監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[会社運営]

問いを決めないことには答えようがない

 表題は最先端の経済学者の本に書かれていた言葉です。 著者は日本人でアメリカの大学に学び、指導教官から言われたそうです。

零細企業とはいえ経営者の一角で働いている私はついに最年長となり、どちらかといえば問われる方です。 私は質問する事が多く、今でも相手を質問攻めにします。

問いを決めるということは何らかの課題があって、その解を求めて解に直結した質問をしなければ質問の意図に沿った答えは得らません。

昨日頂いた問いは『管理職は少ない方が良いのか?』というものでした。 メールでの質問には課題も書かれていて、来期の事業計画を立てていて気分転換に私をからかうメールを送ったようです。 この場合、私は問いと事業計画立案という課題について説明されていません。 課題は事業規模の拡大と安定、その手段として事業計画立案ということになります。

課題が明確で、その為に行うべき施策が明確であれば施策を実行する人が必要です。 規模拡大に営業が必要なら営業の強化を図らねばならず、営業部長のミッションは少し明確になってきます。 営業員の増員か、再教育か、顧客のターゲットを変えるのか、その為に管理職が必要です。

管理職が行うのは管理業務、つまりは営業業務から営業管理業務分離させて効率化を図るわけですから管理職の役割が明確にされていないとえてして管理職は自ら営業を行い、分業されません。 営業で管理職が行う一般的なことはマーケットの分析、ターゲットを決める、営業方法を決めることなどでしょうか?

問いはあくまで事業の拡大と安定にあり、分業としてのマーケットリサーチやターゲッティングは方法手段、良くあるパターンは方法手段が目的になって、たとえばマーケットリサーチ目的にして深みに嵌まってしまうケースです。 いかにも専門的で本人は自信を持ちますが、業績に繋がらないのは営業の力のなさにされます。

いささか理屈が過ぎるように見えますが、課題から生まれる問いの履き違えは少し考えるとよく起こっていて、頑固な管理職が履き違えた考えを主張して現場の混乱を招いたりしています。

コメントを残す

[会社運営]

フラットな会社

 会社の組織には職階があります。 ここで職階とは部長職や課長職などの肩書きを指します。

私は前職のときから少ない職階が業務遂行の上で都合がよいと思っていました。 又上位の職階の役割は配下の職員の言う事を聞いて結論を出してゆくのが合理的であると思っていました。 配下の職員はより現場に近く、今の現場を見ています。 上席者は同じ現場の過去の経験は豊富ですが、現在の現場については接点が少なくなっています。 上席者が経験を踏まえて判断・指示を下してゆく組織は古い組織運営だと思っています。 上席者=管理職には自らの部署の包括責任を負うわけですから権限を有し、権限を行使すること=指示を出すことになります。 変化の少ない、もしくは変化させない仕事、たとえば伝統芸能などでは伝統を引き継ぐ上で上位者=師匠は弟子に絶対的になりがちです。 しかし能の世界で『守破離』という言葉があるように、全くのコピーが伝統芸能の本質ではないようです。

あるとき管理職の必要性を主張されました。 管理職の役割について部下の教育や職務の進捗管理など各管理職の職務内容から必要性が話題になりました。 私が権限と責任でフラットな組織が良いというのはかみ合わない議論になります。

理屈はともかく一定程度の職階は必要であることを認識し、職階を指定していますが少ないにこしたことはないと思っています。 早い意志決定や責任者の明確化が理由です。

ある取締役はかなりの実務をこなしていて、速い意志決定や責任の明確化はクリアーです。 しかし当人の負担は大きく、又業務が増えても抱え込みを続けると停滞しますし、配下の人も育ちません。

ドラッカーは『組織は戦略に従う』と言っていますが、自分が代表だったときにフラット組織を望んだのは戦略推進に必要だったからで、そのことを意識せずフラット化を考えていました。 振り返ると当時規模拡大を基本戦略にすえていて、代表である自分が前に出て引っ張ってゆく事を考えていたのだと思います。

コメントを残す

[]

古い人を思い出す

 過去に知り合いで付き合いの浅い人、特に相手から色々誘われても自分から付き合おうとしなかった人の事を思い出します。 誘われたとき一度は付き合い、「そりが合わない」程度のことで付き合わなかったのですが、同様の人は多いのに思い出す人は限られています。

