないとき、例えば人間関係のすり合わせがうまくいかない場合に現場に介入し、関係修復を手掛けたようなとき、人間関係という微妙な問題の解決の糸口が私の介入にあったと確信が生まれなければ副作用だけが話題になります。

この場合はそもそも会議で合議するような課題ではないので議題になりにくいのですが、課題が存在したことは事実です。 解決したことも事実、副作用として新たな問題が生じたこともまた事実です。 たいていの行為行動には最善であってもマイナスの影響は残ります。

一人ですべて決められるなら決断は早く、結果の責任もすべて自分、シンプルで解り易いし納得も行きます。 それが合議となると時間がかかり、場合によっては結論の出ないようなことになります。 合議に達しにくい理由はそのプロセスにあるように思われます。 課題解決の目標は異論がありませんがどのような方法で達成するかはスタイルの問題で好みが出ます。

そこで思い切って役割を決めてしまい、事後報告にすれば早く、ほとんど問題なく課題が解決されます。 そもそもその程度の課題であったと思われます。 つまりもっと重要な問題を課題として合議を図ることが望まれます。

この方法にも問題があり、幹部もそれぞれ自分の責任範囲を持っており、目先の課題にとらわれます。 役割を決めるということは権限委譲が大きくなっているからで、権限範囲の責任が各管理職にのしかかってくるから当然です。 重要方針を明確にしておけば個別の問題は解決の糸口がつかみやすいのですが、重要方針のような話題に対して日頃の訓練ができていないので皆が話題について行けません。

仕方がなく会社の代表がさんざん考えて方針素案を提案して、誰一人反対することなく、審議もされず決定されます。 会社といえど個人の考えが色濃く表れる瞬間です。

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会議のスキル

会議の目的はいくつかあります。 何かを決める会議は決議する機関、報告会のようなもの、大きくはこの二つに分かれるように思います。

会社で決議機関の代表的なものは取締役会、ここでは議題が事前に提示されることが好ましく、事前質問を提案者に事前に通知できればなお良いと思います。 当社でもやっと議題の事前配布をするようになりました。 しかし議題の資料が充実していないと何を決めたらよいのかわからなくなります。

明日の会議の議題の一つが持ち越しの議題で『管理職研修』についてです。
この研修を会社として取り組む必要があるかないか、そもそも当社管理職に何が欠けていて研修でそれが補えるのか、そこまでの提言はしていません。

この議題の提案理由として管理職に求める資質について考えました。 多くの報告会や決議機関の会議に出席させてもらってますが、私が期待するのは各人の積極的な意見の表明と責任ある建設的な回答、個人的評価やうまくいかなかった理由は私にとって価値の無いものが多いと思います。

このような不満を管理職研修で改善できるのか、悩ましいところです。 そこで提案としてはその人が所属する組織の実際の課題を探し、その解決策を作ることをやってみようと思っています。

もし利益が出ていないなら業界平均程度の利益が出るような改善策の具体策を作ってもらう。 いつまでにどの程度の利益を実現する、投資額はいくらなどです。 結局架空の話より現実の話、それも自部署の話題が良いと思いました。

明日皆がどのように反応するか楽しみです。

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収益性の多様

ずいぶん前に事業で成功し、TVにもレギューラーで出演した経営者(私は見たことがないのですが)の著書に『事業はプールの水を杯でくみ出すようなもの』という記載がありました。

言葉通りにとれば薄利多売が思い浮かびました。 薄利の商売は薄利ゆえに大量販売しなければならず、比較的売れやすい商売と思います。 しかし大量に販売できなければ利益が得られず、全く売れないということはないのでうまくいかなくとも赤字のリスクは小さいかもしれません。

同じ会社で並行していろいろな事業を走らせるとこのようなギャップに戸惑います。 さらに新規事業分野、成長段階の事業、成熟段階の事業、衰退段階の事業と多様であります。

売上対比の粗利率や一人当たりの最終利益などの基準で投資や撤退を決めるのは危険で、衰退期に入っている事業であってもなくならない事業であれば投資することで撤退した他社商圏を取り込め規模拡大を図った方がよいものもあります。 このような事業分野では何かを仕入れるのであれば仕入先仕切が下がる可能性がありますし、競争が苛烈でない環境もあります。

このようなバリエーションを同じ会社で議論していて練られた戦略を立てても評価されないかもしれません。 特にトップが企画型の人であり今まで成功したのであればだれも反論しないでしょう。 成長期の担当役員には成熟期の事業に投資することは内心反対であっても反論しない可能性が高いです。

しかし成長期の事業であっても取扱商品ラインナップの中には成熟段階や衰退段階を迎えたものもあります。 そこに目を向けなければ業界が成長段階でもその会社は衰退段階に陥っていることがあります。 トップをやっていてこのような判断や企画は誰でもできると思いますが、部分的な衰退が報告されないところが問題です。

介護の営業では早い納品が優位性の象徴だったのですが、どこの業者も即納を始めると優位性ではなくなります。 現場で即納が必要な局面は小さく、なんでも即納すれば優位に立てるでしょうがコストが上がってしまいます。

別の優位性は現場にあり、優位性の低下は数字に反映されますが数字の微変化でとらえることは困難で、現場担当の報告内容が重要になってきます。 しかし現場担当と経営者で視点も違い、経営者側から質問しなければ会議などはわかりきったことの確認に終わってしまいます。

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