監査役BLOG

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会社運営

[会社運営]

[価値観]

退職

当社は比較的変化の大きい会社です。 約20年で社員は17倍になりました。 10人から170人、160人増は年間8人の増加で達成できます。 しかし退職する人もいてこの20年で170人が退職しています。

当社の採用面接で履歴書を拝見すると職歴の多さにびっくりすることが多くあります。 60歳を超えた方を中心に採用しているモニタリング職では履歴書の職歴欄は1社のみという方が多いです。 そしてほとんどの方が退職せずに定年を超えて働いておられます。

30歳代の人は新卒時に就職氷河期で転職を繰り返したと思われる職歴欄になっています。

私も転職を一回していて転職してよかったと思っています。 しかし私個人の考えで一般論として転職の良し悪しを評価はできません。 会社の風土や仕事内容等合う、会わないがあるので合わない職場で無理やり仕事を続ける意味はないと思いますが、そもそも何なら合うのか、これが改善されれば、このような手ごたえや達成感が欲しいとか解かっていない人が転職者に多いのも事実でしょう。

どのような仕事でも成果が生まれれば達成感は感じられますし、やりがいにもつながるのではと思います。 その成果が自分の考えた方法で挙げられたならさらに達成感は大きいでしょうが、上司に受けたアドバイスや読んだ本からヒントを得た方法でも成果は仕事をする人の気持ちを充足します。

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[会社運営]

勤め人の収入

当社は途中入社が多く、個別に賃金を決めることが難しい。 昇給についても働いている人にとっては関心事で、理由が成り立たなければ多くても少なくても問題となる。

業績の良い大企業が莫大な内部留保を抱えている。 政府は内部留保に課税することを検討している。 少し前までは政府が内部留保せず従業員に払ってしまうよう経団連などに要請している。

一方企業側は失われた20年、生産性向上の努力を続けてきてやっと稼いだお金、最近の企業活動ではなく過去の遺産の活用の部分もある。 例えば林業家が60年前に植林し、60年間森の世話をしてきてが材木が値上がりしたから伐採して大きく利益を上げた時、税務署が利益の多くを課税し、さらに余った利益を従事者に払えと言っているようなものです。

多くの企業は誰が利益貢献したか、貢献と配分の関係に配慮します。 ある年次の損益だけで判断できないのは先程の林業のたとえの通りです。 もし業態が大きく変わり、新規事業と衰退事業を抱えた企業が衰退事業を切り捨て、人的リストラも行い、大きく利益を伸ばした時に残った職員にボーナスを大盤振る舞いするのが企業判断として適正か疑問があります。

そのような会社でリストラされた側の人が当社に入社していますが、大変優秀な方です。 誰が利益貢献し誰がしなかったか、ある期の中では見えやすいテーマですが時間軸の中では難しい問題です。 個人の貢献で言えば管理部門の貢献は見えにくく、営業部門の貢献は見えやすいことは言うまでもありません。

当社では薬剤師のように賃金相場がかなり確立している職種もあります。 応募者は私は〇〇円希望しますと言ってきます。 根拠はネットで見た相場だけ、ネットの情報は採用で困っている薬局が払う賃金で飛び抜けたもの、制度の中で薬局運営をしていてそんな賃金を薬剤師に払って経営が成り立つものではありません。 企業では自分の収入の3倍くらい利益貢献しないと企業として利益が出ません。 薬剤師が希望する年収の3倍稼ごうと思えば深夜まで残業して働かなければ成り立たない水準になります。

もちろん多くの薬剤師は何も分かっておらず自分が高く売れるなら高く売りたいと思っているだけです。 多くの薬剤師がそのように思い続ければその職種は報われない職種になってゆくでしょう。 それをあおっている職業紹介会社も自ら事業の発展の芽を閉ざすことになります。

青臭いですが職業倫理やろうどうのよろこびが重要で拝金主義になっても自ら辱めることになります。

 

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[会社運営]

戦略の本質

以前にも紹介した戦略研究家の野中郁次郎氏は戦略の本質を次のように言っています。

『戦略とは何かを分析することではない。 本質を洞察してそれを実践すること、認識と実践を組織的に統合することだ。』

会社経営に置き換えて本質とは何かと考えると、私は将来を予測することだと思います。 多くの経営者は『将来を予測するために分析するんだろう』という事でまじめな経営者はせっせと分析を行います。

しかし、本質を洞察して分析しているのか? ドラッカーがアメリカのデパートの経営者の逸話を書いていました。 そのデパートの経営者は何かを買ってくれた顧客にアンケートを取り、分析をしてデパートの経営に役立てようとしたのですが、そのデパートはつぶれてしまったそうです。

