監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

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[習慣化]

過去の失敗

私は時々過去の失敗や恥ずかしい出来事を思い出します。 思い出すと言うより忘れることができないようです。

何かうまく行かないことが起こり、悩んでいると次々同様の過去の失敗がリアルに思い出され、より落ち込みます。

忘れようと思って過去の記憶を消し去ることはできず、思い出さないでおこうと思っても思い出してしまい、思い出すことで記憶が強くなってゆくように思います。

もしそのような記憶を消し去る薬があれば飲んでしまうでしょう。 失敗に学ぶものがあるかもしれませんが、将来に向けては過去の成功体験が望みを醸し出してくれるでしょう。

ある本を読んでいて、過去の失敗体験を反芻するのは百害あっても益はなし、と断言してありその通りと思います。

その本に過去の失敗体験を思い出さない方法は書かれていませんでしたが、価値観を変える、前向きに生きる、常に新しいことに取り組むなど将来に向けた生き方・考え方・行動に集中すればあまり思い出さなくなるのではと考えました。

年齢を重ね、将来志向に集中するのは至難に思えますが、年齢や立場でできることはたくさんあり、やり続けている同年代や先輩は多くいます。 膨大な体力を必要とすることは無理があるとしてもゴルフを始めて100を切るスコアを目指すなど可能性の高い話かと思います。

会社の職員の人の話を聞いてアドバイスをするとか、他人とのかかわりあいでできることも多くあるように思います。

一番やってみたいことは自分の考え・価値観・行動様式を変えること、立場上判断業務が多いわけですが、判断するに当たり自分の強みとして柔軟な発想を生かし、できる方法を考える、評価にあたって他人や社会制度を批判しないなど建設的な考え方でことにあたることを意識すれば自らも前向きになりますし、判断も建設的になると思います。

60歳を超えて考え方を変えるのは精神的には辛いことですが、体力的には耐えられることです。 精神的につらいというのはやってみれば解りますが、多大な苦痛で切れてはいけない瞬間に微笑んでいるといった行動をとることです。

ひきつった微笑みではなく心からの微笑み、人と接するときにいつも笑顔を絶やさず話を聞く習慣を身に着けるだけで耐え難い苦痛は和らいできます。 対人関係で悩んでおられる方にはお勧めしますが、即効性はありません。

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[言葉]

汚い言葉

「コンババ」という言葉がある人との会話の中で出てきました。 在宅ヘルパー職の方で、「コンババてどんな意味? 紺色のおばあさんのこと?」ときくと「根性、ばば色のこと」と答えが返ってきました。

生まれて初めて聞く言葉、私は1953年守口市に生まれ、最近まで守口から出たことのない人間、本来言葉の汚いと言われる北河内にいて初めて聞く言葉です。

守口での人間関係が上品な人、下品な人、裕福な人、そうでない人、昔から住んでいる人、引越してきた人と多様です。

昔から守口に住み、いわゆる北河内弁を話す人も同級生にいましたが大変柔らかなイントネーションで今でも世間で言われるような汚さを感じません。 もっともそのような古語を話せる人は私の年代でも2人しか記憶にありません。

もう一人は守口郊外のまだ農村といったところにすまれていて、私が子供の時にすでに相当高齢のおばあさんでした。 そのおばあさんの話し言葉は『ございます』が『御座ります』というのが特徴でした。 残念ながらこの方はだみ声で、話の内容も問題があり、決してやわらかい感じはしませんでした。

吉本の芸人の言葉が関西弁の代表といわれて久しいですが、60年前までは地元でも何を意味するか分からぬ言葉が多くありました。 たとえば私の祖母は海苔巻を『オスモジ』と言っていました。 それにイントネーションの違いが加わるとわからなくなります。

親戚の叔母は船場の商家『いとはん』(長女)、全く違った言葉づかいでした。 同じ大阪でも北河内、中河内、南河内で言葉は違いますし、中心部でも異なる方言が発達したようで、泉州の泉州弁に至っては外国語のように聞こえます。

しかしコンババはこれらの歴史を踏まえた方言を基にしたものではなく、他府県から転入してきた人が地元の言葉になじむ中で編み出した省略語に思えます。それも最近の話に思えます。

千里中央をセンチュウと言われ、びっくりしたことがあります。 会社に入ったとき事務の女性、20歳代前半の人に「線虫に行ってきた」と言われて動揺しました。

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[社会]

[経営]

