監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[社会]

悪徳商法

 母が緊急搬送されると同時に認知症を発症しました。 以前から怪しく思っていたのですが、緊急搬送後は症状も顕著に出て、高齢者施設に入所させることにしました。 母が住んでいたゴミ屋敷状態の部屋をかたずけ、重要なものを探しながらごみの仕分けを行いました。

  母がそこそこ持っていたお金はかなりの部分が株などの投資に消えていました。 母が何にお金を使おうと勝手ですが、自分の老後の資金まで投資しています。

 外国の公社債など為替リスクもあるし国ごとのリスクもあって、老後の資金を投資する対象とはとても思えません。 それを有り金のほとんどをおよそ元本保証もないハイリスク金融商品に投資しています。 90歳になる母が金融に通じているわけではないのですが、 すべてS証券を通じた投資でした。 S証券は大手銀行傘下の証券会社ですが、このような投資勧誘を平然と行っています。 よくボケしている高齢者に甘言を弄して投資させていたのです。

 成人しているとはいえ90歳で認知も出て いる老人に勝ち目のないばくちを進めたのです。 S証券に電話し、即日全部の解約を通知し、手続きに入りました。 担当者ではなく課長がやってきて説明を始めます。 相当厳しくいったのに『今売れば損をします』から説明が始まります。 高齢者施設に入っている認知症の老婆にさらなる投資の継続を言い募るので『いい加減にしろ!』と注意して初めて解約の話を始めました。 すべての投資が損失を出していて、損しか出ない商品を無理やり販売したのは明白、私も日経平均株価や円の各通貨の為替レートを日々チェックしていますが、複数投資案件すべてで莫大な損失が出ています。

 Sグループは商売のやり方の強引さで評判の悪いところですが、証券に至っては詐欺まがいと言われても仕方のないことをしていました。

 詐欺を立証できるエビデンスはありません。 腹いせに同グループの銀行との取引を見合わせることにしました。 日本にこのような会社が堂々と事業営んでいることに憤りを覚えました。 

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[生活]

憎しみ

 自分に不都合なことがあれば、それが社会規範に反していれば怒りが訪れます。 例えば車を運転していて信号無視した自転車が飛び出し、急ブレーキで事故を回避したとします。 それは信号無視というルール違反から怒りになります。 その時、信号無視していた人が携帯をいじりながら自転車を運転していて、こちらが急ブレーキで事故を回避したのに無視して走り去ったとします。 携帯をいじりながら自転車を運転することが重大な違反でないとして、罰則がないわけですからそれは憎しみにつながります。

 私の場合、憎しみはなかなか消えることはありません。 40年も前に自転車どうし接触したことがあり、どちらがも悪いのですが、『気を付けろ!』と言った相手への憎しみは今も消えることはありません。

 海外の紛争地帯でいつまでも紛争が収まらないのはそこに住む人の憎しみの連鎖が原因の多くを占めると思います。 政治的なスローガンを見ていると紛争をさっさとやめることが解決策に見えても憎しみが意地を張らせているように思います。

 誰もが憎しみを抱き、そうそう簡単に消えるものではありません。 取引先で何年もかけて値引き交渉をして成功したと思ったら通知書一枚で元の値段に戻す旨が記載されていて、 抗議しに行きました。 相手は大企業、こちらは零細企業、相手は強力な法務部もっていて、本件で訴訟になっても中小企業である当社におそらく勝ち目はありません。 

 法律違反のないことを前提にしても値引き交渉の根拠の一つとして変わっていないのに一方的に値引きを取りやめる態度は商習慣に照らしても正当と思われません。  当然取引は中止し、個人的にもその企業グループの製品は買わないようにしていますし、ことあるごとにその大企業がいかに悪意に満ちた企業であるか、話題にしています。

 フェアトレードが話題なる中でその企業が存続し続けることができるのはフェアトレードが日本のマーケットにおいても絵に描いた餅で、経済産業省がそのような商行為を規制する法律を策定しないのは中央省庁の大企業寄りの側面を示しているのでしょう。

