監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[会社運営]

経営者の役割

私のブログは当社の応募者の方に『経営者はどのような人か』を分かってもらうために始めました。 今までに658の記事を書き、21,013人が訪問していただきました。 コメントをいただいた方には返信をしておりません。

本ブログは人のネットワークを作るためのものではなかったので、返信しませんでしたがいろいろなご意見をいただきました。

訪問者の方は取引先の方がお多いようで、一度は仕入れ先の営業担当の方のことを書いた途端「あの記事は私のことですか?」と電話してこられました。

今でも当社の応募者方のために記事を書き続けています。 そもそも就職先を探すときにどんな会社か気になるものと思います。 採用面接で一番多い質問は『会社の風土、人間関係』でしょうか。 財務内容や経営の安定性を聞いてこられることはありません。 しかし「人間関係は良いですか、風通しはどうですか?」と聞かれて「いや、すこぶる悪いですよ」と答えるはずがありません。 皆さんが気にする『組織内の風通しの良さ』は経験上経営者の気質にるところが多いと思います。

取引先の企業を観察していて、風通しの良いところの経営者はこなれた人だと思います。 ただし大企業はすでに企業風土が出来上がっていて、平均就任期間が6年程度のトップの気質により企業風土が大きく変わるとは思えません。 それで大きく変わるようであればそのトップがよほどのカリスマ経営者か、その企業自身が経営的に行き詰っていたかだと思います。

私が話題にするのはあくまで中小企業、経営セミナーや懇親会などで会う中小企業の経営者は意外に優れた人格者の人が多いように思います。

意外にというのは中小企業に勤める友人・知人から自らの経営者の悪行を聞くことが多いからで、立場の違いから経営者の本質がよく見えないから誤解もあるのかもしれませんが、長期に経営されている社長と面談するとなるほど目からうろこの話を聞かせていただきます。

餃子の王将の大東社長は不幸な死を遂げられましたが、毎朝早朝に出勤し掃除をする姿には感動します。 もっとも王将は当社と比べるべくもない大企業ですが。 しかし雑誌の見出しには大東社長や王将の企業風土に批判的な見出しがあり、同じ経営者として残念に思います。

先日の日経新聞にリーダーの資質の開花について経験が7割という記事があり、このブログでも取り上げました。 当社の企業風土を一言で言うなら『人を育てる風土』でしょうか。 なぜなら地味に成長拡大している当社にとって一番不足している経営要素はリーダーだからです。 リーダーを育てない限り企業は規模拡大できません。 リーダーの資質を単にスキルととらまえればセミナーなどにより養成できるのですが、スキルも必要ですが人格が一番大きな要素と思います。 人格的に優れた店長は良い成績を残します。

しかし人格というのは曲者で、人格がすぐれていても表現力に問題があってせっかくの人格が生きなかったりします。 このパーフォーマンスは結局本人が悩み、苦しみ見出すもので、教えて身につくものではありません。

また人格は本人を取り巻く環境変化から簡単に崩れ去ります。 定年が迫って口腹になったりとかです。 経営者の一番の苦労は人格崩壊した管理職をいかに処遇するか、に尽きます。 過去に面談した多くの経営者の答えは『処断する』でした。

読者の皆さんは来年も引き続き本ブログを読んでいただきますようお願いいたします。 そして読者の皆さんが来年もご多幸であられますよう祈念申し上げます。

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[社員教育]

人が考えを変えるとき

新聞のコラムに『組織開発の最前線』というのがあり、「スケールの大きなリーダーが研修だけで育つことはない。 ・・・・リーダーを育む要素は、経験が7割、薫陶が2割で、研修は1割にすぎない。」というのがありました。 「7・2・1の経験則」として知られているらしいですが私は知らなかったので驚きです。

研修は画一的で、薫陶や経験は個別的でありますが、研修と言っても知識の習得を目的としたものや駅前で大声を張り上げる怪しげなものまであり、経験則の割合は前提としての『リーダーの育成』に限定して考えるべきでしょう。

薫陶の意味が曖昧だったので辞書で調べると「火で物をたき、土をこねて陶器を作るように、人を感化教育し、品性を作る」とあります。 要は人間関係においてアドバイスを受けるということでしょうか。