過去の人を思い出すのは誰でもよくあることでしょう。 長年付き合っていて音信が途切れてから10年経って突然と思い出したりもします。 人だけでなく動物や旅行の体験、食べたもの、景色なども思い出します。

辛かったこと、楽しかったことなどそのとき印象深かったことを何年もたって思い出すのは理解できます。 しかし数度話をしただけの人の事が印象深いとは思えません。 数度のやり取りの中でこの人とは付き合わないほうが良いとそのとき感じたはずで何を感じたか思い出せません。

歳を取ると自分の考え・価値観は固まってきます。 多くの人は小さいときから変わっていないと思います。 面倒見のよいガキ大将だった人は大人になってからも人の上に立とうとするでしょう。 私も価値観は変わっていないとしてその人と今出会えば付き合えたか、やはり付き合うことはなかったように思います。 よく年寄りになれば性格が丸くなるなどといわれますが、私の場合はそうなっていないのかもしれません。

なぜ関係が薄かった人を思い出すのか、おそらくその人は自分の価値観を評価しない人であったと思います。 そりが合わないとはそういうものでしょう。 人は承認欲求があります。 誰かに認められたいというものです。 人事考課で自分のやってきたことに高い評価を得たいとか、会議で提案した事が承認されるとかです。

仕事が上手く行かない原因が仕事で絡む同僚との意見の対立であった場合、過去に自分と価値観が会わなかった人と同僚の価値観ではないかと照らし合わせているのかもしれません。 同僚との意見の対立が仕事の目標ではなく手段やプロセスの違いであれば妥協できるのですが、目標や将来ビジョンの違いであるときは妥協しがたいものです。 自分の思い描く目標が実は間違ったものではないかという恐怖心から必死になって記憶の中から自分が上手く行かなかったことと似ていないか探しているように思います。

コメントを残す

[価値観]

[未分類]

説明

 営業員の訪問件数が管理されています。 何件訪問したか、というものですが営業成績と訪問件数の多少はかなり相関関係があります。 その為各営業は訪問件数をカウントしています。

おっとりした若い営業の訪問件数が伸びません。 営業の会議では訪問件数を伸ばしてみてはと指導しますが、やはり伸びません。

色々聞くと一件訪問あたりの滞在時間が長いのが原因と本人は考えています。 訪問先で長く話すので次の訪問時間との間に余裕があり、隙間時間で何とかもう一件訪問するというのが本人の改善策です。

営業先で長く話をする事が大切と考えている人が隙間時間で短時間の面談を良しとはしないでしょう。

私は長時間の面談や会議は苦手です。 面談では挨拶もそこそこに要件を切り出しますし、会議で資料が多いのも焦点がぼけるのでできればA4 1枚にまとめてほしいとお願いします。 もちろん初対面の方にこのような対応はしません。 私が時間をかけるのは採用面接、今は1時間ぐらいですがかつては数時間掛けて面接したこともあります。

私が会議や面談時間を短くしているのは短くする事が目的ではなく、面談の目的に焦点を当てたい為です。 時間が長いと何の話題であったか解らなくなります。 私がかつてお世話になっていた弁護士は話が長くなるといらいらして怒り出します。 そこで因果関係の複雑な事件の場合は図を用意して説明します。

しかし営業の現場では世間話を含めてある程度の滞在時間は必要で、こちらは話を準備してきたけれどお客様はその話を始めて聞くので言われた一つ一つのことを納得するのに少しの間が必要です。

薬局で服薬指導をしている薬剤師でこの間の取り方が上手い人がいます。 何か一つの事実、たとえば副作用についてであれば一つの副作用を説明しにっこりしながら待ちます。 相手が何か返すと相槌を打って次の説明に移ります。 服薬指導の時間は少し長めですが実務上問題ありません。

逆に福作用が複数あるとき一気に説明する薬剤師がいます。 往々にして患者さんに伝わっていないように思われます。

先ほどの営業の説明でおそらく本人が長いと思っている時間は30分程度とおもわれます。 先ほどの相手の反応を確かめながら説明する薬剤師の場合5分程度でしょうか。 福祉用具の説明と服薬指導の時間は内容からすると同じくらいの説明量でしょうか。

前出の営業に5分で説明しろと指導すれば本人は自分のスタイルや価値観を否定されたと思い、気を悪くするでしょう。 間の取り方の上手い薬剤師の説明を横で聞けば自分の思う理想の営業に近づいてゆくと思われます。 否定しても反発、薬剤師の間の取り方が腑に落ちて上手く説明ができるようになって褒めれば成長は止まります。 人を教えるのは難しいことです。