経費削減

二年前、販売管理費の増加対策として目に見える経費節減を社内で提案した。 人件費の直接削減以外の方法ということで限定しての提案で、年間100万円程度というものだった。

経費について見直すという意図で、具体的な金額である100万円に大した意味はなかった。

結局その意見は立ち消えとなったが、この2年間でいくつかの節減策が出てきた。 一つは自動車保険料である。 運航する車両が30台弱で年間保険料300万円が更改とともに倍ほどになった。 車に乗る営業新人の増加から小さな事故が増えたためである。 もちろん事故防止の為の社内教育が不足していたのも事実で、事故を起こしたものに始末書の提出を求めたが反省の内容が良くなかった。

事故を起こして会社に迷惑をかけたとか、これから注意するとか当たり前としてなぜ事故を起こし、今後どのように対処してゆくかが反省されておらず、再提出を求めている。

会社の反応も悪く、『保険料率が上がる』といったもので、これももっともな話であるがまずはあってはならない事故を無くしてゆくという観点が前面に出てほしかった。

年間保険料が300万円も増加することがコスト上昇という側面からつらい話であることも事実である。 事故を減らす対策として少額の事故は保険適応せずに店舗経費で賄えというものであった。 これは店長にすれば答える話であったようで一定の効果があった。

保険代理店に聞くと事故を起こした本人の負担にしてはというもので、業務中の事故を本人負担とすることはそもそも雇用とは何か、という原点の話になってしまう。

リース会社に聞くと事故を起こした運転者の車にドライブレコーダーを付けて分析し、安全運転を心掛けさせるというものであった。 これも映像を見てなるほどと思ってしまう内容だった。 私自身、かなり乱暴運転で、長年無事故であるがゆえに自信過剰気味であったが、事故を頻発させる人の運転は私指針が危険を感じるものであった。 そして抑止力として効果があるものであった。

損害保険会社がこのようなシステムを持つことは理にかない、会社の社会責任を高度に果たす意味を持つと思う。

東芝が診療報酬明細を分析し、糖尿病予備軍の人を抽出して早期に節制や治療を促す分析を業として行う。医療機関は疾病の治療と予防が使命だか、治療に関してはどことも注力するが予防に関して疑問がある。 糖尿病になって人工透析を行うようになれば年間500万円の治療費がかかるらしい。 健康保険組合は大きな支出となるし、本人も良いことは何もない。 医療機関はどうか、別にそのこと自体に問題はなく、お客である企業からクレームが来るわけでもない。 もし定期健康診断を受託する医療機関が対象受診者1000人当たり10年後の医療費1億円減額を保障したらどうであろう。 糖尿病の人工透析が500万円/年・人であれば20人の糖尿病患者の予防に成功するだけで達成できる。

予防できる疾病は糖尿病だけではない。 そもそも健康診断に莫大な時間と費用をかけていて診療報酬を下げる、ひいては人件費の削減につながらなくては何のために行っているのか?

待てよ、自動車保険と同じ議論になっている。 社員の健康を守るために健康診断をやっているのに経費の話になっている。 ととちってしまうほど経費削減は難しい課題です。

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[社会]

日本の構造改革

和食が世界無形文化遺産になり、違和感を覚えました。 なぜ今更和食がと言うのとそもそも日本人自身がフレンチ、中華、イタリアンと和食以外の食文化になじみが大きいのではないかという点です。

海外から見て和食は日本人のものと評価が大きく違うのでしょうか。 2年ほど前に香港に行ったとき地元スーパーマーケットで日本産の野菜が高値で売られていました。

農林水産省がまとめた2014年の農林水産物輸出統計によれば前年比11%増の6,117億円だったそうです。 多いか少ないかというと大変少ない数値ですが、近年増加しているそうです。

貿易統計で日本の輸出は約74兆円、それから見れば微々たるものです。 しかし衰退産業と言われて久しい日本の一次産業は輸出産業の一角を占めるのか正念場ということでしょう。

前出の輸出6千億円強の中には真珠の輸出なども含まれています。 食品だけではないということです。

違和感でいえば「おもてなし」という言葉が流行しました。 この言葉があらわす日本のサービス業の姿勢と和食を味わうために海外からの観光客が大挙して来日し、貿易統計では旅行・輸送・サービス収支が△3兆932億円で赤字幅が減少したとのことです。

全国農協中央会の改革が60年ぶりに行われました。 約40年前に農学部で勉強していたころの農協は絶対的な存在で、農業政策や農業経済を語るに避けられない存在でしたが、政府は一歩踏み込みました。