私自身の体験から言えば若いときに言われた言葉で自分が影響を受けたもので今すぐに思い出すのは次のものです。
①反省するより悔い改めよ
②男を磨け(多くの人と付き合う)
③ふりをしろ

①は東北をドライブしていたときキリスト教の布教のためのプレートに書いていたもので、言葉の意味することを正確に理解できないのに心に響きました。 このような瞬間に入信するのでしょうね。 私の解釈は反省は何か不都合があってそれを顧みること、悔い改めるは考えを変えることと文字通り理解しています。 反省を積み重ねても考えを変えなければ同じ不都合が起こってしまうという解釈です。

小さな問題では考えを変えることができるでしょう。 たとえは悪いですが年長者に敬語を使えない若者に接するとその若者の全人格を否定することがあります。 私は60歳ですからそのような若者と接するときに、例えば採用面接などで質問は少なくとも丁寧語で行います。 ちょっと意地悪をして教養がないと答えられないような質問を続けるとその若者は私に対して恐怖を抱き、なれない丁寧な言葉で答え始めます。

その若者が質問に必死に答え、素晴らしい答えを返してもらったとき、若者の言葉遣いだけで人を判断してはいけないと実感します。 もちろんそうならない時のほうが多いですが。

悔い改めるとまではゆかないまでも先入観を除くだけでも大変で、前述の「人が育つうえで経験が7割」はその通りかもしれません。

②男を磨けは青春時代に喧嘩に明け暮れた人の言葉で、不思議に人の縁で大会社の社長と面識があったりした人ですが、卓越した人と全く卓越していない人の落差に触れ、人格や品格を学べと教えたのだと思っています。 仕事がら人には多く面談しますし、稀に人格者と思われる人に出会うことがあります。 そういう人格に触れたところで直接自分を(男を)磨けるものでは残念ながらありませんでした。

③ふりをしろはクラシックバレエの先生の言葉で、バレエの練習はふりを付けること、先生の真似をすることです。 サラリーマンになった時、自分がサラリーマンに向いていないと悩み、相談した時の言葉です。 サラリーマンという職種?で成功するには成功しているサラリーマンの真似をすればよいのでしょうか。 大学時代に教えを受けた教授も「ゴマをすって出世できるならゴマをすれ」とアドバイスを受け、そんなものなのかと思いました。

この三つの言葉だけで人生を乗り切ってきたわけではないですが、これらと経験とセミナーは自分のリーダーシップに少なからず影響を与えています。 しかし影響という意味では北方謙三氏の小説が好きで、多作の作家ですがほとんどの作品を三回程度読んでいます。 北方謙三氏の作品の主人公は男性で、危機を勇気と知恵で切り抜けていく強さにあこがれ、影響を受けたと思っています。

日常生活で命のやり取りをしなければならないことは皆無と言ってもよいでしょうが、現状の保身という意味では何度も危機が訪れます。 会社の経営に携わって15年になりますが、大きな危機は二度経験しており、その都度基本に戻りあるべき姿をイメージして復元を図りました。 その対処で悔い改めるとか男を磨くとか反省するとかは役に立たなかったわけです。

結局窮地からの脱出は基本を見失わないことと勇気を持つことでしょうか。 それがリーダーシップの重要な部分で、危機に際してふりでしのげなかったように思います。

最初の話に戻って経験がリーダーシップを育んだ例で会社の幹部の一人が毎年のように転勤させて、その都度人格的にも成長したことに驚きました。 調子に乗ってほかの人も転勤させてみましたが、転勤を小さな危機とすれば転勤で成長できる人は転勤に際して考え、内省し、向上心をもった人に限られたように思います。

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[社会]

国民の義務

診療報酬はプラスの改定をしないと安倍首相が公言したにもかかわらず0.1%の上乗せが認められたそうです。 政治の世界は不思議なもので、あれだけ高収入を得ている医者にさらに所得を増額させるのは官制インフレのためか、それとも賃金相場を上げるたための政策かと首をかしげたくなります。

増額概算は420億円、国家予算にすればわずかな比率でしょうが決して小さな金額ではなく、医師会へのリップサービスとしては大きな支払いと思います。

新聞によれば財務省官僚が『ごね得』と言ったらしいですが、軽自動車の増税はすんなり認められました。 我々一般国民としては医者に掛からないよう健康に留意し、過食を避け、歯を磨き、外出から帰宅すればうがいをする、深酒をしない、軽い運動とお金、お金と言っている医師会にお金が回らないようにするのが正しい義務でしょう。