コメントを残す

[未分類]

[経営]

役割

 企業再生でも書きましたが、私の再生支援方法は廃棄から始めます。 今支援している企業では90㎡の事務所から2トン車3台分のゴミを捨てました。 最初は自分で山積みされた書類を一つずつ確認してゴミ袋に入れて毎日捨てました。 職員の皆が協力してくれて、私では判断できない書類や用具を捨てるとこの量になりました。

たまたま行政の指導が入り、今までのやり方を返るように多くの指導を受け、思い込んでいた知識を捨てる事ができました。 当然代わりになる考え方、情報を共有して運用しなければなりません。

経営において再生するということは人・物・お金(使い方)・情報(考え方)において今までと変えなければなりません。 人を変える事が難しいですが、人は考えを変えることができます。 考えを変えられない人は程度の差はあれその組織で貢献を果たしにくくなります。

考えを変えにくいことの一つに自分の役割や仕事があります。 現場の仕事を長期に携わってきた人は現場が上手く行くことだけが仕事と思います。 その人が管理職になると現場が上手く回っているかに注力し、まわっていなければ自分で作業をしてしまいがちです。 現場が上手くまわっていないのは現場の担当者のスキルの問題と考え、スキルを教えてみたり、叱ってみたり、怒ってみたりします。 上手くまわらない理由にスキルの未熟もありますが、気付き出会ったりその作業の目的をどのように認識しているかの考え方であったりします。

すべてがスキル、段取りの問題とするなら画一的な業務であるコンビニなどは作業をマニュアル化して行っています。 おそらく管理者の業務もマニュアル化されていると思いますし、経営もマニュアル化されているでしょう。

業務が複雑になればマニュアルは分厚くなります。 名門ホテルでクレドをつくり複雑な対応を上手くこなすことに成功した例があります。 クレドは行動理念のようなもの思いますが、何か判断するときに参照すべき基準のようなものでしょうか。

複雑な業務の判断をすべてクレドで解消するなら職種ごと、役職ごとにクレドが必要になるかもしれません。 そのような経営をいまだ聞いた事はありませんが、成功している企業においては職種、役職ごとに多くの暗黙知があり、まとめると理念のようなものになるのでしょうが、働く人の価値観や環境の変化に対応しようとすれば言葉にできにくくなります。 場合によっては保守化することも考えられます。

役割は仕事を分担して効率を図る意味もあり、組織運営では避けられない手段です。 分担された仕事を担うことは役割を果たすことですが、役割間で考え方が異なる事が多く、役割間の調整は企業組織ではよく課題になります。

仕事が上手く分担され、役割間の調整も上手く行き、仕事の正先生が阿賀野湖とは経営者の役割の一つと考えられます。

コメントを残す

[社会]

働く

 最近の事業運営の大きな課題は求人です。 求人環境が大きく変化したのは自民党政権が復活し日銀総裁に黒田氏が就任して円安になってからだと思っています。 当時80円/ドルが現在108円/ドルと0.74倍に円が下落しています。 輸出産業は息を吹き返し、控えられていた雇用が増加したことは大きな理由となっています。

しかし求人難と言っても国内産業が活況で労働マーケットには潤沢に求職者がいます。 求人難以前の求職難の時代より求職者の絶対数が多いのではと思います。 つまり求職者が増えた以上に求人が増えた、もしくは休職・求人共に増えた、ということでしょうか。 増収増益の企業が好業績(退職金上乗せ原始が確保できるとき) で転職しやすい環境を利用して人的リストラが行われ、希望退職による離職者は前年同時期の倍になったそうです。

年功賃金体系で50歳代前半は賃金が最も高い年代ですが、大手企業は年功序列から成果主義に転換する方策として高賃金層を減少させ、若手の初任給を上げるなど変換しているそうです。 社内で高い評価を得られなかったこの年代のサラリーマンは自分を活かせる新たな職場で70歳まで働こうと考えるようです。

働き方改革、最低賃金アップ、定年を超えての就労などキーワードを繋いで次の10年から20年にどのような就労環境になっているか考えてみました。

働き方改革により個々人の労働時間は減少傾向にあります。 このため技術革新なく労働生産性を上げなくてはなりません。 機械化等既存技術で生産性を上げなくてはならず、IT化は益々進展します。(その結果パンチャーやSEは不足しています) 今まで高収入を得ていたサラリーマンは高いスキルを求められ、ついてゆけない人は早期退職に応募します。

