監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[会社運営]

権限委譲

当社は権限委譲をすすめています。 権限委譲はやってみてわかったのですが、大変危険を孕んでいます。 現場で何かを決めるとき、いちいち上席や管理職に決裁を仰がなくても良いし、決裁権限に関する詳細な規定も必要ないことになります。

上手くいく前提として、概ね何を目指すのか、明確なビジョンや方向性を顕すことが出来て、権限を委譲される側に良識を兼ね備え、勇気をもって権限行使できる人である場合になります。

上手くいかない場合は、上記の反対でビジョンが明確に表せず、権限委譲を受ける側に良識が欠如し、独断専行が重なる場合である。

もちろん権限委譲しなければ経営トップは情報を必死でかき集める中で、煩雑な判断や意思決定を数限りなく行うことになり、その中に判断ミスが多くなってきます。 いくら良識のある経営トップでも判断根拠となる判断の周辺情報が泣ければミスの確率は多くなります。

権限委譲し、権限を委譲された者が判断ミスを犯した場合、その修正は困難を極めます。 まずミスを犯した者の管理職に判断ミスを指摘せねばなりません。 自分のすぐしたの管理職、つまり直接指示しているものであれば話はまだ早いのですが、私とのあいだに何層かの管理職がある場合、一番私に近い管理職から順に修正が下ってゆきます。

そして修正の仕方はなぜそれがミスと言うのかビジョンとの突合せから説明しなければなりません。 そもそもいかなる判断にも耐えうるビジョンなどなかなか提示できるものではありません。

例えば勤務時間中に体制批判が行われ、周囲の職員を不安に陥れているにもかかわらず、事故正当性の主張のために会社が悪いと吼えまくるような場合です。 会社の幹部の判断が総て正しいとはいえませんが、その幹部に言うのではなく自分の周囲の職員に喚き散らし、職場の雰囲気を悪化させるような場合です。

これはもう何ら生産的ではなく、自己弁護以外何物でもありません。 平気でそのような事を行う職員に上から順次ビジョンや考え方に沿った指摘をしたとして、わがまま以外に確固たる価値観や働く上での誇りなどに縁の無い人ですから考えを改めることは不可能です。
その人が50歳ぐらいであれば、たとえて言えば猫にお手を教えるようなものです。 日本では働く人が強く守られ、その反動でのさばるわがままにパワハラなどの陰湿な反撃が行われていますが、悪いことは悪い、あなたが悪いとはっきり言える環境が出来るまで日本の平均的倫理観を上げるのはほんとに猫にお手を教えるようなものかもしれません。

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[事件]

喫煙

マンションのベランダで喫煙を繰り返していた男性の上階に住む女性が喫煙の煙が原因で体調を崩したと訴えを起こし、損害賠償150万円に対して5万円の損害賠償の判決が出たそうです。

ヨーロッパの国でベランダ喫煙を禁止する法律が制定されたそうですが、いよいよ日本も嫌煙権が喫煙権を完全制覇する時期が来たのかと思います。

たまたま健康診断で高脂血しょうの結果が2年続けて出たために再検査をしてもらったところ、その医師は何を考えたのか肺の検査をし、『タバコ肺』ですと変な病名を告知しました。

私は欠陥が心配で動脈硬化の検査をしてほしかったのですが、その通告に対して「治療できますか?」、「できません、悪化をとめることが出来ます」とのことでした。 そのあと禁煙して1ヶ月強がすぎました。 偶発的に禁煙が成功しました。(今のところ)

しかし前出の新聞記事から良いタイミングで禁煙できたと思いました。 後日、動脈硬化の音波検査をして血管の異常が発見され、「怒ってはいけません、いらいらしてはいけません、食べ過ぎてはいけません、過激な運動はいけません」といけませんだらけで、いらいらしました。
落ち着こうとポケットまさぐり、タバコを探しましたがありません。 禁煙していたのです。 「いらいらするなと言うならタバコぐらいはいいのでは」、「だめとはいってません、タバコ肺とはいえまだ正常の範囲ですから」医者は知識と権威を持ち、他人の健康を担保にとっていますから被疑者(検査結果が芳しくない人)は逆らうことが出来ません。 このような告知をするときの医者の意地悪でずるそうで血も涙も無い表情に被疑者である私はうろたえ、萎縮し、声もまともに出なくなります。

たぶん医者はその日の夕食のときに思い出し、「今日は一人の命を救った、ふっ、ふっ、ふっ」と笑うのでしょうね。 性格が悪いから笑えるのでしょう。 被疑者は悔しくても手も足も出ません。

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[社会]