ついでに言うなら私のように60歳を過ぎたものは介護を必要としないように健康維持に注力したいものです。 私はこの2年間、中性脂肪値が異常に上昇し、3ヶ月に一度内科医に受診していますが、体重を7㎏落とし、血液検査値ははすべて正常の範囲になりました。

健康まで他力本願になるとややこしい人たちが活躍するのは困ったことで、自己責任範囲を生活の中で考え直さなければならない時期に来ていると思います。

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[未分類]

疑惑

食材偽装に始まり、クール宅急便の温度管理、JR北海道のレール幅改ざん、猪瀬知事の答弁など、最近疑惑問題が多く見受けられます。 食材のようになかなかはっきりしないこともあり、一概に善悪で切り捨てられないこともありますが、商品の差別化などを考えれば『言ったことはちゃんとやれ』ということでしょうか。

当社は介護医療で事業を営むわけですが、制度ビジネスはルールが細かグレーーゾーンは少ないように見えますが不正請求はたくさん話に聞きます。

介護は特に多いようですが、エビデンスは多く求めるもののチェックができていないということでしょうか。 普通に事業を営んでいて制度ビジネスの場合、業績上位30%程度は利益が出ているのかと想像します。 ファミリー企業が多い中で業績下位事業所は経営層の報酬を削るしか方法はありません。(合法的には)

当社もコンプライアンスには注力していますが、細部のチェックは行き届いていないかもしれません。 内部告発などでその部分が露見し、説明を求められたとき『よその事業者よりずっとましなのにこんな細かいことでとやかく言うのか』ということが頭をよぎります。 しかしルールはルール、そのような論理は通るはずもなく、ほかの面で精緻にルールを守っていても相殺されるわけではありません。
肝に銘じて誠実にルールを守るよう徹底を図るべきでしょう。

ルール外ではどうかというと、誠意の問題になってきます。 ある銀行の融資を決定し、借り換えなのでもともと借りていた金融機関に途中返済を通知してから「本部の指示により口頭約束の金利をあげる」と一方的に通知を受けました。 このような対応が金融機関に関する特別法で違法かどうかわかりません。 しかし民法で言う不法行為などにあたるのではないかと思います。 ただ口頭はエビデンスがないので証明できません。

私としては大変気分の悪い問題、『二度と取引したくない、できればつぶれてしまえ』と思いました。 その怒りを支店長にも伝えましたが、本部意向を盾に翻意はありませんでした。 上げた金利はビジネス上わずかです。 昔と違って企業が銀行に這いつくばって融資をお願いする時代はとうに過ぎているわけです。 その中で起こった事件、商売には『損して得取れ』という言葉がありますが、この融資に関しては損してもその銀行との取引をやめたいと思っています。

このように何か疑惑が取りざたされる場合はそれなりの不遜な行動が集積していたと思いますし、恩義は時間とともに薄れても怒りは時間とともに憎しみに変わるものと実感しました。

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[社会]

診療報酬改定

昨日の夕刊に診療報酬改定の記事が出ていました。 結論から言うと微減、当然と言えば当然なのですが、内容は薬価引き下げによる減額分のみ下げるというもので、診療報酬の本体は変更がないそうです。

薬価を切り下げるとどうなるか、医薬品メーカーが医薬品卸に販売する単価が下がります。 薬価というのは処方箋指示薬の公定価格、厚生労働省は薬の単価を公定することで医薬品メーカー、医薬品卸、そして我々処方箋調剤薬局の利益をコントロールしようとするもの、診療報酬も同様に公定されており、医療機関の利益をコントロールしようとするものです。

利益が政治的に決まるものですから医師会等政治団体が力をもち、医師は高い報酬を得ることになります。 調剤薬局は政治力が全くと言ってよいほどない業界団体で、厚生労働省の官僚の意のままにコントロールされます。