最低賃金の上昇により機械化されていない単純作業コストはさらに上昇します。 単純作業に依存する財やサービスの価格は上昇します。 配送費が上がり、アマゾンの配送料が上がります。 やがては値上げで補えず、流通やサービスの形態が変化します。 アマゾンで配送料込みで物を買うより店で買う方が圧倒的に安く買えるようになるかもしれません。

定年の考え方は薄れ、年齢と賃金が遊離します。 つまり経験値は労働マーケットで評価が薄れます。 職人は経験が重要な職種ですが、腕の良い旋盤工の技術はコンピュータ付き旋盤に取って代わられます。

行政が求めることは効率化、技術革新を誘導しているように思えます。 その動きについてゆけない人は求人難の現在でも就職できません。

潜在失業者は増加し、所得階層の二極化は進み、倒産や廃業する会社は増え、M&Aマーケットに多くの企業が売りに出されます。

このような変化は数十年続くでしょうが、その中で時代に応じた企業文化や価値観が生み出されて行くと思います。 それが働く人にとって居心地の良いものである補償はありません。 もしくは技術革新が進んで天才的な能力を持たない人の殆どが失業する時代になるかもしれません。

コメントを残す

[価値観]

転職

 今日は私の誕生日、めでたく66歳を迎えました。 生まれたのは昭和28年、第二次世界大戦が終戦を迎えて8年経ったときでした。 たまに第二次世界大戦前の映画を見て登場人物の発言や考え方に触れ、『それに近い時代であったな』と思い出す世代です。

子供の頃は子供は両親に絶対服従で、子供の頃は1歳年上の子には服従、私が社会人になったのは25歳の歳で昭和54年でした。 会社で上司はもちろんのこと年下でも(私は25歳で社会人になっているので年下の先輩は沢山いました)敬語を使って接していました。

つまり年上や先輩、上司はなおさら絶対で上司の指示ミスで私が結果的にミスをしても上司が始末書書き、責任を取る文化でした。 賃金は年齢によって厳格に決められていて何歳なら基本給はいくらか明確でした。 毎年かなり昇給し、一定年齢と共に皆が昇進し、賞与も毎年上がり入社後20年間を掛けてバブルがはじけるまでインフレと昇給が続き、バブルがはじけても対処法がわからず、私より20歳以上年上の経営層は時代を読み違えたマネジメントを展開していました。

バブルがはじけてからの20年間は『失われた時代』ということで現在に至るまでデフレ体質から抜けられず、物価が上昇しない中で年功序列は崩れ、昇給しない若い世代は人材紹介会社の甘言に踊らされて転職を繰り返しています。 紹介会社の運営する口コミサイトで当社の内部批判を目にしますがほぼ根拠のない批判です。 その初回会社が平気で人を紹介してきます。

私は転職を否定するものではありません。 私も一度転職しています。 前述したように前職の会社の体質が古く、それが生理的に受け入れられなかったので転職しましたが、会社の評価は別にして体質改善の仕掛けを仕事の一環としてやる事ができ、成果も生んだと思っています。 転職せずに続けるのも一つでしたが自分の思いをぶつけると波風ばかりが立つので転職したことは私の人生で大きな成功だと思っています。 何が成功かと言うと自分がやりたい事が出来た、たまたまそれが経営の仕事であったということでしょうか。

自分のやりたいこと、やりたいこと実現できる為の方法手段=人間関係ややりたいことについての努力、結果=所得や地位で満足が行けばその職に就いたことは良かった事になります。 目標は『やりたいこと』で良好な人間関係=手段、結果=所得・地位ではありません。

最近採用面接で転職理由を聞いたり、当社の退職者の理由を漏れ聞いたりして目標を持っていない人が無理やり方法を目標にしたり結果を目標にしたりしてさまよっているのを見かけます。

目標は目標、会社が与えるのは仕事であって個人の生きる目標ではありません。 何をしたいかという個人の目標は本人が考えて見出すもので、考える癖を持たない人はさまよえる転職者になって行きます。

鍵がかかった自分の家に入るのに鍵を探さそうとしないで家に入れないことを嘆いているように思えて仕方がありません。

コメントを残す

[社会]