日本の経済

衆議院選挙後、選挙結果の解説が一段落し、次の閣僚のいやらしい笑顔を見飽きた頃、経済の見通しに就いて解説が出てきました。

多くの解説が説得力の無いものの中で日本経済新聞の『電子版この一本』と言う見出しで藤巻健史氏の『マネーブログ カリスマの直言』に私の考えと同じ考えが記載されていました。

要約すれば安倍晋三首相の「アベノミクス」は時すでに遅く、社会のリセットは近いとの主張、ここまで累積赤字がたまった時点での大型財政出動は「問答無用の愚策」と切り捨てています。

市場がインフレを予期し始めると円は下落する、円は売られ進発国債購入資金はもう市中に無い、日銀が国債を引き受ければ貨幣価値は急落しハイパーインフレになると断言されています。

数十年ぶりの貿易赤字が対ドルで円安を引きおこし、政権交代が円安の原因になっていないのに、もっと言えば円安になっているのにさらに円の価値を下げる大型財政出動を行って国債を増発することの意味がまったく見えないというものです。
噂される10兆円規模の財政出動は国債発行算を積み増ししても減額の目処が見えないばかりでなく、デフォルトの危険も孕んでいるように思います。

今は生活保護の制度を改定したり、老人医療費の負担割合を増加させたり、地味な政策の積み重ねで経済の微妙なコントロールを行わないと暴走しかねない状況になっていると思われます。

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[経営]

怒れる人

新規事業を起こして成功している人、改革を進める政治家、社内で改革しようとするサラリーマン、家庭内で何か改善を図ろうとしている家族など何か新しいことを始めようとしたり、今までのやり方を変えようとしたりする人はどこか怒っているように見えます。

改革や改善で関係する人にとってよいように変わるのであれば、みんなに尊敬されて『良い事をするんだ』という晴れやかな気持ちになるのではと思うのですが、実際は関係する皆にとって都合の良い事であっても人は保守的で、わざわざ便利なように変化するより従来通りを好む場合が多いように思います。 もちろんささやかな改善のために多大な労力がかかり、改善しないほうが好ましい場合も多くあります。

そもそも改革・改善、カタカナでイノベーションは10個行って成功率2~3割であれば尊敬されるイノベーターだと思います。 ここで成功とは誰もが結果に対して〇を出すような成功と定義します。 例えば文房具を近所の分房句点に買いに行っていたのをアスクルで発注し、購買・文房具在庫管理労力と文房具コストを30%カットしたとすればほとんどの人が成功と評価するでしょう。

しかし文房具屋の店員と文房具を管理する事務職のOLが仲が良くて猛烈な反対が起こるような場合は例外とします。

事例は単純な話で、取締役が器用なので多くの実務を手がける場合、本来取締役として期待している事が出来ていなければ本末転倒になります。 「取締役としての職務を期待してますよ」と言っても具体性がありません。 そこで使用人兼務役員であっても実務を行うことはだめですと禁止令を出したとします。 そもそも実務が発生するなら配下の職員にやらせるべきで『自分のほうか早く、正確に出来る』と反論があっても『それはあなたに指導力が無いことの証明です』と詰めて、取締役に実務をさせなくして実務が滞った場合、改革は結果から見て失敗ということになります。

組織で行う改革・改善の類は改革・改善そのものが効果的でない場合もあるが、効果的なものにもかかわらず賛同が得られないことから頓挫する場合もあります。

そこで賛同が得られない場合に改革を進めるためには随分苦労します。 国家官僚であればありとあらゆる高度な技が乱れ飛ぶことだと想像します。 それは刑事ドラマなどで面白おかしく表現されていますが、しっさいの国家官僚はそのようなドラマを見ていやらしい技を考えているのかもしれません。

私もいろいろいゃらしい技を考えます。 あんまり凝った事を仕掛けて仕掛けた自分が仕掛けた事を忘れてしまうことがあります。
随分前の話ですが、ある営業マンは成績が上がらず、営業に同行して一押しが足らない事に気付きました。 そこでその営業マンと仲がよくて口の軽い他の営業マンに「絶対に本人に言うなよ、あいつの成績では退職勧告をせざるを得ない」といったら瞬間に成績の悪い営業マンに伝わり、死に物狂いになって仕事をし、成績を随分上げました。

このパワハラまがいの方法は効果的ですが、最近は使うことがありません。 個々人の営業マンの指導や活を入れる仕事を私がやれば課長・店長・部門長は役立たずと言うことになります。 そのような指導は実は私は得意なのですが、そもそも何とかしなければならない営業マンを放置している段階であの課長は・・・、あの店長は・・・・、部門長は気付いていないのか・・・と言うことになってしまいます。

本題に戻って、今の事例で私が得意なのはその人が健全な業績をあげさせることが自分に出来る、それを下回る成績は本来の成績との差としていくら位になる事を知っている、そして私はそのことで怒っている、つまり近道を知っているものは遠回りに腹を立てるものである。