薬価改定の負担は川下から調剤薬局、医薬品卸、医薬品メーカーが応分の負担をするわけですが、医薬品卸は最近まで一番割を食っていたのではないかと思います。

薬局は少しでも薬価マージン差を得るために卸に割引を求め、割引の良い卸に鞍替えします。 卸は利益率が低下しますから合併を繰り返します。 ある卸は1.5兆円の売り上げに対して十億円台の最終利益、一般上場企業では考えられない水準です。

次に調剤薬局、55千店と言われる数はコンビニの店数より多いと比較される中で、そろそろ閉局するところが出てくると思います。 医薬品メーカーは日本の企業の中では高い利益率を達成していますが、国際的にみると下位の企業で、海外医薬品メーカーが日本市場でも稼いでいます。

調剤薬局を経営していて医療分野にももう少し市場原理を導入し、国のコントロールを弱めればと思います。 かつての鉄道、タバコなど公社事業や銀行のコントロールは一定の役割をはたして民営化になっていってます。 その時、電力事業のように市場コントロールへの時期を失すると何か問題が起こった時の復元力に問題が出てくるように思います。

厚生労働省の官僚はいつも優秀だと思いますが、国民に対して誠実なのか施策を見ていて疑問を持つ局面があります。 そんなに優秀なら市場原理を組み込めば医療・介護の問題も政治の問題・役人の問題と思われなくて済むでしょう。 どうしたって問題のある分野ですから。

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[未分類]

就活訓練

新卒就職活動のためのセミナーが盛んなようです。 挨拶の仕方、ES(エントリーシート)の書き方、その他もろもろの内容になっているそうです。

当社でも応募される方は十分に訓練を積んできたと思われる所作が垣間見られます。 たとえは面接終了後挨拶をされるのですが、椅子から立ち上がった時にお礼、部屋から出ていくときにお礼、玄関から出ていくときにお礼を申し述べる人がいます。 くどいの一言、型にはまった行動が嫌味なぐらい透けて見えます。

当社の採用は面接の問答のみ、学歴・経験不問です。 それはエントリーの時にも説明していますので、当然聞かれるであろう質問に対して考えておくほうが良いと思うのですが、当社のような採用方法をとる企業は少ないので準備するところまで気が回らないのでしょうか、それとも型にはまった答えを用意しているのでそれを言ってしまうのでしょうか?

質疑はコミュニケーション、質問に対して正確に答える必要があります。 将来の夢を聞いているのに自分の経験を滔滔と述べる人がいます。 その経験を踏まえて「自分の夢はこうだ」と結論が来るのかと思えば夢と思えるものは語られません。 夢を持たないのなら「持っていない」でよいわけで、その理由を問われれば答えればよい、一次面接は私が行うわけです。 60歳の経営者が直接質疑をするわけですからごまかしは利かないと思っていただきたいと心得てほしいところです。

なぜなら60年も生きてきて、経営者の仕事も日々行っていて、質疑に熟練していると考えるのが当然でしょう。 少なからず知識もあり、頭の中で考える力がなければ仕事はできない、直感が働かなければ仕事の成果は生めない、人を見る目がなければビジネスの交渉ができないのは当たり前と考えるべきです。

何も自慢ではありませんが、私の場合屁理屈も得意で弁護士などの専門職にも知識で負けても理屈で負けない自信があります。 その自信が過剰であり、面接で失敗することがあります。 自分で自分の理屈にとらわれることで、最近は複数で面接し後で面接の評価を聞くようにしています。

当社は従業員100人ほどの中小企業、求人の条件も普通なら福利厚生は充実していません。 しかし成果を上げた人には高い年収が約束されていて、新聞に出る上場企業の平均年収を上回っている人もかなりの割合でいます。 もちろん彼らは高いモチベーションで厳しい業務をこなしながらはっきりとした結果を残しています。
そのような社内の優等生の面接を思い出した時、ろくな質疑を展開できなかったり、常識的な知識に欠けていたりしました。

それら優等生への成長に面接時に確信を持ったわけではありませんが、それらの人の10年前に面接した印象は鮮明に蘇ります。 答えに困ったときの表情や笑顔、声のトーン、当時理屈でないもので人を採用していたように思います。 そもそも採用面接の方法も知らなければ、経験もない中で「こいつはどんな奴だろう」という好奇心と見抜いてやろうという意欲だけで面接したわけですから。

今の面接でも時々応募者に得体のしれないものを感じるときがあります。 「こいつは何かもっている」と、しかし14年も面接を繰り返してきて確実に見抜けないのが正直な印象です。

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[社会]

国民医療を守る議員の会

タイトルの会は自民党の議員連盟で加盟議員が307名、党所属議員の4分の3にあたるそうです。

医者の族議員は自民党の伝統ですが、こんなに多くの議員が加盟しているとは知りませんでした。 自民党の体質なのか政治の体質なのか巨額の政治資金に議員が群れる構図は数十年変わらないのではないでしょうか?