 多くの企業がフェアトレードを目指し、このようなふるまいの巨利を得る大企業の取引姿勢を改めさせる交渉を粘り強く行えば日本の国際的競争力やよく話題になる生産性は向上すると思われます。

 個人の憎しみの話題に戻って、 こちらは損害や経済的損失の小さい話題です。 フェア、アンフェアの話題と言えなくもないですが、気持ちの整理をつけるべき話題でしょう。

 以前は憎しみのエピソードを思い出すたびに気分の悪い思いをしたのですが、60歳を超えてそのような感情の起伏が大きくならないようになってきました。

 最近、90歳の母親が 認知症であることが解りました。 8月の暑い日が続いたときに自宅で倒れていて緊急搬送され、短期記憶が完全に欠落していることから認知と判断しました。

 母は私よりさらに憎しみの感情が強く、何か不都合が起これば関係者のだれかに憎しみを抱き、自分を正当化するところが強かったように思います。 それが認知になり、誰がのせいにするよりも自分も悪い、愚かであったと判断するようになったのです。 某証券会社の口車に乗せられ、リスクの高い金融商品を交わされ、認知になってからその証券会社の職員を呼びつけ、全部解約を通知しました。

 今までであれば証券会社の詐欺だと憎しみを燃やすところでしたが、認知後自分がバカだったと反省しています。 しかも反省してそれで終わりで、余計なことをしなけりばよかったなどとくよくよ思っていません。 はた目には認知になったというより正常に戻った感がありますし、ずいぶん都合のよい認知と思います。

 私自身も憎しみや執念が弱くなってきたことを思えば程度はともかく認知症に 向かっているのかと思います。
他の人より憎しみに対する感情が強く働くことが、脳の劣化で弱くなった、暗算が下手になった程度のことでしょうか。

 憎しみ、執念が弱まることは生きてくうえでは楽です。 こだわることが少し減ったように思います。 他人の意見も素直に受け入れられることが増えました。 こうなればただのお人良し、経営者に不向きになってきているのかもしれません。 

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[生活]

ダイエット

 ダイエットの話題が多い。 日本経済新聞にも医療関係の記事に特集が組まれていたり、書籍、TVコマーシャル、ネット広告などにも数多くのものが紹介されています。

 私も中性脂肪が高く、医者からダイエットと運動を進められていて、10年弱食事量を減らし、カロリーの低いものを食べるよう心掛け、徒歩、自転車、筋トレと軽運動も行っていますが体重は横ばいです。

 新聞記事や書籍を読んでいてもダイエットの定説はないように思います。 結局は摂取カロリーと消費カロリーの差が体重になっているわけですから、摂取を減らし、消費を増やす以外にないのでしょう。

 基礎代謝は成人男性で1500kcal前後でしょうから1食200kcalに抑えると一日以内に空腹感を覚えます。 そこで高カロリー食を食べてしまいます。 くうふくを感じる時間はカロリーが不足しているわけですから痩せている時間、空腹でもないのに食べてしまうとオーバーカロリーの可能性があるわけですから体重は増えるはずです。

 一日三食ではなく、空腹を感じたら食べるというのも試してみましたが、食べだすと満腹を感じるまで食べてしまい、満腹感までの時間差分食べ過ぎてしまいます。

 そこでキャベツのような野菜を食べて満腹にすると減量できます。 しかしキャベツばかり食べるのは飽きてしまい、継続できません。 このあたりで自分の意地汚さと意志の弱さにうんざりしてしまいます。

 やはり三食きちっと少ないカロリーの食事を頂くことが良いようです。 計算された摂取カロリーをとり、守れなければペナルティーを課すぐらいでなければなかなか体重は減らないように思います。 そんなことはないだろうと思う人は若い人、63歳になると筋トレで筋肉量を増やすことはできても体脂肪を減らすことは若い時より難しいようです。

