[他業界]
タニタ
東京に出張し、体重計メーカーの株式会社タニタの谷田社長に面談してきました。
社内で「カフェ」をやってみたいという話が持ち上がり、カフェよりレストランのほうが良いのでは、ヘルシーなメニューで評判になればと考えたときタニタ食堂が思い浮かびました。
体重計メーカーが食堂をやるのも不思議だし、よく知らない者として素朴な疑問からタニタの社長に聞いてみようと思いました。
ネットで調べると映画にもなっているらしく、時代の寵児となった社長が関西の零細企業の好奇心に会ってくれるものか、ダメもとで頼れるところに依頼したらあっさり1時間の面談をしていただけることになりました。
ネットで調べると従業員が千数百人、大企業です。 出張の前の日は興奮して寝つきが悪く、まるで小学生の遠足と苦笑いでした。
繋いでくれたのは銀行、タニタの担当支店法人営業部の副部長がアテンドしてくださいました。 ホールで待っているとき、「当行の取締役でもめったに会えないのですよ、谷田社長は自らの事業が国民の健康を改善するという理念でやっておられます」、この一言でますますテンションあがりました。
立派な社屋の立派な面談室、秘書を伴って現れた社長は気さくな方でした。
調べればわかることを質問して驚いたことがいくつかありました。 社長は現在41歳、6年前の35歳で社長就任、実父の先代に一切頼ることなく体質改善、売上増をこの6年で成し遂げられました。 それも過大な投資をしてなしえたのではなく、知恵と勇気と時代を読む決断で一躍有名になり、シェアを伸ばし、社屋を建て替えられたそうです。
その会社の規模は製造工程の作業員を除けば200人、失礼ながら町工場の域です。 中小企業が知恵と決断で日本で有数の有名企業になられたわけですが、私にとってアップルのジョブズのように思えました。
慎重な方でことさら有名をてこに過大な投資をするでもなく、地道で慎重に経営の舵取りをされる姿勢が話の端々に伺えました。 私はヘルシー食のレストランを薬局と高齢者介護の事業をやっている会社が行えば評判になるだろうと単純な発想でしたが、谷田社長の場合はそもそも体重計が健康維持・増進の指標として位置づけ、社員にダイエットを進め、社員の年間医療費が同業他社より少ない事実を教えていただきました。
このように素晴らしい発想で成功して有名になり、事業に貢献できていることに谷田社長の大きさを感じました。