いっそう名前も『やぶ医者の私腹を肥やす議員連盟』にしてはどうかと思います。 新聞の記事は、「出席者には豪華な弁当が配られ、参加者は数の力と資金力をみせつけられた」と皮肉っています。

選挙で大勝した政党が何でもありの政策を展開する構図は独裁政権の発展途上国と重なって見えます。 国債発行残やその他の国の借金が天文学的な数字になって、消費税増税の中その税金を医者が掠め取るのは国民感情としてどうかと思います。

当社の事務所を構える建屋に近所の若い生意気な歯医者が新車のBMWを乗り付けてきます。 そしておそらくその車の費用は経費で落ちるのでしょう。 政治は平等を目指す必要はないと思いますが、公平であるべきと思います。

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[役人]

薬のネット販売

OTCと呼ばれる一般医薬品、over the counter の略でもともと薬店などで市販薬を販売するとき、カウンター越しに薬を客に手渡すことからこのように呼ばれてきました。 昔の薬局や薬店では商品である医薬品は客が自由に手にするのではなく、「~に効く薬は?」という客の問いにカウンター越しにこの〇〇はどうですかと勧める提示するものでした。

現在のドラッグストアはスーパーマーケットの形式で、客が自由に医薬品を手にすることができるようになっています。

一般売薬は比較的長期に一般的に服用される副作用の小さい、もしくは効用が限定的で毒劇薬でない薬品が採用されています。 その後開発された医薬品でも長期に処方箋指示薬として使用されてきたものが一般販売を止められたものがあり、スイッチOTCと呼ばれています。

医療費削減の一環としてこれら医薬品はⅠ~Ⅲ類に分類され、登録販売者がⅡ、Ⅲ類の販売を認められ、Ⅰ類は薬剤師のみ販売できるようになりました。 これをネット販売業者が取り扱おうとしたとき厚生労働省が待ったをかけ、訴訟となり、ネット事業者の取り扱いを認める判決が出たにもかかわらず厚生労働省はスイッチOTCはスイッチしてから一定期間ネット販売を認めない指針を出し、楽天の三木谷社長が反対表明していることがニュースになっています。

自分の病気を自分で治す、セルフメディケーションは厚生労働省、もしくは政府が目指す医療・福祉費用の削減切り札に見えますが、当の厚生労働省が条件を付けて制限しようとしているのが不可解でした。

この件に関しては安倍首相自身がネット販売を認めるべきと公言していますからなおさら不可解であります。 OTC商品のネット販売の先にあるものは薬そのもののネット販売、診察を受けた患者に対する医薬品の処方を診察した医師がネットに流せばたとえばアマゾンが調剤し、翌日には自宅に配送される、アマゾンの流通センターに調剤薬局を併設し、その薬局に最新鋭の設備とオペレーションをする薬剤師がいれば調剤は機械がほとんどの作業を行う、つまりコンビニエンスストアより多い調剤薬局を一掃する改革と大幅な医療費の節減、誤薬の減少、ゼネリック使用率アップなど多くのメリットが見出せます。

調剤の主体は何もアマゾンに限らず医薬品卸が行えばできます。 たまたまお会いした大手医薬品卸の執行役員の方は「やろうと思えばいつでもできますよ」とこともなげに話してくれました。

OTCのネット販売に話を戻し、ネット販売に制限を付けたのは厚生労働省、薬局の団体やドラッグストアの団体からの圧力もありますが経済産業省が阻止に回ったらしいです。 なぜならここを崩してしまうと日本の産業分類の中で調剤薬局、店舗数にして55000店前後の分野が消滅することを意味します。 それを阻止したかったということらしいです。