ユネスコの文化遺産登録も日本政府が関与していますから、日本政府にも日本の文化や価値観をコントロールする秘密組織があって各省庁やマスコミのパブリシティに影響しているのではないかと訝る気持ちもあります。 もしそうなら日本人の価値観や思想信条、紛争地域への派兵など政治や国際間の課題解決に大きな力を発揮するでしょう。 やろうと思えば簡単で、内閣の特命機関に1000人程度の情報操作を行う職員がいて、ネット環境を利用して情報操作すれば原子力発電所の再稼働などはできるようになるでしょう。

日本の構造改革を進めるうえで世論の力は大きく、世論はえてして感情的に展開し、揺り戻しが行われます。 このような操作はどこの政府でも行い、現代の中国やかつてのナチスなど典型的でしょう。 比較的失敗しているように思われるのは韓国でしょうか。

構造改革推進のために障害になるのはある時は世論、ある時は国家官僚、外国の干渉などもあります。 本当に日本も国家レベルでやっているのか私は大きな問題ではなく、あるべき姿から外れた時にそれら操作にノーを突きつければよいと思います。

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[経済]

為替

通貨である円がプラザ合意以降変動相場制に移行して数十年、私の日常生活で円相場はガソリン価格の変動で実感するぐらいでした。 ガソリン価格が高くなると円安といった具合です。

世界経済が順調に拡大した時期、バブル期以前では石油資源の枯渇が話題になり、アラブ産油国が共同して原油価格をコントロールするようになり、為替以外の要因で、石油価格の高止まりが原因でガソリン価格を意識するようになりました。

最近日常生活で為替を意識する物価の変動はありません。 むしろ消費税が物価という面で意識させられます。

私は輸入パスタを買うことが多いですが、価格はあまり変わっていません。 輸入肉類も同様です。

2月5日の本経済新聞夕刊に「円安局面に転機か」というコラムがありました。 昨年9月以降貿易ウェートで加重平均した実効為替レートで1月までの期間にドルは13%切りあがったということです。 ユーロは欧州中央銀行の量的緩和でユーロ安、中国元は経済成長鈍化(中国政府による為替政策もあり)対ドルで元安、一方円は殆どの通貨に対して円高となっているそうです。

日銀のインフレターゲット2%は実現すれば仮に国の借金が千兆円であれば毎年20兆円減少するというもの、ならばインフレ率の目標をもっと上げればもっと借金は小さくなりますが、おそらくコントロールできずないと予測しているのでしょう。 しかし、政府としてはもっとインフレになればもっと早く経済振興につながと当然考えると思います。

仮にインフレ率が10%になれば国の借金は国家予算一般会計ぐらいが減少します。 もちろんそんな事態になれば経済混乱が起きて円のデフォルト(債務不履行)も視野に入ってくるでしょう。

もしインフレにならなければギリシャのように日本も緊縮財政となり、経済は沈滞し、税収は減少し、新たな経済システムが定着するまで国債利払いを超長期で行わなければなりません。

私は経済も政治も専門外なので将来予測はできません。 もっとも的確に予測している経済の研究者がいるのかと訝るほどです。 一つ言えるのは大変大きな経済の転換期が迫っていて、かつてのガソリン価格で国際経済を意識するようなものではない全般的な影響が降りかかってくる時代に生きていると思います。

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[社会]

労働マーケット

安倍政権が経済発展のための第三の矢で岩盤規制の撤廃に取り組んでいます。 その関連で労働者の賃金を上げろと経済界にはっぱをかけています。

円安から輸出型企業の業績は改善が目覚ましく、史上最高益を計上している企業が沢山ある中で、利益は内部留保や賃金、投資、自社株買い、借入金返済など体質強化に向けられています。 つまりは多くが賃金に反映していないのではないかということで、政治家が労働組合のようなことを言うのでしょう。

政治家がそのようなことを言う必要があるのか疑問に思いますが、内需拡大の観点からは賃金上昇→消費拡大ということでしょうか。 利益が上がっている企業の賃金が上がるのは当然として、格差拡大も当然の動きです。 その意味での批判はあるでしょうが、格差は過去もあり、個人の所得税も高額所得者の累進課税が強化されるので、財政に寄与するという意味では企業が内部留保するより賃金でばらまき、個人所得税で集金する目論見は現在の国家財政から適切に見えますが。