 最近遺伝子解析をしてもらい、肥満遺伝子が活性化しているか調べました。 結果的には一つの肥満遺伝子が 機能しているとのこと、自分の体は遺伝的にはほぼ正常であることが解りました。 一日あたりカロリー摂取量を40kcal減らさないといけないそうです。 自分の一日当たり必要カロリー摂取量は正確に解りませんが、若い時の半分程度の食事量なのに痩せないのは基礎代謝が相当減っているせいと信じています。

 今後もいろいろ試してゆきたいと思っています。 

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[他業界]

[習慣化]

作法

 SEの人と話をしていて、『作法』、『流儀』という言葉が頻繁に出てきます。 先端プログラムを作ってきた人からこのような言葉が出てくることに違和感があります。 意味は作法は常識、定式、決まり事と言ったところ、流儀は仕事の組み立て方、優先順位等でしようか?

 SEの仕事は当然のごとく論理の塊、相手が機械なので融通は利きません。 したがって作法も流儀も論理性と言ってしまえばよいのですが、その人だけが使っているのか業界用語なのか確認していません。

 日常生活でも作法、流儀に相当する事が大変多くあり、社会生活は作法の集大成、プログラムのように絶対ではないのですが、社会生活の作法・流儀を守らなければどこかで誰かに迷惑を かけたり自分がひどい目に合ったりします。 社会は広いようで実は個々人の活動範囲は限定されていて、日々初めてのことを体験する人は大変少ないように思います。

 郵便配達 の局員は朝から晩までスーパーカブや軽自動車で走り回りますが、ルートは決まっているので毎日ほぼ同じ時間に同じ道を通り、同じようにその時間にそこを通る人がいて毎日顔を合わせています。 かつて電車で通勤していたときに毎日同じ人と同じ車両で会います。

 このようにたいていの人は定性的な活動内容が実は割と正確に定型化されて行動しています。 もちろん生まれて初めての場所に旅行に行くとかすれば定型的な活動による出会いはないでしょう。

 であれば行動パターンが定型であることを変化がない、マンネリであると腐らず作法に沿って行動すれば徒労感は薄らぐでしょう。 郵便配達員はよく遭遇する人には挨拶するとか、作法に色を付ければさらに心豊かに郵便物の配達ができるでしょう。

 先日営業所に行くと床にマークがしてあり、挨拶場所と書いています。 定型に色を付ける、出勤すればここで立ち止まって挨拶をしろということらしいです。  飼っている犬に『お手』を教えるような話ですが、いろいろ考えるものです。

 作法が身につくと仕事も人間関係もある程度うまく流れていきます。 作法にはしなければいけないこととしてはいけないことがあると思いますが、してはいけないことをしなければ本人はせめをことになります。 赤信号で止まらなければそのうち交通事故にあうことになります。 少なくとも事故にあう確率は高くなります。

 社会生活でうんざりするほど作法があって、それが複雑であればあるほどその社会や組織は安定しますが発展しません。

 プログラムの世界は何年たっても言語が変わらない限り作法は変わりませんか、人間社会では不変の作法がいくつかあって、例えば挨拶するとかは今後百年は変わらないと思いますが、変わってゆく作法もたくさんあります。 先祖をまつることは私が子供のころ法事として日常生活に浸透していました。 お寺から何回忌の法要一覧表が配布され、そこには最高200回忌まで記載されていました。 200年前に死んだ先祖を祀るにしても当然誰も知らない先祖になります。

 家が200年続いた目出度いということでしょうが、お寺の営業手法に見えてなりません。 家が子孫が200年も続くことを目出度いと考える価値観は現在ではあまり指示されないでしょう。 お寺はそれに代わる価値観、営業ツールを提示できなかったので少なくとも近未来に消滅するのではないかと思います。 お寺そのものに先ほど例示した『挨拶』に匹敵するような永続性のある作法が見当たらないからです。

 この作法と裏打ちされた価値観を体系的にまとめた書籍が出版されればぜひ読んでみたいです。 私の残りの人生で存続する作法がそこにはちりばめられていると思います。 スマホを器用に使いこなすより存続する作法を知ることが現生を生きる上で価値あることと思います。 

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[生活]

[習慣化]