経済成長

 私は日本経済新聞を読んでいますが、この新聞は政治・経済の記事が中心です。 日本経済新聞を読んでいますが日本の経済成長を考えることはありません。 肌感覚で景気の良し悪しが話題になることはあります。 それは従事している業界周辺の話題で地域限定の感覚である事が多く、日本経済という範囲ではありません。 まして医療・介護は景気変動に左右されにくい業界です。

日本経済新聞の論説員が書いた日本の経済成長についての記事が印象的なので、さわりを紹介します。 経済成長の判断基準はGDPで見ています。 安部政権発足当時10年間平均で年率2%程度の成長を目指すというものであったそうです。 2018年度は0.7%の成長で目論見を大きく乖離しています。 成長させる方法として3点挙げられていました。

①最低賃金のアップ ②生産性の低い事業を廃業させる ③労働力の流動化

最低賃金は近年かさ上げされて大阪では936円/時間、因みに平成元年は523円/時間でした。 最低賃金が低いと生産性の低い企業が生き延びる、求人倍率が上昇しているので生産性の低い企業は廃業してゆけば平均生産性が上昇し、経済成長に繋がるというものです。 なおかつ賃金上昇に繋がれば消費も増えることになります。 しかし、低生産性の事業を営むのは年代を経た中小企業、2017年の廃業率は3.5%で欧米の10%を下回り、新陳代謝が進んでいません。 廃業率を高める事が政治的に難しいのであれば生産性の低い企業に投資を促して生産性を挙げる選択肢があります。 半官半民の助成金組織は生産性の低い企業を温存する機能を果たしていると批判されています。

低生産性企業は低賃金、労働力が流動化すれば廃業率も上がるという③の考えは高い生産性の企業に従事している人の流動性は上がっても低い生産性の企業では流動化は進んでいないようです。

国の経済成長はここの企業の生産性の集合値と考えるとその通りで、労働力不測から最低賃金付近の職種の時間給は相当上がりましたし、労働力の流動化は確実に進んでいます。 廃業率の問題は中小企業の経営者の生活もありますのですぐには解決しないでしょう。 この状況で日本の経済成長率が低いのは上記の3点以外の要素が係っているように思います。

個人的な感想でいえば政治家以外の国民がGDPの上昇をそれほど強く望んでいないのではと思います。 多くの人が抱く将来展望は生活の不安を排除すること、健康でいること、人間らしく生きることでしょうか。

経済成長より働き方改革が話題になり、パワハラに過剰に反応しと一般の人の関心事としてはGDPより強いです。 低生産性企業はこのような文化的要素が改善されれば生産性の上昇が見込めるのではないかと思います。

コメントを残す

[生活]

ライフスタイル

 労働基準に関するセミナーに参加し、ずいぶんいろいと変更するものだと思いました。 有給休暇の取得方法など欧米のデータを元に法律の改正が加えられています。 考え方の基礎は欧米のライフスタイルを真似るのではなく国民の健康を守ることにあります。 健康を阻害するものとして睡眠時間の減少が話題になっていましたが、深夜まで起きているから睡眠時間が充足できないライフスタイルに便利なコンビニの深夜営業も話題になり出しました。

深夜まで起きていて休暇は取らない、本も読まない、運動もしない、では何をしているかと言うと若い人はネットにアクセスしてネットサーフィン、ゲーム、音楽・映画鑑賞などでしょうか。 私が接する若い人の行動パターンは採用面接の質問で得られたもので一般的かどうか解りません。

そのようなライフスタイルが標準的であれば深夜にネット回線を禁止するなど新たな規制が出て来るかもしれません。

私のライフスタイルは21時~22時に就寝、基本的にお酒は飲みません。 起床は4時~5時の間で6時過ぎに出勤し、16時~18時に帰宅します。 夜コンビニ行くことはなく、酒席も最低限にしています。 帰宅後文庫本小説を二日に1冊のペースで読み、ビデオも二日に一本見ます。 空いている時間に食事と軽い筋トレ、シンプルなライフスタイルですが頭と体のケアをしていると仕事で成果を挙げて健康を維持できます。 物を余り買わないので生活費は住居費を除いて最低水準です。