働く形態としてホワイトカラーエグゼプションが日の目を見る一方で今日の新聞には有給休暇5日消化義務という記事が一面にありました。 儲かっている会社は賃金が上がり、働き方が変わり、有給休暇を強制的に消化させられるということで好ましい限りです。

いま有効求人倍率が大きく改善され、厚生労働省としてはすでに最低賃金も上げたし社会が、労働マーケットが2%のインフレに向けて準備が整ってきました。

しかしインフレにならなければ雇用条件の改善は労働生産性の低下につながる恐れがあり、生産性の上がるイノベーションが起こらなければ弱小企業は倒産して消えてゆくでしょう。

政府はイノベーションを促進するため規制緩和に取り組んでいますが、規制緩和ができなければイノベーションも起こりにくくなります。 先進国の国際比較で日本の製造業以外のサービス業等の生産性の低さが指摘されます。

かつては小売業でもスーパーマーケットの出現が生産性を上げ、最近ではe-コマースが生産性をあげようとしています。

小さなことかもしれませんが信書の宅配業者への開放すらできません。 なぜか国の施策はやりやすいことから改革し、やりにくいことは手を付けないか民間任せの気がします。 民間では事業承継を通じて事業の効率化が図られています。

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[採用]

[社会]

最近の採用面接

新聞には求職者不足による採用難から、事業縮小や廃業する話題まで出ています。 一部の介護職に関して外国人労働者受け入れのハードルを避ける話も話題になっています。

国が発表する有効求人倍率が正しい実態を示しているのか、個別企業の採用を担当しているとあまりにミクロで統計データの意味が実感できない場合があります。

ハローワークからの応募者が減ったことから有効求人倍率の統計データは実態かな、と思います。

有料求人媒体からの応募者は結構たくさんおられます。

統計データがハローワークのデータから算出されたものであればなるほどとうなずけますが、社会保険の加入や資格喪失のデータ、雇用保険の受給者数、就労可能年齢の人口などを加味して計算しているでしょうから全国の実態が積算されているのでしょう。

求職者の履歴と次の求職内容ですが、違和感を覚えることが多くあります。 一流大学を出て学歴を必要としない職に就き、初めからわかっている就労環境になじめず転職する場合です。

その業種は残業が多いのは初めからわかっていたけれど残業の多さからその職を辞めるとか、賃金であったり、体質であったりです。

また大手企業を離職した方も多くおられ、わざわざ当社のような零細企業に応募される場合です。 実際採用してみると大変優秀で当社の就労環境や雇用条件が特に優れているわけでもないのに機嫌よく働かれています。

個別の事情もあるのでひとくくりにできませんが、何を目指して就職し、何が嫌で離職し、新たに何を求めて働こうとしているのかは採用面接で語ってほしいところです。

おそらく明確な意思があるからその理由もあり、語りたくないのかもしれませんが、我々の世代からすれば就職は重要なことなのでよく考え、人に伝えるようにまとめてほしいと思います。

採用側にとって離職理由を当社が満たすことができなければはっきり伝えないとまた転職につながると思います。

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[価値観]

[生活]

人生の目標

私は日常生活において毎週目標を設定しています。 たとえば今週はこの仕事を仕上げるとか、掃除は何回するとか、筋トレ何時間などです。

この目標は一年ぐらい続けていて、以前は今週出来たことを週単位でメモにしていました。

目標設定するようになってから違和感を覚えるようになりました。 『そもそも目標は結果を示すもの』という疑問です。 筋トレを毎週何時間もするのはその先に肉体美を整えるとか、ですが肉体美を整えるという目標は設定したことがありません。 むしろ60歳を過ぎて体力に自信を無くし、何とかしようと考えたからで、その前に無呼吸に陥って体重を減らす、食事を改善して筋トレをすると繋がっています。

無呼吸を改善する、そのために体重を何キロに落とす、最終目標からどんどんプロセスや方法に落とし込んでしまったために目標設定に違和感を感じたわけです。

そこでいったい自分はどうしたいのか、を考えました。 会社にも私より年上の方がおられ、皆大変お元気なのですが、それとなく聞いてみました。

所得の面で働かなくてもよい人も多く、責任や拘束の軽い仕事を比較的低収入でやっておられます。 体も元気、頭もしっかりしている、能力も高い、しかし余生を遊んで暮らしていては社会との関係が薄れ、人生に充実感がないので働く意義に価値を見出しておられるように思いました。