日常生活

 今年の夏も酷暑で、63歳となった身には大変つらいものがあります。 学生の頃に同じ暑さの中で炎天下のバイトに励んだり、ソフトボールを講座の皆とやったり、汗でひちょびちょになりながら元気に暮らしていました。 研究室にエアコンなどなく、窓全開で扇風機の風にあたりながら数式だらけの専門書と格闘したりしていました。

 サラリーマンになるとエアコンのきいた事務所でネクタイを締めて事務作業に従事していましたが、なぜか18時を過ぎると エアコンは節電のために停止し、ひたすら無風の事務所で事務仕事を行います。 仕事はそれなりにできていたと思います。 真横に座っている上司や斜め前の部長はネクタイを緩めることなく黙々と仕事をこなし、仕事はこのようにこなすものと思ってましたが、残業はつらいものでした。

 今は会社では最後の一人変えるまでエアコンは動いていて、作業環境はずいぶんよくなったと思います。 ずっと冷房の中にいると体が暑さに馴れません。 そこで今日のような休日にエアコンなしで家で仕事をしてみます。 本日の最高室温は 37℃と大変熱く、仕事ははかどりません。 サラリーマンを辞めて現在の仕事に就いたときに『365日働くぞ!』と土日も少しでも仕事にかかわることをするようにしてきましたが、耐暑性の低下した体にとってはとてもつらいことで、日か落ちてから今エアコンをつけてブログを書いています。

 東南アジアの経済発展著しい国の大統領が 『近年の最高の発明はエアコンである』とおっしゃったそうです。 赤道に近い国においては人が酷暑の中で働くうえでエアコンは必要条件なのでしょう。

 へそ曲がりの自分としてはエアコンに頼らぬ生活をしてみたいという希望を捨てていません。 そもそも体温より高い気温の中で生きてゆくには水分補給は欠かせません。 次に摂取カロリーを抑えて体の発熱を抑えるようにします。 さらに体が冷えると言われている野菜をたくさん食べて、寝るときはアイスノン、そうまでするならエアコンのスイッチを入れるだけで済むのですが、いくら暑くてもへそ曲がりはくじけません。

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[生活]

整理

 母が夏バテで倒れ、緊急搬送されました。 日常生活レベルが低下して一人暮らしが出来なくなり、施設に入所することになりました。 90歳までよく一人で頑張ったことと思います。

 母が住んでいた48㎡のマンションを整理することになりましたが、突然のことで何がどこにあるかわかりません。 さらに衣類や家電の収集癖があり、部屋はいわゆるゴミ屋敷です。 ゴミ箱のそこに預金通帳があったりして確認しながら整理しました。 整理に数日を要し、最終的に3.5tのトラックに積みきれない廃棄物が出てきました。 

 物のない時代に育った人なので安売りがあれば買い置き、 服がいるようになればしまってある服を出さずに買いに行く、そうして溜まったものです。

 はじめは几帳面にしまい込んだものを見つけることができなかったり、安売りでつい買ってしまったりしたものが、モノがあふれてくると整理がつかず一方的に増加してゆきます。 最後は足の踏み場もなく、整理や廃棄を促しても聞こうとしませんでした。

 いずれ自分もそうなるだろう、物のない時代に育ったわけではなくてもと思い、せっせといらないものを整理しています。 それでも家財は自然に増えて行き、服や書類や雑貨が部屋に散乱しています。

 ある人と整理の話をしていて 一年間着ることのなかった服は思い切って捨てる、見返すことのない書類も捨てる、と教えられました。 一年間に一度も袖を通さなかった服は既に存在し、それでも服を買い続けています。 そこで物を買わない事を心がけてきました。 物の増加ペースは落ちたように思います。 比較的書類がたまるのでいらない書類を思い切って廃棄し、先日廃棄書類の問い合わせが来て困りました。