ドラッカーは買わずに帰った来店者になぜ何も買わなかったのか問うべきであったと示唆しています。 この話で野中氏の言う本質は『売れない理由』であって売れた理由ではないと考えます。 本質がその通りならどうさつして調査分析は必要で、野中氏は『洞察に基づいて分析し・・・』と言っていないのは戦略は分析によるものではなく本質であると強調したかったと思います。

企業経営に携わらせてもらって私が思う本質は『こうすれば将来どうなるか?』という将来予測です。 こうすればは別の支店ではより社会に貢献できるか、とか従業員がやりがいを感じるとか、利益につながるかとかあります。 それらを考え事業運営として意思決定を行う上で将来展望が必要になってきます。

実績データは過去のもの、過去の正確な分析は将来予測に繋がりますが、洞察された将来ビジョンがあって初めて過去データの分析も将来に対する意味を持ちます。 過去の分析はデータも多く、思い込みがなければ正確に分析できるでしょうが将来予測は変数が多すぎて大変難しいものです。

それは天気予報の解説のようで、予報士は今日大雨が降ったことの理由は自信をもって解説しますが明日の予報は少しあやふやに解説します。 一週間後、一月後に至ってはサイコロの目を予測するような感じです。

経営予測の変数は気圧や気温の変化ではなく為替や金利や貿易収支や技術革新などどれ一つとっても天気予報程度には予測が困難なものです。 それゆえ本質がぶれないことが求められます。

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[会社運営]

[習慣化]

思いは行動になる

以前にも書きましたが、タイトルの通り考えていることは言葉になり、無意識の行動になります。

私は若い時から気になることがあるとそのまま言葉にしてしまい、批判に取られたり嫌味と思われたりした時期がありました。 働く周囲の仲間に癖のある人間と思われることは程度の差はあれ誰でもあると思います。 つまりはその程度であると自己評価し、直そうと積極的には思いませんでした。

私が大変信頼し、私に好感をもっている複数の上司が遠回しにその癖について諫める助言をしてくれました。 なぜかその人たちは大変遠回しに言っていて、何が言いたいのかわからないことが多かったように思います。 年を経てもその癖は治らず、50歳代後半になって散々露骨に指摘を受けました。 その人は私の言葉に傷ついていたので厳しい非難を受けました。 非難の言葉は『考えているから言葉になる』というもので考えていることを言葉にすることを非難したのではなく、人を傷つけるようなことを考えること自体を非難していたのです。 そうは気付いたものの思ったことをそのまま言わないことよりはるかに難しい事で、倫理観を変えるようなものでした。

思うことは考えた結果良いと思われることが蓄積されてゆきます。 例えば会社経営をしていて、会社の維持発展に利益が必要であることは言うまでもありません。 経営者が「利益、利益…」と唱えればそのこと自体は正しくても儲けることが正しいが独り歩きし、現場でとんでもない事が起こるかも知れません。 例えば顧客を騙すような行為とかが行われ、売上・利益のかさ上げが計られます。 会社の維持・継続・発展に利益が必要なことは自明のことです。 もちろんそれすら理解しない職員もいますが。

次に何のために利益が必要か、経営者個人が裕福になるためと中小企業では思われがちです。 よく中小企業の社長が事件に巻き込まれ、TVのニュースで社長宅が映し出されます。 大変立派なお宅で、広い室内には豪華な調度が溢れています。 事業に成功した経営者が金銭的に豊かに暮らすことは何ら問題の無いこと、どこかの省庁が税金を使った事業で稼いだ利益で贅沢に暮らしていることを暴露する情報を流したようですが、この批判は全く的を得ておらずその省庁の品格を疑います。 そもそもその省庁が作った制度を守る中で工夫してお金を稼いだ訳ですから自己批判しているようなものです。

経営者が経営を維持・発展させるうえで考えていることはその方法で、一般に企業理念として公表しています。 それが浸透しないと嘆いている経営者がいます。 浸透させるには言い続けなければならないとコンサルタントが言います。 経営者が経営判断や自らの行動でその理念を体現すれば、つまりは経営者が理念を重い考え、ふさわしい行動をすれば伝説が生まれ、理念の言葉が浸透するかどうかは別にして思いは浸透していくものだと思います。

人は人のまねをし、うまくいけばみんなマネをするようになる傾向があります。

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[会社運営]