日本の官僚機構は大臣や首相をしのぐネットワークを通じた権限を行使し、強力な権限を持っているようです。 だから国内で起こる不都合はすべて彼らが引き起こし、日本経済を彼らの考えにそって導いているようです。

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[採用]

将来の夢

採用面接で「将来の夢はなんですか?」と聞くことがあります。 結婚すること、家を買うこと、少なくとも課長になること等々です。

これらの答えから競争心、闘争心は感じられません。 同時に質問する「あなたは負けず嫌いですか?」には大抵考えるか考える振りをして「そうです」と応える人が多いです。

負けす嫌いで将来の夢が結婚することや家を買うことは一致しない感覚のように思います。

私はいろいろ質問し、将来の夢が自分で世界一大きな会社を作ることでも軽自動車を買うことでも構わないのですが、つまり抱いている夢の大きさゆえの採用基準はもちませんが、答えに一貫性がなかったり、矛盾を含んでいるような場合は印象は悪くなります。

振り返って自分の夢はなんだろう、と考えた時になんとなく会社を大きくしたいというのがあります。 規模が大きくなれば仕入れは有利になり、業績が良ければファイナンスもやりやすくなります。 つまりスケールメリットが得られるわけですが、規模が大きくなることは働く職員の数が増えるわけで、その人たちがうちの会社に対して愛着や忠誠心をもち、ここで働くことを幸せと感じて生き生きと懸命に働くなら会社は安定性や成長性を維持できます。 さらに賃金は上がることはあっても下がることは確率が低いでしょう。

そのようにして働いている人は朝会うと必ず笑顔で挨拶してくれますし、陰ひなたなく働いていただくので業績も安泰です。 経営者としてそのような従業員がたくさん増えることは実はこの上なく幸せなことです。 私はそれを実感し、思いもしなかった自分の夢になりました。

今は中期事業計画の途中で、規模拡大期です。 毎日いろいろな人を面接し、できるだけ当社になじみやすく、うまくやっていけそうな人を選抜していきます。 そうして採用した人が気が付くと高い貢献を示していたら心からこの仕事をしていてよかったと思いますし、そのような人は面接時以外でほとんど話すことがなく数か月が過ぎてふと社内で出会ったとき、満面の笑みで挨拶してくれます。

この瞬間、私は幸福感に浸ります。 たとえ朝から嫌なことがあっても、今月の儀容積が今年最悪だったとしても頭から飛んでしまってまたよい人を採用しよう、君もがんばれよと心の中で思います。

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[社会]

医療の将来

最近薬剤師が新しい調剤機器の話をしてくれました。 服薬指導で薬の数を確認してもらうときに後で数か足りなかったというクレームが多いのですが、それを写真撮影しておくというものです。

処方箋調剤において薬局内の作業を見ていると人の手で行う煩雑な作業が多くあり、素人目にも機械化できるのではないかと思います。

先進の機器を導入した薬局は自動化が進んでおり、薬剤師業務は煩雑な作業から解放され、機器のオペレーションに多くの時間を割いているようです。

処方箋がQRコード化して、リーダーに読ませると数分後に調剤が完了する時期はすぐに来るでしょう。 薬剤師業務はより服薬管理に特化してゆき、さらにはそれもタッチパネルでの質問に患者がタッチして応えるようにすることは可能だと思います。

一方医師の診察もモニターを見ながら問診される診察は、機械が問診項目を質問して患者がタッチパネルにダッチして診察を進めることは可能で、検査項目データの経歴を持っていれば機械の診断が人の診断を上回るより正確である可能性も出てきます。
チェスでも機械が人に勝つようになったのですから。

現実は一般薬のネット販売について厚生労働省が最高裁判決を無視して一部規制を残そうとしており、族議員は前回の診療報酬改定で大病院が加算されたから今回からクリニックの診療報酬をと言っています。
クリニックの診療はいわゆるホームドクターの世界ですからそんなに点数が必要なら上げればよい、国の借金が一千数百兆円の時代にヨーロッパ車に乗り高収入を享受する医者の所得増に貢献すればよいと思うのですが、負担するのは国民ですから負担割合を4割にすればよい、機械問診や診察を点数化すればよいと思います。 不安を感じる医者に診察してもらうのであれば機械に判定してもらい、それでも不安なら大病院の専門医というのが今後の姿になるかもしれません。

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