 多少困っても捨て続ける、困ったことがあるから残すべきものの判断ができるようになる、あるものは徹底して利用する、利用できるよう何があるか常に持ち物チェックをする、日常生活をするうえでかなりの物品は必要ですから必要量を把握する、ティッシュぺーパーはいずれ消耗するにしても三箱もあれば良く、歯ブラシは予備に一本、石鹸は三個とまるで倉庫の在庫管理のようです。

 ほとんど物を持たない生活をしている人もいて、ティッシュが必要になればポケットティッシュを一つコンビニで買うなど家にほとんど物のない人がいるようです。 そうなれば頻繁に買い物に行かねばならず、私の生活パターンではありません。 私は週間行動予定で買い物は週に3回までと決めています。

 介護保険が始まったころドイツと日本の高齢者の持ち物についての話題を思い出します。 日本人はベッド周りにおいているものはドイツ人の10倍あるというものです。 この話を聞いてからヨーロッパの家庭内風景と日本の家庭内風景をドラマなどを見るたびに比較してきましたが、確かに日本人は 物品が多いようです。

 最近の若い人を見ているとスマートフォンとコンビニが物的・精神的生活を支えていて、シンプルだなと思います。 しかし本は読みません。 図書館でも若い人を見ることは稀です。 ネットで調べられることの特徴は細切れの情報、本はネットの記事より文字数が多いので考え方、価値観、思想を把握するのに向いていると思われます。 そのような面倒なものをもたず、細切れの情報のみで生きてゆくのも究極のシンプルライフでしょう。

 彼らは人生の週末において頭の中は情報のゴミ屋敷になっても部屋の中にモノがあふれていることは想像しにくいです。
 

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[価値観]

節約と投資

 私は日常生活で節約を心がけています。 節約として当然のこと、照明は使わない時にこまめに切るとか、エアコンの設定温度は夏場28℃以下に下げないとか、家の照明をすべてLEDに変えるとか、外食をしないとかです。 日常生活で無駄使いと思われることは喫煙の習慣でしょうか? 体調が悪いのは喫煙が遠因になっていると思われますし、中性脂肪値の高いのも肥満も体力がないのも喫煙が原因ならお金や時間を喫煙により浪費していることになります。

 飲酒の習慣がないのでせめて喫煙くらいはと思いますが、 やめるに越したことはありません。

 多くの企業の成功例を見ていると『節約』を活用しているように思います。 JALを再生させた稲盛和夫氏の施策にも色濃く表れていて、無駄をなくして木々用の再生を果たしています。 もちろんそれだけではなく、氏の書籍でも紹介されているアメーバー経営なども大いに浸透させたことと思います。

 パナソニックをV字回復させた中村邦夫氏はパナソニックが大掛かりに取り組まなかったリストラを大胆に行っていましたが、リストラも広義には『節約』の概念に通じると思います。 照明をLEDに変えて月に数円の電気代を節約するのと不採算事業を数千億円で 売却する話はことの大きさの違いを超えて質的に異なる話題に見えます。

 ほかにも経営者として著名な人で経営においても私生活でもケチであったり節約を旨としている人の話題は枚挙にいとまがありません。 しかし『節約』と思われる考えを持たれる経営者はちょっと思い浮かべただけでも過去の人、高齢の人が多く、現在活躍している若い経営者の日常生活や経営手法で『節約』を感じられる経営者は少ないように思います。

 もしくは節約の定義が異なるのかもしれません。 テスラモータースのCEOは若い人ですが、EVや再利用できるロケットの開発なども節約として見ることができます。 ユーグレナのみどり虫でつくる燃料、サイバーエイジェントの着装型ロボット開発も節約をテーマにしているとも考えられます。 身体能力に障害を持つ人の移動や仕事への従事にかかわる多くの助成や援助はロボット着装で自立に近づくかもしれません。

 多くの新しい産業分野はより便利で、安全で、環境負荷の少ないものに向いていますが、時間を節約し、リスク対策を節約し、環境改善のコストを節約すると考えれば多少こじつけでも整合できると思います。

 前述した古いタイプの 経営者は大量生産、大量購入・販売等ますプロダクツに依存した生産性により節約を行っていました。 まだまだそのような産業分野があり、古いタイプの経営者が活躍していけると思いますが、新しいタイプの経営者は今までにない節約で新規事業を立ち上げようとしています。