年齢と共にライフスタイルは微妙に変化していますが、基本は朝型人間、読書が趣味で趣味以外では節約する方なので50年くらいはこのようなシンプルライフスタイルです。

ライフスタイルによるのか健康に恵まれ、子供のときに弱かった身体はこの50年大病を患うことはありません。

国が理想とするライフスタイルは相当高齢までしっかり働き、健康維持に努め医療費や介護費用がかからないもので、私のようなシンプルなものがNHKの『ためしてガッテン』などの番組を通じて推奨され、最低限の法律規制が今後予測されますが具体的には想像できません。

ライフスタイルの一般的な将来も私には想像できません。 行政の目的が膨張する医療介護の財政支出抑制にあり、徹底していくなら一般的なライフスタイルは数年で大きく変化してゆくように思います。

コメントを残す

[会社運営]

企業再生7 状況把握

 企業が破綻するのは理由があります。 世の中に同業が沢山あり、かなりの企業が利益を出しているなら破綻した企業には明確な理由があり、理由さえ取り除けば再生はさほど難しくないと思いました。 初めて再生支援を行いまだ完全に再生できていない中で言うのはおこがましいかもしれません。 しかし再生は容易い事、しかし私が必ず成功できると言うつもりはありません。

世の中に成立していない事業を成立させることが出来るかどうか予測がつきません。 あるビジネスモデルで利益が出ている企業がある程度存在するなら成功する=利益を出すことは可能で、破綻したのであれば破綻理由が必ずあるということです。

今再建を手伝っている企業は同じ事業を行う企業が沢山あり、業界は求人難や管理の煩雑さが強化されるなど逆風が吹いていますが利益を出している会社は沢山あります。 破綻した理由は会社を知ることから始まりますが、意外に簡単に理由は見つかります。 対策もそれほど難しいものではありません。 難しいのは対策を実現させる為の方法です。

たとえば赤字が続いて破綻した事業なら、赤字の原因が固定費に対して売上の過少にあれば固定費を削減するか売上を増やすかによります。 固定費=販売管理費の大きい費目は人件費で一般的な再建方法として人的リストラを行います。 売上増を目指すなら営業力強化を図ります。 現実の再建では破綻原因も対策も複雑に入り組んだコンビネーションで現れてきます。 そこで最適オプションを見出すにはさらに突っ込んだ事実把握が必要になります。 破綻に至る経緯であったり、職員の価値観であったり、過去のクレーム対応の悪さから企業イメージが悪いなどです。

こうした破綻原因の元のとなった事件を紐解いてゆくと有効な対策が見えてきます。 問題はここまでの時間をかけられないことです。 破綻企業は人で言えば瀕死の状態、心肺が停止し数分以内に蘇生しなければ決定的な死が訪れます。

企業では私は3ヶ月以内が蘇生期間と考えています。 経営学として明確に説明できる根拠は持っていません。 3ヶ月は90日、人のうわさも90日と言う言葉もあります。 ある経理の人が固定費の3か月分を流動資産として維持すべきと教えて貰いましたが、理由は人のうわさも90日程度の解説でした。

この90日で何処まで出来れば良いか、救急救命の世界なら心臓が働き始めることでしょう。 企業なら資金が回り、業績も底を打ち黒字化といわないまでも損益が改善に向かうまではやらねばなりません。 もちろん業種業界によりこの期間は異なると思いますし乱暴を承知で言えば正しいと思います。

大企業が破綻すると現職取締役がすぐに改善対策をプレスリリースします。 最近印象に残った事例で言えばライザップ、日産自動車、日本航空、三菱自動車、リクシル、東芝、三洋電機、破綻した企業、大きく利益を既存した企業で第一報が原因の特定に始まります。 原因はガバナンス、投資の失敗、コンプライアンス、放漫経営など異論は余りありません。 意見が分かれるのは誰が悪いかの責任者探し、上手く混乱を乗り越えた会社は経営層を一新してたいていはすぐに業績が好転します。 新しい経営層はプロ意識が高く有能で、破綻時に経営層だった人は経営判断を過っています。 後から何とでも言えるという人もいますが、会社が破綻したのは事実、再建したのも事実です。

アメリカではファンドのマネジメンドバイアウトが事業として高いリターンを生んでいますが、経営学で再生学と言うのは寡聞にして知りません。 古くは坪内寿夫氏のように個人のスキルや手法が小説になったりしています。 現実の再建は地道な当たり前のことの積み重ねで、個人としては投資効率の高い事業手法と思っていますし、社会貢献も実感できるものです。

 

コメントを残す

...10...1314151617...203040...

上に戻る