実体の無いものの説明

代表を退き、今の仕事は新代表の質問に応えることが重要事項です。 新代表は薬剤師業務を行ってきた人で、職人です。

最近銀行取引について質問を受けました。 『銀行とは何?』この手の質問は答えるのが難しいです。 お金を貸すのが仕事の企業、答えになっていません。

企業にとって銀行はお金を貸す会社、工場があって何かを作っているわけでもないので製品の特から企業の特徴を示す事が出来ません。 大銀行であっても小銀行であっても借りてから見れば借り入れ条件のみが問題となります。

借り手とすれば貸し手の行動パターンが判ればよいわけです。 信用重視で財務上の数値を経営者が把握していなければ信用しないとか、ゴルフのハンディキャップがシングルの経営者にはお金を貸さないとか、直前期の決算数値に着目するのではなく3期以上の推移を見極めるとか行動パターンが見えてきます。

要は実態が分かりにくいものをうまく表現したとしても実践で役に立たなければ意味はありません。 判断基準のパターンを読み込めばストレスなく取引が出来ます。 お金を貸すか貸さないか、相手が決める問題です。 御行の考え方はこうでしょうと詰め寄っても、当社は3期後大きな利益を稼ぐと言っても相手が評価しなければ融資につながりません。

同じく行政や政治も実態を理解する意味はあまりありません。 あるのはパターンです。 当社が関係する厚生労働省は数年前と言う事を平気で変えてきます。 当然で環境が変われば基準も変わります。 以前業界団体の役員をしていた時に業界にとって逆風の政策が出てほかの理事は憤っていました。 厚労省のホームページのパブリックコメントを書くところがありますが、各社このように書くようにと指示が出ます。 厚生労働省がパブリックコメントを参考に基準を変えるとは思えません。 百歩譲って厚労省に一矢報いたいと考えたとしても意味は小さいと思います。 行政を攻撃するのにわざわざ相手の土俵で文句を言う事は喧嘩の方法としては勝てる方法ではありません。

行動パターンが読みにくくてもそういうものと考えればよいのです。 ある大手仕入先はよく厚労省の管理職に面談し、情報収集に精を出し、我々に情報を小分けしてくれます。 たいていはどうでもよい情報、少し考えるとわかる情報、たまに情報と全く異なる結果が通達されたりします。 国家機関の管理職がそんなに甘いわけではないはずです。

会社経営をするうえで実態の把握しにくい対象が視野に入ってきます。 判断基準が解り易いもの、解りにくいものすべての組み合わせからリスクを最小とするパターンを考えておけばよいのです。 それが経営の仕事の太宗を占めます。

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[会社運営]

人を見る

大学生の時に高校の夜警のアルバイトをしたことがあります。 夕方高校に行き、2~3時間帝都の間隔で深夜も構内を巡回します。 真冬の深夜、冷え込む真っ暗な廊下を懐中電灯片手に大きな公社の隅から隅まで見て回るのはなかなか怖いものがあります。 そもそも見回るのは不審者がいないかのためで、深夜の学校に不審者が現れる可能性は大変低いものです。 それだけに現れれば大変ですが。

会社運営で経営者は報告書を読み、財務データを分析し、それだけで経営方針を決め、多くの経営判断を下す経営者がいます。 一方書類を読み込むのは当然として、現場を見て回り、情報を確認する経営者も多くおられます。

よくできているかどうか別に私も後者のタイプでした。 高校の夜警と違うのは誰もいないことを確認するのではなく、いるべき職員がいてきちっと働いているかを確認するのが目的です。

現場に行くと私語が途絶え、突然黙々と仕事をしだすところがあります。 別の職場では黙々と働いていて、私は挨拶はされるけれども存在を無視されます。 誰かを呼び止めて質問したり話しかけると誠実に答えてくれます。 座っている人に話しかけると直立不動で答える人がいます。 昭和初期のサラリーマンのイメージです。 ある職場は私語も仕事の遣り取りも飛び交い、私が行くと向こうから話しかけられ、フレンドリーで楽しげな職場に見えます。

どの雰囲気がよくてどの雰囲気が悪いのか一概に決まりません。 最初の職場の例である突然私語が止まる職場が一見悪いように見えますが、実はミスの少ない場合もあります。 相互監視が強く、ミスを許さない雰囲気があります。 しかし新人はなじむのに時間がかかり、ミスは厳しく叱責されます。

それぞれ長所・短所がありますが、仕事がミスを許されないものか、加点できれば失点が相殺される仕事かにもよりますし、職場の長の姿勢もあります。

見回る私の方にも流儀・作法があります。 判断を求められても決して判断しない、よほどのことがない限り注意したりしない、質問は的を得たものを熱心に行うなどです。 別にお菓子をもって行ったり、だれかれとなくほめたりする必要はありません。