 新しい事業といえばIT業界を連想しがちですが、例えばSNSでいえば通信や伝達の節約に大きく貢献して、アラブの春にみられるような政治への影響を与え、あたかも世界を動かすかのように感じられます。 そこで生み出される利益も莫大で話題になりやすいです。

 当社は中小企業でITから遠い医療介護の業界ですが、節約という指標でニッチの節約事業を生み出して成長を遂げたいと考えています。 

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[採用]

欲しい人材

 採用面接を長年続けていて、応募者から『どのような人材を求めているのか?』と質問されることがあります。 営業職なら早期に売上を上げ、安定・継続して売上を伸ばしていく人ですが、質問の趣旨はもう少し抽象的で、素直な人、集中力のある人、頭の良い人、工夫する人等といった答えを期待しているようです。

 それを聞いてどうするのか、自己評価で素直な性格と思っている人は素直な人を求めているという回答で適性があると判断して安心するのでしょうか?

 素直が長所の人で実績を上げている人もいますし、集中力が武器の人、鈍感であることが取り柄の人、どれもが長所にもなりうるし、欠点になることもあると思います。 人が社会で生きていくうえでそれぞれが武器になるわけですから、その使用方法を熟知して、素直で友人はうまく作るものの販売では素直さが欠点になっている場合もあるということを考えてみてはどうでしょうか。

 人を人が評価する採用面接で相手のことは解るのですが、自分に振返って一体自分の長所は何だろうと考えた時に『創造性にたけている』と長年思っていました。 以前の会社での採用時に 『企画部署を希望します』といったように思います。

 近年いくつかの心理テストを受けて自分の長所が創造的だと判定されなくて長年の思いが崩れました。 最初のテストは全従業員を対象に行い、その人の特徴が現れるのですが、私の場合危機管理能力が他の誰より圧倒的に高く 、他の項目はすべて平均的でした。

 最近行ったテストでは経営者適性が高く出て、これも長年経営者に不適と思っていたのでショックを受けました。 私の中で経営者は負けず嫌いで何でも一番にならないと気が済まない性格だと思っていましたが、私の場合スポーツや勉強などあまり得意ではなく、人生を振り返り常に負け続けてきました。 負けるのは決して心地よいものではありませんが、負けた悔しさを引きずることはなく、負け慣れしているのではと思うほど負けてケロッとしています。

 ドラッカーの言葉に人はせいぜい自らの欠点を知る程度である、長所・強みなど解ろうはずがないと述べています。 心理テストが絶対的に正しいわけではないでしょうが、私の場合の特徴は傾向があるというより顕著であるわけですから当たらずとも遠からずといったところでしょうか。

 知らない特質で勝負してきて、心理テストで自らの特質・長所を教えてもらっても日々の行動や思考に変わりがあるわけではありません。 たとえドラッカーが身近にいて『明日から何が何でも一番を目指せ』とアドバイスされてもそうはならないと思います。

 確かに会社で経営の仕事をするうえで自分の長所を知ることは無駄ではないのですが、その使い方を誤れば危機管理能力も無用の長物、これがリスクだ、あれが危ないとオオカミ少年のごとく危機意識を煽り、周囲に迷惑をかけるかもしれません。 能力にも『使用上の注意』 が必要で、残念ながら心理テストの結果表にはこれは記載されていません。 せいぜいあなたは販売の仕事に向いているとか研究職に向いているとかといったところでしょうか。

 私はどんな正確であれ、その特質を生かせば社会で生きていくうえで幅広い貢献ができると信じています。 例えば私が政治家を目指すとか、研究者を目指すとか、全く的外れなことはないように思います。

 人間社会は複雑で、人の特質は多様です。 複雑な社会で多様な特質がそれぞれうまく機能するには各個人が『使用上の注意』をよく考えて活動すればよいと思います。 企業が採用に際して特定の資質だけを求めれば 偏った社風になって、環境が変わればそのような多様でない人質をそろえている企業は真っ先に崩壊するように思います。