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[経済]

政治に期待するもの

衆議員選挙が自民党圧勝で終わり、自民党政権に経済立て直しを期待すする論調の記事が目白押しです。 原発反対をメインテーマにした正統派惨めな惨敗で、選挙前に原発問題がクローズアップされた割にそれより『これからの稼ぎ』とばかり、経済政策がテーマとして注目されました。

自民党新政権は補正予算を組んで10兆円規模の公共投資を行おうとしています。 私は政治に期待するのは経済問題など民力の問題を政治で解決しようとしないでほしいと言うことです。
そんなことにお金を使っていたらいくらお金があってもたらなくなり、それが現在の国債の発行残です。 かつての過ち、政治家の幻想を再び取り戻すのが新政権なら近い将来日本経済はさらに大きなつけを払うことになると思います。

日本の株価が上昇したのは為替が円安にぶれて輸出企業の利益が見込めるようになったから、為替の円安傾向は今年の貿易赤字が限界に来たから、貿易赤字は中国の尖閣列島問題が引き起こしたことで、尖閣列島の問題から日中貿易が冷え込み、結果的に貿易赤字になったからで、自民党が圧勝したわけではないのに安倍総裁の自信に満ちた態度に大きな不安が募ります。

海外の経済研究所は日本の景況感を曇りから雨に変えてきています。 そして街中インタビューにこたえたサラリーマンの多くはまた高額のボーナスを貰っている人たちでしょう。

政治は民力の発露を制約しないよう黒子に徹するべきで、日銀に圧力をかけたり、税金のばら撒きに夜所得再配分や公共事業で需要を掘り起こす手法や期待はまったく余計なことで、そんなことを考えている暇があれば国家の節約を検討すべきと考えます。

何はともあれ、私の考えに反する人が政治の実権を握り、それを選択したのは日本の国民ですからつけは自分で払うことになるでしょう。

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[他業界]

賞与

冬の賞与の金額が出揃いました。 日本経済新聞社が561社から聞き取り、取りまとめた平均は724,894円です。 いつも新聞に発表されますが、調査対象となるのはほとんどが大企業で、知友使用零細は含まれていないということをよく聞きます。 もしほんとに前給与所得者の平均を聞けばかなり低い金額になると思います。

ここには公務員の賞与は発表されていません。 巷を歩いているとヨーロッパ車が結構走っています。 アウトレットモールでで気に入ったコートの値段を聞いて唖然としました。 カシミアのコートは半値になって30万円でした。 もちろん買いません。

ヨーロッパ車は買った人がいるから町で走っているし、コートも売れると思うから製品化される、つまり買える人がいて、変えない多くの人がいるということでしょう。
70万円くらいの賞与を貰う人が買えるかどうか微妙なところだと思います。 何か好きなものがあって、それを購入することを人生の目標にする人がいます。 私はあまりそのような目標を持ちません。 趣味のオートバイでも故障が少なく、燃費の車種を選びますが、燃費が良いのは走りが今一で人気がありません。 たぶん私のような価値観の人ばかりなら世の中は機能一点張りの商品で溢れ、面白くないかもしれません。

一見無駄に見えるものが世の中を豊かに見せるものです。 オートバイではハーレィなど乗る人は乗っているあいだは至福のひと時をすごしているでしょう。 そういう無駄をあまり持たない私はつまらない価値観の持ち主かもしれません。

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[社会]

為替

円・ドルレートが83円後半まで来ています。 随分円が安くなり、輸出型企業は輸出ドライブがかかってほっと一息と言うところでしょうか。 新聞の解説には自民党の安倍総裁が日銀法改正をかかげ、インフレにもっていくことを公約に掲げています。

私は為替のことは素人ですが、為替は国間の通過のレートで、ある国の中央銀行の制約が変わったたことによりその国を中心として為替が劇的に上がったり下がったり、一方的に出来るなんてことは想像できません。
もし日銀が市中に円をばら撒き、結果対ドルで円安に持ち込めるならそれは国際間の掟破り以外に方法はありません。 そして陰に陽にそれを行い、からくりがばれた段階で円は海外通過の交換が不可能になるでしょう。交換レートに信頼感が無くなれば交換そのものが成立しなくなってしまうと思います。

今回の円安の背景に日中間の領土問題から貿易額の縮小と、日本から見れば貿易赤字、新聞によれば11月単月で1兆円の赤字とのことで、それが円安の一番の原因のように思います。 1兆円/月の貿易赤字は半端ではありません。