私の場合、定年がなく、オーナー企業の代表ですから辞めろと言う人もいません。 しかし企業の代表としての職務を全うしたいと思うのは当然で、そのために健康でいる必要もあるし、向上心をもって仕事に取り組まなくては立場に立っているだけになります。

仕事は事業全般を監視し、決定を下し、成果を生むことにありますが職員に相談できないことも多くあります。 ある人にそのことを遠回しに言ったら「そんなことは立場・個人の問題で立ち入ることはできない」と一蹴されました。

多くの決断をなし、時間の経過とともに結果が出て、『あの決定が間違っていた、自分のミスだ』と嘆くことは多くあります。 うまく行って当たり前、失敗したことは忘れられません。 手を抜いていたわけではないけれどミスジャッジはいつまでも心に残ります。

このように結果にとらわれ、嘆き苦しんでも生産的でなく、また失敗した決断が次に役立つとは限りません。 周囲が賛成しようが反対しようが自らの感性を研ぎ澄まし、毅然と判断する、それができるよう常に自分を磨いておくことが必要になってきます。

別にガンコになろうと言っているわけではなく、常にベストコンディションで決断する、それが良い結果を生まなくても結果は結果と割り切ることだと思いました。

だから日々の目標設定も日々の精進として結果を目標にしない、良い結果を生むプロセスに注力しようと結論付けました。 もちろん結果を想定しないわけではありません。 結果にとらわれて個々の決定をくださない、常に健全でよい判断をすれば結果はある程度ついてくると考えるようになりました。

かつて女子テニスプレーヤーのグラフ選手はサーブの時に何を考えているかと聞かれて『トスをこの高さに上げスピンをかけセンター奥に落としてバウンドさせ、浮いてしまったリターンを相手バックにフラットで打ち込む』といったプレーを頭の中で映像として描き、その通りプレーすると言っていました。 このセットを6対2でとるとかは言いません。

同じように健康を維持して健全な判断ができるようにする、そのように考えて腹筋をすればより健康につながるように思います。

結果は重要ですが、結果を目標にすることは上手く行かない気がしました。

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[生活]

[言葉]

言葉の意味

採用面接で質問をすると答えが質問とかみ合わない場合があります。 そこで新たに質問したことの解説を行い、再質問します。

それでもかみ合わないときは「そうですか」と返事をして終わることが多いです。

たとえば「あなたは自分の性格は素直だと思いますか? 素直であると判断した場合、素直であると判断した根拠、エピソードを教えてください」と質問した場合です。

『素直』という言葉の意味が質問者と回答者の間でずれている場合などです。

回答者が深読みする場合、素直の反対は『頑固』、『ひねくれている』などイメージが悪いので「素直だと思います」と答える可能性が高くなります。

回答者は『素直』の意味を従順で使いやすい性格と判断し、親や先輩や上司に受けたアドバイスを忠実に守って成功したエピソードを答えたりします。

回答者がさらに深読みをし、素直=単純、あまり考えない性格ととらまえれば話はさらにややこしくなります。

一方、質問者サイドでは教えることに対してそのまま受け入れられるかという意味で質問していたりします。 過去の経験で先輩のアドバイスが納得いかないながらもアドバイス通り忠実に行って成功し、アドバイスの意味を初めて悟ったというエピソードを期待していたりします。

初めから誤解しないように質問の意図=素直の意味を事例を添えて詳細に説明するのもつじつま合わせの方法でしょうが、そもそもつじつまが合わなくてもこの質問で相手が素直か深読みする性格かはわかる場合があります。 質問は採用面接では応募者の性格の一端を知ることが目的ですから個別の質問回答に整合性がなくても目的は達成できます。

採用面接以外で社内の報告・連絡・相談でこのような不整合が起こると、せっかく受けた報告によって認識できていなかった状況を誤った状況として認識することになります。

報告者:当部署の職員数が不足しているときがある。
聞き手:それじゃ普段は職員が余っているのか? 不足しているのか? どちらなのかわからないという事態になります。

報告者が伝えたかったのは最近仕事量に繁忙期の波が出てきたことを言いたかったのかもしれません。 いちいち言葉の意味を確認しあうのも面倒くさいこと、ひと手間惜しんで後で大きな問題になったこともあります。

たまたま意味の取り違えで新しいことがわかる場合もありますが、やはり社内の報告・連絡・相談では意味は正確であってほしいです。

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[会社運営]