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[会社運営]

経営者の役割

  経営者の役割は多岐にわたりますが、多くの経営者がすべての役割を果たしているわけではありません。 業種・業態、企業規模、幹部の資質、経営状態によっても経営者の役割の優先順位は変わってきます。

 中小企業が規模拡大を目指しながらほとんどが規模拡大を果たせません。 何百万もの法人企業がある中で上場を果した企業は数千社、零細企業の新陳代謝を考えれば千分の一が規模拡大を果たせることになります。

 もちろん規模拡大を目指さない企業も数多くあり、一定の利益を長期にわたって 計上する老舗もあります。 そもそも企業の目的は生命体と同じで生き抜くこと、継続して存在するには安定して利益を上げ続けなければならず、規模拡大は有効な方法です。

 営業出身の経営者は自分の特技が営業なのでひたすらトップセールスを行い、販売増に注力します。 人事出身の経営者は採用、教育、賃金制度に関心がわくでしょう。  企業の構成要素に人材は大きな役割を占めているので売り上げを伸ばさない時にも優秀な営業を採用し、社内教育でスキルを磨かせれば販売が増加すると考えがちです。

 しかし企業の規模拡大に対する課題は販売力、人材、社員教育、販売する商品力、社風、財務、ひょっとしたら社名の良しあしなどいろいろなものがあり、経営者がすべてにおいて熟達しているわけではありません。 専門スキルを持つ幹部にそれぞれの業務をゆだねて行うのが一般的です。

 いくら財務のエキスパートがいて、金融機関との折衝力があっても今投資すべきか、投資するとすればいくらファイナンスが必要か、その判断は経営者から外しがたい役割になります。 投資は将来予測、現状を分析していま増員すれば二年後に戦力化が図れ、扱い商品は五年以上ライフがあるので増員した社員が三年以上利益を稼いでくれる、といった予測です。

 これらの予測はすべて現状の精査により行われ、データ分析を積み上げてゆきます。 たとえばプロ野球のシーズン前の優勝チームの予測に似ているように思います。 株価予測等も開設を読んでいるとよく似ています。 近未来は近過去が決めるというものですが、それらの予測は外れることも多いです。 仮に当て続けることができて何年も予測を当て続けて億万長者になった投資家は稀です。

 数年前に香港に行き、投資ファンドのCEOからプレゼンを受けたことがあります。 香港訛りのクィーンズイングリッシュは難解でしたが、リーマンショックの前後で50%以上の利益を稼いでいました。 私は一体何を根拠にリーマンショックい直前にすべての投資を引き揚げ、ショック直後に底値で株を拾えたのか聞きました。

 彼の答えはアメリカの有名な非農業部門での雇用統計、建設受注残等シンプルなものでした。 しかしこの種の予測に登場する指標は手を変え、品を変え聞いたこともない指標が登場します。 学術論文でもそうですが、結果に見合った指標を繰り出して大発見のように言われてもその瞬間はそうであっても再現しなければ科学的ではありません。 つまり発見であっても経済理論の発明ではありません。

 香港の例はごく一般的な指標を組み合わせ、それを見抜いたところに凄さを感じました。 優れた仮説を立ててその仮説に従えば指標はこのように動くだろうと予測したのです。 つまりあらかじめ立てた予測とその予測従えば指標はこのような動きをするという仮説が優れていたのでしょう。 ボードにマーカーで書いてせっめいしてくれたものは簡単なグラフで、難解な数式ではありませんでした。

 近過去の積み上げに対して仮説を立て、指標評価の方法変えるだけで見事に予測した例だと思います。 そう考えることができたのはアメリカの住宅バブルがいずれ弾けるという予測を持っていたことにほかなりません。 香港の住宅事情は厳しく、マンションなどは東京より高い価格になっています。 想像ですが不動産取引についてはアメリカより香港が優れたマーケット感覚があるのではないでしょうか。