安倍総裁の為替に対する秘策があるならそれも寄与しているのが事実ですが、欧米も東アジアも自国通貨の為替レートを低めに設定して輸出拡大したいところですので、自国通貨が高くて喜んでいる国は天然資源の輸出が大きい国ぐらいでしょう。

インフレが進行すれば天然資源は高くなり、例えば発電コストも高くなって輸出産業は衰退するでしょう。 インフレにぶれることで不況から脱出という構図はどうも根本的な解決から遠く、国際間の信用を損なうリスクを含んでいるように思います。

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[生活]

自転車事故

自転車に乗って板61歳の男性が後続のバイクと接触し、バイクの運転手は転倒して骨折、それを放置して立ち去ったため150日間の免停処分にしたとのことです。

このような事件は詳細がわからないので評価しにくいところがあります。 後続のバイクが自転車に追突し、その理由も前方不注視で暴言を吐こうものなら追突された自転車のほうも助けてやろうと言う気がしないかもしれません。

たまたま知人の交通事故に関わり、警察に事情を聞かれたときに「これこれこうということで急いでいて事故を起こしたと推察できる」と勝手に証言を捏造され、そんな推察はしていないと反論すると、「そういう推察も成り立つでしょう」と言葉巧みに同意を求められたことがあります。 そう推察したところで本人に不利益があるとも思えず、警察官はとにかく早く処理をしてしまいたいと言う意図がみえ見えで、「じゃ、そういうことで・・・」という釈然としない同意をしたのを思い出しました。

表題の件も私の体験も事実は事故が起こり、誰かが怪我をしたこと、それに対して適切な対応をしない場合に罰則があること、罰則を適応するのに裁判所が簡易であれ決定をしなければいけないので文書作成が必要になることです。

表題の事故は自転車で起こした事故が元で運転免許停止の処分を受けた珍しさから新聞の記事になったわけですが、これだけ自転車の交通事故が増加すると自転車走行に関するルールが増えて、自転車ライダーとしては自転車に乗りにくい世の中になったと嘆くことになります。

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[会社運営]

カタログ通販

カタログ通販のニッセンは紙のカタログをスーパーマーケットなどに無料で置き、衣類を販売してきて、高い業績を上げていました。 一度京都のニッセンを訪問し、営業担当者とお話させていただいたことがあります。

カタログ通販のリスクとして話題になったのは女性式服が入学式や卒業式のシーズンに試着され、返品になる話題でした。 購入を申し出た人が子供の入学式に来て行き、返品することでレンタル間隔でカタログ通販を利用すると言うものです。

ネット通販に対して先発のメリットや特長を生かして増収増益、長期安定成長をしてきた企業です。 いろいろ質問を続けていると「とりあえず一度何か買ってみては?」と言うので買ってみました。 個人的には二度と買おうと思いませんでした。

そのニッセンが2億9千万円の赤字、前期は23億円の黒字、原因は秋物の不振とスマートフォン対応など投資負担増だそうです。 売上は対前期26%増の1769億円、営業利益は従来予想を19億円下回り、前期比80%減の5億4000万円だそうです。

紙のカタログは発行にコストがかかり、営業利益を上回る金額だと想像します。 ニッセンの資産は膨大な顧客リスト、それは住所・性別・年齢といったものでメールアドレスではありません。 この顧客リストからネット通販への転換はかなり難しいでしょうし、もともとネット通販を好まないか環境として出来ない人が紙のカタログ通販を利用するわけですから、新たな付加価値をつけないと生き残れないことになります。

一つ不思議なのは増収でありながら減益、カタログの価格に一般顧客から値切ることは無いでしょうから、営業利益が減少したのは仕入れが不利になったか、送料などコストが増加したかです。 たぶん前者だと思いますが、先日もテレビショッピングの日本通販が倒産、基本的にネット通販よりハンディを負うカタログ通販がどこまで生き残れるのか、どんな道を模索するのか、それともネット環境を持たない人の間で発展するのか大変興味深いです。

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[社会]

税金

全国の競馬の馬券を3年間でネットで28億7千万円購入し、30億円の配当を得て1億4千万円儲けた男が、5億7千万円脱税した罪で在宅起訴されました。

配当を得た馬券購入費は経費参入され、はずれ馬券購入費は経費参入されなかったため、儲け1億4千万円に対して5億7千万円の税額となったそうです。

税務署は法律に基づいて税額を確定しているので、この税額がおかしいとなれば元のルールがおかしいことになります。
株式売買や為替取引での損失は経費に認定されると聞いていましたが、その意味では解せない感じはあります。

この人は市販の予想ソフトに独自の計算式を入力して当たり馬券を予測したそうですが、競馬で配当が馬券購入費を上回り、つまり競馬で買ったと言うことは驚愕に値します。

そこまで研究熱心なら株や為替でも稼ぐことが出来そうな気がします。

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