今日は日本で1番大きい医薬品卸会社の西日本で一番大きい物流倉庫の見学に行かせていただきました。
調剤用の医薬品は10万種と言われ、この物流基地では2万点が在庫されるそうです。
巨大地震が起こり、多くの人が罹災した時に不足するものは飲み水、食料、医薬品などです。
場所は八尾空港に隣接し、いざという時は医薬品が空輸されるそうです。 また建物は最新の免震構造、停電時の自家発電は1週間分の燃料が用意されているそうです。
この最新設備を誇る倉庫機能はすべてコンピュータ管理されており、コンピュータに電力が供給されなければ商品を取り出すことができません。
実際に災害が発生した場合、車で移動できない場所にスクーター部隊が配送するよう準備されています。 医薬品卸会社の社会的な使命を印象付けられました。
専用の機器は特別に開発され、配送車100台の配送ルート管理もセンターマシンで行われるという優れものです。 これで配送効率や出荷作業の効率が格段に進歩するそうです。
薬局や病院からの受注は殆んどがweb発注だそうですが、ピッキングのフロアーに流れ、無線lanでピッキング用の手押し車に配信されます。
受信された内容が分かるバーコードの付いたシールが印字され、配送用コンテナに貼り付けてピッキング開始です。
広大な倉庫で手押し車を押してピッキングし、バーコードを通してピッキングの確認をし、手押し車に乗せた複数のコンテナのランプが付いたコンテナに奥から入れていきます。
ピッキングが完了するとコンベアにコンテナを載せ、別管理の薬剤倉庫に廻ります。 向精神薬、麻薬、小分け品をそれぞれのコンテナに入れて写真撮影され、バインドされて配送車が積み込むところまで送られます。
配送車は指定ブースに向かい配送ルートに関係するコンテナを配送順に沿って積み込みます。 ここでもバーコートで積み込み確認を行います。
受注締め切りからピッキング作業は22時30分まで行われ、朝一番から配送車に積み込まれ、納品に向かいます。
ここではヒューマンエラーを排除する為に何度も検品がなされます。 いまや配送は複雑なシステムです。
毎月1回2万アイテムの実地棚卸を行い、床は粉塵がたたない特殊塗料が塗布され、毎日水拭きされますし、虫が入らないような装置が開口部に設置され、作業員は空港より厳しい金属探知機を通って作業室に出入りします。
また管理が厳重な倉庫は諮問認証で入退室を管理しています。
倉庫番がいてファックスの伝票で商品を探しに行くような倉庫とは違います。 医薬品卸の倉庫はおそらくもっとも進化した倉庫だと思います。
国は社会保障費を削減する為、医療介護費用削減を必死になって行っています。 例えばジェネリックの採用など焦りが見える施策が今回の薬事法改正で盛り込まれました。
それにあわせるかのように医薬品の卸は物流コスト削減を追及しています。 しかし明らかに過剰投資、昨年医薬品卸1位、2位の合併を公正取引委員会は認めませんでした。 彼らは法律の番人であるのでしょうが、合併が認められれば国レベルではコスト削減が図られます。
医薬品卸はどちらかというと物流行の性格が強く、大型物流業者が誕生して公正な取引が損なわれるというのなら他に公正な取引を損なっている業界は多いはずで、公正取引委員会自身が制度疲労を起しているのではと思います。
これもヒューマンエラーということでしょうか?
大きなコストダウンや改革は法律・制度の社会に照らし合わせた弾力運用で成り立つのでは、法律の厳格運用で厚労省の足を引っ張ってもどうなのかと思いました。