自ら動く

私は同業他社や仕入れ先の管理職の人、異業種の経営者と話す機会が多くあります。 ある会社を訪問した時、何か質問すると社長をはじめ幹部の人が並んでいて質問の内容に的確にこたえられる立場の人が社長の方を見ています。 社長がその人に答えるよう指示を出すまで待つか、しばらく沈黙があればその幹部の人が答え始めます。

逆の場合、つまり当社も幹部が並んでいて対峙しているとき、当社に向けられた質問に対して一番的確に答えられる人がすぐに話し始めます。 誰が的確か判断がつかない時は私が答えるか誰かを指名します。

相手から見れば私はあまり話さない経営者か会社のことを語れない経営者に映るかもしれません。 こちらから見ると相手会社の社長はワンマンということになります。

会社が一貫性をもって事業運営にあたり、目指す方向性がその事業分野で妥当な場合、職員が皆目指す方向に向けて考え、工夫し最善を尽くす組織が効率が良く、高い業績を上げるものと思われます。 最近話題になった企業ではリッツカールトンホテル、企業の方向性はクレドに集約され、クレドに沿って多くのエピソードが紹介されていて、研究したわけではありませんが紹介する経営書が多いところを見ると業績は良いのでしょう。 東京ディズニーランドも良く紹介されています。

その次に業績を上げられる組織はトップが強力にリーダーシップを果たしている場合です。 そして職員が皆トップの指示に完全に従う組織です。 世間にはこのタイプで成功している企業が多くあるはずですが、私が話題として聞くのは日本電産の永守社長、ニッサンのゴーン社長、京セラの稲盛会長、スズキ自動車の鈴木会長などトップの個人名が話題になる企業です。

どちらが優れているというわけではありませんが、最近注目されるのは前者の方と思います。 そして当社もそれを目指しているわけですが、それは何かを参考にしたわけではなく会社の規模が大きくなる中で管理職を育てなければならない時期が長く続いたこと、私自身、指示を出すことで人を育てることを良しとしなかったことによります。

職員が10人いてそれぞれ現場を50件抱えていれば500件の現場があり、それを管理することはできません。 できることは報告、連絡、相談、一方私にはそれぞれの業務について指針を出すという仕事があります。 報告、連絡、相談を受けているとその人が何を気にして何に注意を払っているか見えてきます。 もし大きく欠落している視点があれば質問をします。

たとえば売上高を最大にすることに注力している人は利益率をおろそかにします。 「利益率についてどのように考えているのか?」と質問します。 答えを聞くとなにを考えているか透けて見えます。 できることをやっていないことにより利益率が低くなっているならこの質問だけでその人は利益率を考えるようになります。 「利益率を上げる工夫をしろ、例えばこういうふうに」と言ってしまうのは簡単な場合も多いですが、本人が考えることが重要なのでそのように言いません。

各取引の利益率一覧を出せば、利益率の低い部署は何か考えるでしょう。 そのような仕組みも必要になってきます。 言わなくても解ることは言わない、しかし欠けている視点があれば質問することを繰り返すと相手から「いつも謎かけをされていて、意図が見えない」と言われてしまいます。 つまり質問の中には私がこうした方が良いのではという意図が準備できていない場合があり、結果に不満ならその結果が導き出されたプロセスについて質問します。 こちらもよくわかっていないわけですから。

このようなやり方を人に説明するとき、「私は権限移譲を図っています」と表現しますが完全な説明ではないようです。

最近読んでいるアドラーの解説で「「ほめるな 叱るな 教えるな」というのがありました。 読んでいてこれが近いのかと思っていますが、会社という組織には生い立ち、風土、規模、事業ドメインなどあり、その会社が成長期とか現在のステージもあり、バリエーションが多様です。 何が一番良いのか、それはその組織が何を目指すかにもよりますが、仮に規模拡大期であればそれに沿ったやり方が別にあるかもしれません。

私もあまりほめることはしません。 『すごいな、よかったな』と共感することはあります。 『教えるな』はその通り、結果を求める質問ではどのようにすれば結果が判るか、調べる方法は教えることがあります。 しかし答えそのものを教えてしまうと次に同じ質問をしてきたときにまた教えなければなりません。

このように書いてくると私が何か皆より優れているような印象を持たれるかもしれませんが、逆で年齢や経験を除けば皆私より優れているように見えてしまうのが事実です。 若い人の考えは新鮮で、それぞれの集中力・達成力にも驚かされることが多いのです。 私としては感心ばかりしていては仕方がないので、自分に取り込み彼らと同じ視線で話ができるように努力するしかないのです。

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