 将来予測について近過去の分析以外にあるべき姿を追求するというものがあります。 この商品やサービスはこうあるべきだ、これが理想というものです。 それに向かって突き進む経営者がいます。 岩いる熱い人です。 アップルのジョブズはこのタイプの経営者と思います。 近過去の分析より予測される近未来よりより遠い未来を予言することができる場合があります。 しかしすべての商品やサービスが経営者の描く理想に向かうかどうかわからず、違うコンセプトとして発展する場合も多くあります。 自動車では自動運転の話題がにぎわっていますが、そもそも人が移動しなくなれば自動運転の車はそれほど売れなくなるでしょう。

 ドラッカーはすでに起こっている未来を見つけることを勧めています。 これは現実的で経営に応用できます。 気づくかどうかはその人の感性、アップル社の製品は革新的であっても技術的には完成されたもの、電話でネットに接続できればというのはドコモがすでに行っていたものでした。

 近過去の分析や仮説を立てることやすでに起こった未来を見つけることそれらの複合で経営者は基本方針を立てるのですが、出来るだけシンプンに構成しなければ少しぶれた時に答えは大きくぶれることになります。

 

 以前香港

  

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[生活]

[習慣化]

継続力

 何かを続けて行うことは大きな成果を生むと言われています。 ことわざにも『継続は力なり』とありますし、ドラッカーも習慣化することで大きな成果を得られると言っています。

 ドラッカーの『習慣化』は継続反復行為の苦痛を軽減して続けられる方法の意味も含んでいるように思われます。 例えば毎朝7時に腹筋100回をすると決めて実行すると腹筋をしない日は気持ちが悪い、便通がないなど人によっては問題が起きます。 しかしやっておれば便通もある、1年もすれば腹筋が割れて内臓脂肪も減り、体重もやらないよりは減るでしょう。 体調がよくなって朝食が進み、逆に太るかもしれませんが。

 私も習慣化を目指して毎週習慣化することの予定表を作っています。 習慣化出来ていれば予定表はいりませんが、継続しなくなることを避けるために 、項目を見直すために予定表を作り、出来たら丸を付けるようにしています。 例えば日本経済新聞を読む、一日に5000歩以上歩く、腹筋30回、掃除などです。 一週間で丸が100以上になれば良く出来た週になり、50個程度であればその週はさっぱりとなります。
 項目にとらわれたり、目標達成を厳格に考えたりしないで気楽にやろうとしますが、ある程度達成意識は必要に思います。 これを初めて何年か経ちましたが、新聞を例にすればどの産業分野が景気が良く、国の経済政策がの目的が大雑把に理解できるようになってきます。 経済の大きな傾向を把握したいがために経済新聞を読みだしたのですが、初めの五年ぐらいは理解できない記事が多く、読む意味が薄かったように思います。

 出版されている経済の本を読んでみましたが、内容がそれなりに理解できても日々の実際の経済に照らし合わせて役立つことは少なかったように思います。

 腹筋は丸の数が少ない項目なので筋肉の形がまだ出てきていませんが、ウエストは確実に小さくなってベルトは何度か短くしました。

 習慣化で難しいのは継続すること、目標を持つこと、それをやることで何か得をするような 報奨があることですが、日本の経済が理解できて株式投資で大儲けできるほど株式相場は甘くありませんし、会社の基本の基本の方針を決めるのに大いに役に立つかといえばかすったような話、せいぜい銀行員と金融の話をして自分の見識の方が高いとうぬぼれる程度でしょうか。

 今更腹筋が割れてムキムキの体になってホテルのプールで注目を浴びる年齢でもありません。

 最近思うのは人間関係の継続力、私は比較的多くの趣味を持ち、その都度かなりの友人を作り、趣味が変わるたびに過去の友人との人間関係が切れてきました。 共通の趣味がある間は話も通じるし、一緒にその趣味を楽しむことができるのですが、その趣味をやめてしまって付き合いを続けることはありませんでした。 これからは継続できる友人関係、友人でなくとも知り合いでいいのですが、5年、10年続く人間関係を作っていきたいと思っています。 

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