存在するものには意味があり、雰囲気も存在するものの一つです。 結果の良しあしは別にして意味があり、自分の思いと異なっても安易に否定したりしてはいけないように思います。 どうしても問題を感じる雰囲気なら事業所の長にこっそり話をすることしかしてはいけません。 これも作法の一つです。 結局雰囲気などというものは当事者が変えようとしない限り変わる事は無く、当事者は上席の叱責で雰囲気を変えることはほとんどしません。 変えたいなら変えたい姿を経営者が常に体で表現するより効果的な方法はないように思います。

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[会社運営]

光る経営者

これから取引を開始するためどのような会社か先方の社長に会いに行きました。 事前にホームページを見て社長のお顔は拝見していたのですが、私にとっては少しとっつきの悪い感じでした。

これから安定して取引できるのか、問題のない会社なのかを確認する面談なので質問をしました。 最初に始めた事業はどのようなもので、現在に至る経緯、今の事業への繋がり、今の事業の収益性、ありとあらゆることを聞き、その社長は丁重に答えていただきました。

面白いエピソードを交え説明してください社長の話に引き込まれ、長時間お邪魔してしまいました。 失礼なこともお聞きしたのに嫌な顔もせず、笑顔で送り出してくださいました。

企業の代表とはこういう人、事業かというのもこういう人、私にとって社歴も年齢も近いのにまぶしく見える人でした。 普通は一代で大きな会社を作り上げた経営者は経営の本をたくさん読んでカタカナの専門用語が出てくるのですが、この社長はほとんどカタカナ用語を使わずこちらの質問に的確に例も交えて説明してくださいました。

この人は人として魅力があり、人のつながりでビジネスが広がっていったと想像しました。 ご本人は人に恵まれ、事業に成功したと何度もおっしゃっておられます。 確かに話は的を外さないし説明は解り易い、並外れた行動力もあります。 これらの強みや能力は失礼ながら自分を磨き、経験を積めば天才の才能ではありません。

初対面でこれだけ話が通じ、また会いたいと思わせ、一代で会社を作り上げてきた人です。 おそらくいろいろ苦労もし、努力もされたのでしょう。 会社の営業の会議で成績のパットしない営業マンがああだ、こうだと愚にもつかぬ報告を聞いているとこの人は一代で大きな会社を興すことはないだろうと確信してしまいました。

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[会社運営]

単価

当社では新規事業を開発しています。 今まで行ってきた事業は薬局、高齢者介護事業、少なくとも10年先までなくなることのない事業と思っています。 しかし医療・介護のビジネスは複雑な制度管理のもとに行われる事業で、支出を抑えるために制度はどんどん複雑になり、日本の生産性の低位はほぼ厚労省が原因かと思われるほどです。

そこまでして必要でありながら発展してほしくないと国が考えている事業を続けることの意味は相当低くなります。

そこで制度外事業を行うことで、行政の制約を受けない事業展開を考え、新規事業の開発に取り組んでいます。

すでに病没しましたが知人の一人が『商売するなら取扱商品の単価にこだわる』という事を言っていました。 本人は最後は生命保険の販売員を行っていて、商品単価は数千万円になります。 一商品の単価の低い商売は参入障壁は低く、利幅も低く、利益が残るイメージは低いです。

たこ焼き屋で財を成した財界人は知りません。 保険の販売で年収一億円という人に会ったことがありますが、商品単価は私の知人より一桁多いように聞いています。

起業家でTV出演を繰り返して有名になった人が書いた本の一説に『事業で成功するという事は盃でプールの水を汲みだすようなもの』というのがあり、ひかれて読んだことがあります。 誰でも参入しやすい事業で成功するにはそのような側面があるのかもしれません。

最近当社でも話題になった宅配弁当の事業は、データ上は弁当一個届けて20円程度の営業利益になります。 製造業なら製造ラインを増やしてどんどん製造し、20円/個の利益を伸ばす事が出来ます。 弁当も営業を行えば個数を増やすことは可能でしょうが、経営者が年収1千万円を期待したときに50万個の弁当(月間42000個)の弁当を販売しなくてはなりません。 1400個/日の販売量は大変な量です。

労働力のほどんどがアルバイトに頼る仕事で、求人難でアルバイトの賃金相場が少し上がれば赤字になりますし、アルバイトの時給が下がれば残る利益が顕著に増えます。 つまり薄利の上にリスクが大きいという事です。

中小企業が新規事業を立ち上げるならFCに加盟するのが手っ取り早いですが、出来れば数十年続けられるニッチの事業を立ち上げたいと思っています。

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[会社運営]

経営者の労働安全衛生

過重で不法な残業を強いられ、残業の問題が一気にクローズアップされました。 当社は数年前に営業職の残業について改革を行い、残業を削減しました。

最近ではホワイトカラーエグゼプションの法案策定で物議を醸しだしました。 成果報酬を多く出すから労働基準法の適応を大幅に緩めるというものです。

社会的に合理性があっても悪用する人もいればミスマッチも起こるでしょう。

ところが経営層、使用人兼務を除く取締役には労働基準法の規制はありません。 責任も重く、一部報酬の高い人もいるけれど自殺も多い経営者、特に中小零細企業の社長です。

多くのドラマ特に半世紀前の時代背景のドラマでは過酷な経営者が登場します。 被雇用者も過酷な環境で働いて、成功を収めたり倒産の悲惨さが描かれたりしています。 経済の発展につきもののこういった苦労話や成功談はドラマチックです。

私も経営者の重圧に耐えかね、代表を折りましたが失敗すれば空き缶拾いをしながら公園での寝泊まりは嫌だという思いで頑張ってきました。 年間360日働いたり、毎日12時間働いたりしました。 この時間だけであれば大した事は無いと思われるかもしれませんが、恐怖に駆られて働くにはつらく長い時間です。

わけのわからない労務管理をしているところが残業削減をして生産性が上がり、利益も増えた話はいくらでもあります。 しかしきちっとした管理をしていて残業を削減することで生産性が自動的に上がるとは思えません。 つまりは今までにない役割分担や分業、機械化などを通じて仕事の効率を上げる=労働強化することなしに生産性は上がりません。

そのような工夫はすべて経営者の責任において行われ、ますます経営者が知恵を絞るようになってきました。 ところが取引先を見ていると商圏が守られていたりしてそんなに改革改善に注力していません。 場合によっては残業はやめろと指示が出て、もっと売り上げを挙げろと指示が出ている会社もあります。 大企業で見られた現象ですが、意外に最後の環境整備はパワハラであったりします。

現実の厳しさを日々感じています。

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[会社運営]

ノルマ

ノルマは労働者に課せられた基準で未達の場合にペナルティとして賃金を減額することは労働基準法で罰則を設けられているそうです。

採用面接でノルマの制度についてよく尋ねられます。 営業職について多いのですが、当社の営業職についても経験上の販売目標値が設定されています。

面接でこの質問が出た時に『ノルマの定義は何ですか?』と質問を切り返します。 一人として明確に答える人はいません。 イメージとしてノルマ未達、同僚の面前で罵倒されるなどパワハラを受けるといったイメージをもたれているのでしょうか?

多くの営業会社で成果を上げた人が昇進をしたり、賞与が多かったり、恩典がついて回りますが成果を上げても上げなくても同じ評価という会社はまれだと思います。 先日営業職を退職した人とばったり出会い、『新しい仕事は順調ですか?』と聞きました。 年収は当社にいた頃より増えたそうですが、実績を上げても上げなくても評価が変わらないことに不満をもっているようでした。

何が公平か労働法も行き過ぎたやり方を禁止すべくルール化しますが、ルールの運用次第では逆不公平になりかねません。

あるメーカー営業が押し込み売りに来られました。 押し込み売りとは必要在庫量を超えて仕入れを依頼するもので、その月の販売目標を達成するための方策です。 今まで取引のあった大企業でも依頼がありました。 外資系の製薬メーカーでは予算を1円でも未達なら賞与は0になるという極端な話をされていました。

当社ではそのような方法をとりません。 販売は現在では科学的と言ってよいほど洗練されてきていて、未達罰則のある販売目標の設定など継続した売り上げにつながる施策とは考えられません。 応募者にそのような説明をすると安心されます。

その時私は『誰も未達を叱ってくれない、怒鳴ってもくれない、自分で考え、仲間に相談し、管理職に応援してもらいながら販売数値を目標に近づけてゆくことの大変さ』を想像していません。 訪問を繰り返し、日報にその日の行動を記載し、それらの作業をこなせば許されると考えているようです。

営業の仕事は作業の完成ではなく成果の多寡を問われる仕事です。 成果が出なければ苦しみ、独自の販売方法を見つけて高い成果を上げると評価される仕事です。 営業はマーケティングの世界、創造的で科学的なお仕事です。
そんな知的な仕事であることを理解してほしいです。

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